能登のサイクリング|能登半島一周400kmのサイクリングコースと見どころガイド

能登半島は、海岸線に沿って約400kmを走るサイクリングコース「能登イチ」が整備された、日本屈指のサイクリングスポットです。日本海の荒々しい外浦と穏やかな内浦、里山の棚田や塩田、歴史ある港町を自転車で巡る旅は、車では味わえない五感に訴える体験が待っています。初心者から上級者まで楽しめるコース設定と、能登半島一周サイクリングの魅力をご紹介します。

能登半島一周サイクリング「能登イチ」の概要

能登半島の海岸線を走るサイクリングコースの風景
能登半島の海岸線を走るサイクリングコースの風景(Photo: t-mizo / CC BY 2.0)

「能登イチ」は、能登半島を一周する約400kmのサイクリングコースの愛称です。石川県が「ナショナルサイクルルート」の認定を目指して整備を進めており、路面標示や案内看板、サイクルステーションなどのインフラが充実しています。コースは金沢を起点に、千里浜から外浦海岸を北上して輪島・珠洲を巡り、内浦海岸を南下して和倉温泉・七尾を経て金沢に戻る一周ルートが基本です。全行程を走破するには3泊4日から5泊6日が目安ですが、区間を絞ったショートコースも設定されており、1泊2日からでも楽しめます。コース上にはサイクルラックやポンプを備えたサイクルステーションが各所にあり、レンタサイクルのサービスも充実しています。能登の道は信号が少なく、交通量も控えめなため、のびのびとペダルを漕ぐことができます。能登の里山里海の世界農業遺産の景観の中を走る体験は、能登イチならではの魅力です。

能登サイクリング・外浦コースの見どころ

外浦コースは、千里浜から能登半島の西海岸を北上するルートです。起点の千里浜なぎさドライブウェイでは、硬く締まった砂浜の上を自転車で走ることも可能です。気多大社で旅の安全を祈願した後、機具岩巌門など能登金剛の断崖絶壁を横目に走ります。志賀町の能登金剛エリアはアップダウンがありますが、その分眺望が素晴らしい区間です。世界一長いベンチで一休みし、日本海の絶景を堪能しましょう。輪島市に入ると輪島朝市で朝食をとるのが定番。さらに白米千枚田の棚田を見下ろしながら走る区間は、能登イチのハイライトの一つです。外浦コースは向かい風になることが多いため、体力配分に注意が必要です。千里浜から輪島まで約120km、1泊2日で走るサイクリストが多いです。途中の總持寺祖院に立ち寄り、精進料理で体を癒すのもおすすめです。

奥能登サイクリングコースの絶景と挑戦

能登半島の外浦海岸沿いのサイクリングルートと日本海
能登半島の外浦海岸沿いのサイクリングルートと日本海(Photo: t-mizo / CC BY 2.0)

奥能登エリアは、能登イチの中でも最もワイルドで挑戦的な区間です。輪島から曽々木海岸を経て珠洲に向かうルートは、海岸線のアップダウンが続きますが、手つかずの自然と絶景が待っています。揚げ浜式製塩の塩田を横目に走り、時国家の豪農の館を訪れるのも興味深い体験です。能登半島の最先端禄剛埼灯台は、サイクリストにとっての到達目標となるスポットで、灯台へは急な坂道を登る必要がありますが、頂上からの360度パノラマは苦労に報いてくれます。珠洲市の見附島は、軍艦のような姿が印象的な奇岩で、記念撮影スポットとして人気です。奥能登区間は補給ポイントが少ないため、飲料水と補給食を十分に携行してください。道の駅やコンビニは限られていますが、その分、自然の中を走る解放感は格別です。能登丼で地元の食材を味わうのも、奥能登サイクリングの楽しみです。

能登サイクリング・内浦コースの穏やかな海岸線

内浦コースは、能登半島の東海岸を珠洲から七尾方面へ南下するルートです。外浦の荒々しさとは対照的に、富山湾に面した穏やかな海景色が広がります。恋路海岸の美しいビーチや九十九湾の入り組んだ入り江を巡りながら、のどかな漁村風景の中を走ります。真脇遺跡では4,000年の縄文の歴史に触れることができます。内浦コースは外浦に比べてアップダウンが少なく、初心者や家族連れでも走りやすい区間です。能登ワインのワイナリーで休憩し、ワインの試飲(サイクリスト以外の同行者向け)を楽しむのもよいでしょう。和倉温泉は内浦コースの拠点として最適で、温泉で疲れた体を癒せます。能登島へ渡るルートも人気があり、能登島大橋からの眺望は素晴らしいです。能登食祭市場では、新鮮な海鮮でエネルギーを補給できます。内浦コースは追い風になることが多く、快適なサイクリングが楽しめます。

能登サイクリング周辺の見どころ

能登イチのコース上には、サイクリングの合間に訪れたい見どころが数多くあります。七尾城跡は能登畠山氏の居城で、本丸からの眺望は能登半島随一です。のと鉄道の沿線はのどかな里山風景が広がり、自転車を載せて列車に乗る「サイクルトレイン」も運行されています。疲れた区間はのと鉄道でショートカットすることも可能です。輪島キリコ会館では能登の祭り文化を体感でき、輪島漆芸美術館で伝統工芸に触れることもできます。能登演劇堂は仲代達矢と縁の深い劇場で、公演スケジュールに合えばぜひ鑑賞してみてください。食事は能登かき能登牛能登のイカとふぐなど、地元の食材を堪能できます。穴水町ぼら待ちやぐらも独特の漁法を伝える見どころです。

能登半島サイクリングのアクセスと準備情報

能登イチの起点となる金沢駅や七尾駅周辺にはレンタサイクルショップがあり、ロードバイクやクロスバイクを借りることができます。自分の自転車を持ち込む場合は、北陸新幹線の輪行や、金沢駅周辺のサイクルステーションでの組み立てが便利です。宿泊は、輪島・珠洲・和倉温泉を拠点にするのが一般的です。サイクリストに優しい宿も増えており、自転車の室内保管や洗濯・乾燥サービスを提供している施設もあります。ベストシーズンは春(4月〜5月)と秋(9月〜11月)で、夏は暑さ対策、冬は積雪のため避けた方が無難です。能登半島は日本海側気候のため、天候の急変に備えてレインウェアの携行をおすすめします。パンク修理キットやスペアチューブなどの基本工具も必携です。コース上のサイクルステーションにはポンプや工具が設置されているほか、地元のサイクルショップでの修理対応も可能です。


写真クレジット:
能登半島の海岸線とサイクリングルートの風景 — t-mizo(Wikimedia Commons / CC BY 2.0)
能登半島の海岸沿いの道と日本海の眺望 — t-mizo(Wikimedia Commons / CC BY 2.0)

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