【2026年8月時点】道の駅すず塩田村は2024年の能登半島地震で被災し、2025年3月に一部営業を再開、同年4月1日から年中無休の営業に戻っています。ただし塩の生産量は例年の半分以下にとどまり、奥能登揚げ浜塩の購入は1人3個までに制限されています。また国道249号が未復旧のため、珠洲市内からは県道52号経由でのアクセスが案内されています。訪問前に最新の状況をご確認ください。
石川県珠洲市に伝わる揚げ浜式製塩(あげはましきせいえん)は、約500年以上続く日本唯一の伝統的な塩づくりの技法です。海水を人力で塩田に撒き、太陽と風の力で塩を作る昔ながらの製法は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
目次
揚げ浜式製塩とは — 500年続く能登の塩づくり

揚げ浜式製塩は、能登半島の外浦海岸で行われてきた伝統的な塩の製造方法です。「揚げ浜」の名は、海水を浜から汲み揚げて塩田に撒くことに由来しています。潮汲み桶で海水を運び、砂を敷いた塩田に均一に撒いた後、太陽と風で水分を蒸発させて塩分濃度を高めた「かん水」を作ります。
このかん水を大きな釜で煮詰めることで、ミネラル豊富な天然塩が完成します。すべての工程が手作業で行われるため、一度に作れる塩の量は限られていますが、その分まろやかで深みのある味わいが特徴です。能登の揚げ浜塩は料理人にも評価が高く、全国の名店で使用されています。
塩づくり体験と道の駅すず塩田村

珠洲市仁江海岸にある道の駅すず塩田村には、揚げ浜式製塩の歴史や製法を学べる塩の総合資料館「揚浜館」が併設されていますが、令和6年能登半島地震の影響で揚浜館は休館が続いています(運営会社の告知では、利用できるのはロビー内の小規模な売店とお手洗いのみ)。塩田そのものは屋外にあるため、タイミングが合えば職人の作業を眺められます。塩づくり体験は5月〜9月の要予約制ですが、実施の可否は年・時期で変わるため、参加を目的に訪れる場合は必ず事前に電話(0768-87-2040)で確認してください。
体験が実施されている時期であれば、実際に塩田に海水を撒く「潮撒き」を体験し、能登の塩づくりの大変さと奥深さを実感できます。施設内の売店では、揚げ浜塩を使った塩サイダーや塩ソフトクリームなどのオリジナル商品も販売されており、能登ならではのお土産としても人気です。
揚げ浜式製塩の工程と職人の技
揚げ浜式製塩は、文字通り海水を「揚げて」「浜に」撒く製塩法です。まず、職人が桶で海水を汲み上げ、塩田の砂地に均一に撒きます。この「潮撒き」の作業は、風や天候を読みながら一日に何度も繰り返され、太陽と風の力で水分を蒸発させて砂に塩分を凝縮させます。
塩分が凝縮した砂を集めて海水を注ぎ、高濃度の塩水(かん水)を抽出。このかん水を大きな釜で煮詰めて結晶化させ、ようやく塩が完成します。海水を撒いてから塩になるまで、天候次第で3日〜1週間もかかる手間のかかる製法で、できあがる塩の量はわずかです。だからこそ、揚げ浜塩はミネラル豊富でまろやかな味わいが特徴で、料理人からも高く評価されています。
道の駅すず塩田村での揚げ浜式製塩体験
揚げ浜式製塩を体験・見学できるのが、珠洲市にある「道の駅すず塩田村」です。施設内には実際に使われている塩田があり、職人の製塩作業を間近で見学できます。夏季を中心に、観光客も潮撒きの体験ができるプログラムが用意されており、自分で撒いた海水から塩ができる過程を体感できます。
併設の資料館では揚げ浜式製塩の歴史や道具を展示しており、500年にわたる能登の製塩文化を学べます。ショップでは揚げ浜塩を使ったさまざまな商品が販売されており、塩そのものはもちろん、塩キャラメルや塩サイダーなどユニークなお土産も人気です。能登の旅で本物の手作り塩を持ち帰ってみてはいかがでしょうか。
揚げ浜塩の味わいと活用法
揚げ浜式で作られた塩は、海水のミネラルをバランスよく含んでいるため、舌触りがまろやかで深みのある味わいが特徴です。一般的な精製塩と比べるとカリウム・マグネシウム・カルシウムなどの天然ミネラルが豊富に含まれており、塩辛さの中にほのかな甘みを感じることができます。
料理のプロからは「素材の味を引き立てる塩」として高い評価を受けており、刺身や天ぷら、焼き魚など和食との相性は抜群です。また、おにぎりや漬物に使うと素材本来の旨味が引き出されます。近年は揚げ浜塩を使ったスイーツも人気で、塩アイスクリームや塩プリン、塩チョコレートなどが珠洲市内のカフェや土産店で販売されています。能登旅行のお土産として、この希少な手作り塩を贈れば喜ばれること間違いなしです。
揚げ浜式製塩(道の駅すず塩田村)へのアクセス・見学情報
| 施設名 | 道の駅すず塩田村 |
| 所在地 | 石川県珠洲市清水町1-58-1 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00(3〜11月)/9:00〜16:00(12〜2月)。2025年4月1日より土日祝を含め年中無休で営業再開 |
| 休館日 | 年末年始 |
| 入館料 | 揚浜館(塩の総合資料館)大人 100円 / 小人(中学生以下)50円 ※2026年8月時点で揚浜館は休館中 塩づくり体験は5〜9月の要予約制で、2時間コース 大人2,000円・小人1,000円/2日間コース 3,500円(実施可否は要事前確認・0768-87-2040) |
| 所要時間 | 約30分〜1時間 |
| アクセス(車) | のと里山海道 のと里山空港ICから約40分 |
| 駐車場 | あり(無料) |
| 体験 | 塩づくり体験あり(夏季・要予約) |
写真クレジット:
伝統的な製塩 — Wiaskara(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
塩田の風景 — H. Zell(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)













