【2026年8月時点】能登地方は令和6年能登半島地震からの復旧途上にあり、飲食店・市場・宿の営業時間や休業の状況が変わることがあります。寒ぶり・能登かき・このわたの生産そのものは続いていますが、提供する店や購入できる施設は震災前と変わっています。お出かけ前に、各施設の公式サイトや電話で最新の状況をご確認ください。

能登半島の冬は、日本海の荒波が育んだ極上の食材が揃う季節です。脂がたっぷりとのった能登寒ぶり、ぷりぷりの穴水の牡蠣、そして日本三大珍味のひとつ「このわた」や、なまこの卵巣を干した希少な「くちこ」など、冬の能登でしか味わえない贅沢な味覚が目白押し。寒さが厳しくなるほどに旨みが増す海の幸は、古くからこの地の食文化を支えてきました。ここでは、冬の能登半島を訪れるなら絶対に外せないグルメの数々を詳しくご紹介します。

ブリ(能登寒ぶり)
冬の味覚の王様・ブリ(Photo: E-190's / CC BY-SA 3.0)

能登寒ぶりの魅力と旬の時期

能登寒ぶりは、冬の能登半島を代表する最高級の味覚です。毎年11月から翌2月にかけて、日本海を南下するブリが能登沖の定置網にかかります。特に12月から1月にかけてが最も脂がのる時期で、「寒ぶり」の名にふさわしい濃厚な旨みを楽しめます。

能登寒ぶりの特徴は、その豊かな脂のりと身の締まり。冷たい日本海の荒波にもまれて育ったブリは、太平洋側のものとは一味違う深い味わいがあります。刺身で食べればとろけるような食感、ぶりしゃぶにすれば上品な脂の甘みが広がり、照り焼きにすれば香ばしさと旨みが口いっぱいに広がります。また、ブリ大根は能登の家庭料理の定番で、寒い冬の夜に体の芯から温めてくれる一品です。

能登でブリが水揚げされる主な漁港は、能登町の宇出津港や七尾市の七尾港などです。宇出津港では毎年1月に「宇出津港のと寒ぶりまつり」が開催され(2026年は1月18日・10:00〜15:00、宇出津港いやさか広場、入場無料)、寒ぶりの解体ショーや「うまいもん横丁」で新鮮なブリを使った料理をその場で楽しむことができます。2027年の日程は2026年8月時点で未発表です。寒ぶりの水揚げが不調の年は中止になることがあるため、開催の可否は能登町商工会内の実行委員会(0768-62-0181)で確認してください。七尾の街歩きの際にも、市場や飲食店で旬の寒ぶりに出会えるでしょう。また、能登の漁師町めぐりでは、水揚げの活気ある風景を間近で見ることもできます。

石川県漁業協同組合(JFいしかわ)は、冬に定置網で漁獲されるブリのうち11月から2月にかけて獲れた7kgを超えるものを「天然能登寒ぶり」と呼び、ブランド化を進めています。水揚げの中心は珠洲市から七尾市にかけての富山湾に面した海域(内浦)で、漁場が漁港から1〜2kmと近く、漁獲後は冷海水で品質管理されるため鮮度が保たれます。脂ののりは刺身が醤油をはじくほどで、石川県には嫁ぎ先へ寒ぶりを歳暮として贈る慣習も残っています。

穴水の能登かきと冬のまいもんまつり

能登半島の冬のグルメとしてブリと並んで人気を誇るのが、穴水町の能登かきです。七尾湾の穏やかな内海で育てられる能登かきは、小ぶりながらも味が濃厚で、磯の香りと甘みのバランスが絶妙です。

能登の冬の味覚・牡蠣
冬が旬の能登の牡蠣(Photo: 663highland / CC BY 2.5)

能登かきの出荷は10月から4月まで続き、本来の旬は年明けの1月・2月です。七尾湾は餌となるプランクトンが多いため、わずか1年で出荷できる大きさまで育ちます。穴水町では、この旬の時期に合わせて「穴水まいもんまつり“冬の陣”かきまつり」が開催されます。2026年の会期は1月3日(土)〜5月6日(水)で、町内の加盟店で牡蠣料理が提供されました。穴水町とまいもんまつりは、春夏秋冬それぞれの旬の食材を楽しめるイベントとして知られ、冬のかき祭りはその中でも最も人気の高い催しです。

