【2026年8月時点】舳倉島へは、一般の観光客は渡航できません。へぐら航路株式会社は2026年5月8日付の告知で、係留施設の完成に伴い同年5月18日から平日のみ定期船の運航を再開した一方、「当面の間、島民と復旧関係事業者(調査設計・工事関係者)以外の乗船を見合わせる」と発表しており、2026年8月時点でもこの制限は続いています。バードウォッチングや釣りを目的とした来島は再開されていません。最新の状況は、へぐら航路株式会社(0768-22-4381)または公式サイトで必ずご確認ください。

記事の要点

  • 2026年8月時点で、バードウォッチング目的の来島はできません。へぐら航路は2026年5月18日から平日の定期船運航を再開しましたが、「当面の間、島民と復旧関係事業者以外の乗船を見合わせる」としています
  • 舳倉島は輪島沖約50kmに浮かぶ周囲約5km・面積0.55km²の小島。春と秋の渡りの季節には300種以上の野鳥が飛来し、国内外のバードウォッチャーが訪れてきました
  • 乗船が再開された場合の目安は平日のみ1日1往復(土日祝は休航)、片道約1時間25分・大人片道2,300円/往復4,600円。輪島港9:00発→舳倉島10:25着、舳倉島15:00発(11月1日〜3月31日は14:00発)です

運航の可否は当日午前7時30分に決まり、天候次第では帰りの船が出ないこともあります。再開の状況はへぐら航路株式会社(0768-22-4381)へ事前にご確認ください。

舳倉島の風景
日本海に浮かぶ舳倉島の風景(Photo: tsuda / CC BY-SA 2.0)

能登半島の輪島沖約50kmの日本海に浮かぶ舳倉島(へぐらじま)は、日本有数のバードウォッチングの聖地として知られる小さな離島です。周囲約5km、面積わずか0.55平方kmの島ですが、春と秋の渡りの季節には300種以上の野鳥が飛来し、国内外のバードウォッチャーが訪れます。大陸と日本列島の間に位置する地理的条件が、この小さな島を渡り鳥たちの貴重な中継地にしているのです。

舳倉島はまた、能登の海女文化の拠点としても知られ、かつては輪島の海女たちが夏季に渡島してアワビやサザエの漁を行っていました。野鳥と海女文化という二つの魅力を持つ舳倉島の世界をご紹介します。

舳倉島とは — 能登半島沖50kmの離島

舳倉島は、輪島市の海士町(あままち)地区に属する離島で、行政上は輪島市に含まれます。島の最高地点は標高約12mと非常に平坦な地形で、岩礁と草地、小さな池(龍神池)からなる素朴な景観が広がっています。定住人口はごくわずかで、夏季には海女漁のために輪島から渡る人々が島の人口を増やします。

島には奥津比咩神社(おくつひめじんじゃ)が鎮座しており、海上安全と豊漁の神として信仰されています。輪島市内の重蔵神社と対をなす神社として、古くから漁師や海女たちの心の拠りどころとなってきました。島の神社や祠は、日本海の孤島で暮らしてきた人々の信仰の歴史を物語っています。

舳倉島周辺の海域は透明度が高く、日本海の荒波に削られた岩礁が独特の海岸景観を形成しています。島の周囲には多くの岩礁が点在し、海鳥たちの休息地にもなっています。天候が安定した日には、島から満天の星空を楽しむこともできます。光害がほとんどないため、天の川がくっきりと見える絶好の天体観測スポットでもあります。

舳倉島で観察できる野鳥の種類

舳倉島が「バードウォッチングの聖地」と呼ばれる理由は、その地理的な位置にあります。日本海上に孤立した島は、大陸と日本列島の間を移動する渡り鳥にとって、長い海上飛行の途中で唯一休息できる貴重な中継地です。このため、通常の陸地では見られない珍しい鳥が多数飛来し、これまでに300種以上の野鳥が記録されています。

春の渡り(4月〜5月)には、東南アジアや中国南部から日本列島に向かう夏鳥たちが立ち寄ります。オオルリ、キビタキ、コマドリなどの美しい小鳥類に加え、ヤツガシラ、コウライウグイス、ブッポウソウなどの珍鳥が観察されることもあります。特に5月の連休前後は渡りのピークで、島中が渡り鳥で賑わう壮観な光景が見られます。

秋の渡り(9月〜10月)には、繁殖を終えた鳥たちが南方へ戻る途中に舳倉島に立ち寄ります。秋はタカの渡りも観察でき、ハチクマやサシバなどの猛禽類が島の上空を通過する姿は圧巻です。また、迷鳥(本来の渡りルートから外れた珍しい鳥)が現れる確率が高いのも秋の特徴で、日本初記録や数例目の記録となる鳥が見つかることもあります。

夏季(6月〜8月)には、ウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥が島の周辺で繁殖活動を行います。定期船は通年運航のダイヤが組まれていますが、冬季は荒天による欠航が多く渡島が読みにくいため、バードウォッチング目的の訪問は春か秋が向いています。

島内では、龍神池周辺や奥津比咩神社の林、島の北側の草地などが主要な観察ポイントです。島が小さいため徒歩で