まいもんまつり期間中は、穴水町内の加盟飲食店や民宿で特別メニューが提供されます。焼き牡蠣、蒸し牡蠣、カキフライ、牡蠣ご飯、牡蠣鍋など、さまざまな調理法で能登かきを堪能できるのが魅力です。ただし震災の影響で加盟店は絞られており、2026年の加盟は8店舗(お料理雁月、ちゃんこ一品料理 力、民宿かき浜、Coast table、なぎさガーデン、のとふれあい文化センター、わいわい処きん太郎、龍屋)。大半が要予約なので、必ず事前に店へ連絡してから出かけてください。会期中には穴水町商店街を会場にした「復興にぎわいかきまつり」も開かれ、2026年は2月28日(土)・3月1日(日)に炭火コーナーやまいもん市が設けられました。

穴水町以外にも、七尾市の能登島周辺や中島町でも牡蠣の養殖が盛んです。七尾湾は波が穏やかで栄養豊富なプランクトンが多いため、牡蠣の養殖に適した環境が整っています。震災でいかだや作業場が被害を受けた生産者も多いものの、養殖と出荷は続けられており、産地で味わう新鮮な能登かきは今も楽しめます。

能登のこのわた・くちこ — 日本三大珍味の故郷

能登半島は、日本三大珍味のひとつ「このわた」の産地として古くから知られています。このわたとは、なまこの腸を塩漬けにした珍味で、独特の磯の香りと深い旨みが特徴です。江戸時代には将軍家への献上品として珍重され、現在でも高級食材として全国の食通に愛されています。

能登でこのわたが名産となった背景には、七尾湾に豊富に生息するなまこの存在があります。七尾湾のなまこは「赤なまこ」と呼ばれる良質なもので、身はもちろん、腸(このわた)や卵巣(くちこ)まで余すことなく利用されてきました。なまこの水揚げは11月から3月頃が最盛期で、この時期に作られるこのわたが最も美味しいとされます。

くちこ(口子)は、なまこの卵巣を干して板状に加工した珍味です。一枚のくちこを作るのに数十匹ものなまこが必要とされ、手間と時間がかかることから「能登の黄金」とも呼ばれます。軽く炙ると、芳ばしい香りとともに濃厚な旨みが広がり、日本酒との相性は抜群です。

能登の祭り寿司・郷土料理の世界でも、このわたやくちこは特別な存在です。正月や祝いの席で供されることが多く、能登の食文化を語る上で欠かせない食材といえるでしょう。七尾市の能登食祭市場などで購入でき、お土産としても人気があります。なお、輪島朝市は令和6年能登半島地震に伴う火災で朝市通りが焼失し、現在も元の場所では再開していません。代わりに「出張輪島朝市」がワイプラザ輪島店(輪島市宅田町41)で9:00〜13:00・水曜休で開かれています。瓶詰めのこのわたや干しくちこは持ち帰りやすく、冬の能登旅の思い出の品として最適です。

能登の冬グルメを味わえるおすすめのお店

冬の能登半島で寒ぶりや牡蠣、このわたを存分に楽しむなら、地元で評判の飲食店を訪れるのが一番です。ここでは、冬の味覚を堪能できるエリアとおすすめの楽しみ方をご紹介します。

七尾エリアでは、道の駅でもある能登食祭市場が冬のグルメの拠点となります。営業時間は9:00〜17:00(グルメ館は店舗により異なる)、定休日は火曜(祝日は営業)と元日ですが、震災の影響で営業時間などが変更される場合があるため、公式サイトで最新情報を確認してから訪れてください。市場内の鮮魚店では新鮮な寒ぶりの刺身や切り身を購入でき、市場周辺の寿司店や割烹料理店では寒ぶりの刺身やぶりしゃぶのコースが提供されます。また、七尾湾を望む和倉温泉の旅館でも、能登の冬の食材をふんだんに使った会席料理を楽しめます。和倉温泉は震災で多くの旅館が休業しましたが、2026年8月時点で旅館協同組合加盟19軒のうち11軒が通常営業または仮営業で再開しています。

穴水エリアは、能登かきの本場です。まいもんまつり“冬の陣”かきまつりの期間中(2026年は1月3日〜5月6日)は、町内の加盟店でかき料理のフルコースから一品料理までを楽しめます。加盟店・提供メニュー・予約の要否は年によって変わるため、穴水町観光物産協会(0768-52-3790)の案内で確認してから出かけましょう。

輪島エリアは震災と火災の被害が大きく、かつて食べ歩きの中心だった朝市通り周辺は再開していません。現在は「出張輪島朝市」(ワイプラザ輪島店・9:00〜13:00・水曜休)が地元の味に触れられる場になっています。飲食店は再開した店とそうでない店が混在しているため、訪問前に営業を確認してください。なお、能登のイカと能登ふぐも冬場に旬を迎えるため、ブリと合わせて楽しむことができます。

能登町・珠洲エリアでは、宇出津港周辺の食堂で寒ぶりを楽しめるほか、地元の民宿に泊まれば夕食に旬の海鮮料理がずらりと並びます。このわたやくちこは、七尾の土産物店のほか、道の駅やのと里山空港の売店でも手に入ります。ただし店舗によって取り扱いや営業状況が異なるため、確実に買いたい場合は事前に問い合わせるか、蔵元・水産加工業者の通販を利用するのが確実です。

能登の冬グルメと合わせて楽しむ日本酒

冬の能登グルメをさらに引き立てるのが、能登の地酒です。能登杜氏が手がける日本酒は、能登の海鮮との相性を考えて醸されたものが多く、寒ぶりの刺身やこのわたと合わせると、その真価を発揮します。

珠洲市の宗玄酒造、能登町の数馬酒造、輪島市の白藤酒造店など、能登には個性豊かな酒蔵が点在しています。いずれも震災で建物や仕込み蔵が被害を受けましたが、酒造りは各蔵で再開しており、たとえば白藤酒造店は2025年3月、自社蔵での仕込みを1年3か月ぶりに再開しました。冬は新酒の時期でもあり、しぼりたての新酒と能登寒ぶりの刺身の組み合わせは、まさに至福のひとときです。ただし店舗や見学施設が被災したままの蔵もあるため、蔵元を訪ねる場合は必ず事前に問い合わせを。酒販店や物産館で能登の酒を買って応援するのも、いまの能登旅らしい楽しみ方です。

能登の冬グルメのシーズンとアクセス情報

能登の冬グルメを楽しむベストシーズンは、12月から2月です。能登の旬カレンダーを参考にすると、各食材の旬の時期を把握しやすいでしょう。能登寒ぶりは12月〜1月、能登かきは1月〜2月(出荷は10月〜4月)、このわたは11月〜3月がそれぞれ最も美味しい時期です。

冬の能登へのアクセス

空路のと里山空港から車を利用するのが便利です(穴水PAまで約20分、和倉温泉まで約1時間、道の駅すずなりまで約55分)
金沢から無料の自動車専用道路「のと里山海道」を利用して七尾・穴水方面へ(のと里山空港〜金沢駅は車で約1時間50分が目安)
冬季の道路凍結や積雪に注意。主要道路は除雪が行き届いているため、スタッドレスタイヤを装着していれば走行できます
国道249号(奥能登沿岸)本復旧工事が続いており、片側交互通行や時間帯規制が残る区間があります(2026年8月時点。輪島市門前町〜珠洲市の権限代行区間は令和11年(2029年)春までに本復旧完了予定)。移動時間には余裕を持ち、出発前に石川県の「石川みち情報ネット」で規制区間を確認しておきましょう

宿泊は和倉温泉が便利ですが、能登の各地には民宿や旅館が点在しており、宿の食事で冬のグルメを堪能するのもおすすめです。特に漁師町の民宿では、その日に水揚げされた新鮮な魚介が食卓に並び、都会では味わえない本物の能登の味を楽しめます。

冬の能登半島は、香箱蟹・加能ガニも旬を迎えるため、ブリや牡蠣と合わせて石川の冬の味覚を満喫できます。寒さ厳しい日本海側の冬だからこそ出会える、極上のグルメの数々。ぜひ冬の能登で、忘れられない食の体験をしてください。

能登の冬グルメのよくある質問

能登の冬グルメといえば何ですか?
代表格は能登寒ぶり、能登かき、このわた、くちこです。能登寒ぶりは11月から2月に能登半島内浦(能登町宇出津港や七尾港など)の定置網で水揚げされ、特に12〜1月が脂ののりが最もよい時期です。能登かきは穴水湾・七尾湾の養殖もので、出荷は10月から4月まで続き、本来の旬は年明けの1〜2月です。このわたはなまこの腸を塩漬けした日本三大珍味のひとつ、くちこはなまこの卵巣を塩漬けまたは干した珍味です。同じ季節には香箱蟹・加能ガニやのどぐろも旬を迎えます。
このわたとくちこは何ですか?どこで買えますか?
このわたはなまこの腸を塩漬けして熟成させた珍味で、日本三大珍味のひとつです。くちこ(口子)はなまこの卵巣を塩漬けにしたもの、または干して板状にしたもので、炙ると濃厚な旨みと磯香が広がります。購入先は七尾市の能登食祭市場、穴水や能登の道の駅、のと里山空港の売店、輪島市の出張輪島朝市などです。元の朝市通りは令和6年能登半島地震の火災で焼失し、現在も再開していません。店舗によって取り扱いや営業が異なるため、確実に買いたい場合は事前に問い合わせるか、水産加工業者の通販を利用するのが確実です。
輪島朝市は開いていますか?冬の海産物は買えますか?
輪島市河井町の朝市通りは令和6年能登半島地震に伴う火災で焼失し、元の場所では再開していません。代わりに「出張輪島朝市」がワイプラザ輪島店(輪島市宅田町41)で開かれており、営業は9:00〜13:00、定休日は水曜日です。野菜の店は早めに店じまいすることがあります。冬の海産物や干物、瓶詰めのこのわたなどが並ぶことがありますが、出店内容は日によって変わるため、最新情報は出張輪島朝市の公式サイトで確認してください。
能登寒ぶりの旬はいつ?どこで食べられますか?
石川県漁協は11月から翌2月にかけて定置網で漁獲された7kgを超える天然ブリを「天然能登寒ぶり」と呼んでおり、旬は12〜2月、脂のりが最もよいのは12〜1月です。水揚げの中心は珠洲市から七尾市にかけての内浦で、能登町宇出津港がよく知られます。宇出津港では例年1月中旬に「のと寒ぶりまつり」が開かれ、2026年は1月18日に開催されました(水揚げ不調の年は中止になることがあります)。食べるなら能登町の食堂・民宿、七尾の能登食祭市場周辺の寿司店・割烹、和倉温泉の再開旅館の会席が現実的です。和倉温泉は震災後も休業中の宿が多く、訪問前に営業を確認してください。
穴水で牡蠣はどこで食べられますか?カキ小屋の食べ放題はありますか?
「穴水かき小屋」という名称の食べ放題施設は確認できません。穴水町では冬にまいもんまつり“冬の陣”かきまつりが開かれ、2026年は1月3日〜5月6日に加盟8店舗で牡蠣料理が提供されました。民宿かき浜やかき料理店コーストテーブルなどは自家養殖のコース料理が中心で、大半が要予約です。焼き牡蠣の炭火コーナーは、商店街の「復興にぎわいかきまつり」など期間限定のイベントで出ることがあります。買うなら生産者の直売や、穴水駅に併設する道の駅あなみず(物産館「四季彩々」)が手がかりになります。会期・加盟店は年ごとに変わるため、穴水町観光物産協会(0768-52-3790)で確認してください。
能登の冬グルメを楽しむベストシーズンとアクセスは?
寒ぶり・かき・このわたが重なる12〜2月が最も狙い目です。能登寒ぶりは12〜1月、能登かきは1〜2月(出荷は10〜4月)、このわたはなまこ漁の11〜3月が旬です。アクセスはのと里山空港からレンタカー(穴水PAまで約20分、和倉温泉まで約1時間)、または金沢から無料の自動車専用道路「のと里山海道」を利用します。冬季はスタッドレスタイヤが必須で、奥能登の国道249号は本復旧工事による片側交互通行や時間帯規制が残る区間があります。飲食店・市場・宿は震災後も営業が変わりやすいので、出発前に公式情報を確認してください。

写真クレジット:
ブリ(能登寒ぶり) — E-190's(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
能登の冬の味覚・牡蠣 — 663highland(Wikimedia Commons / CC BY 2.5)

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わっか北陸編集部
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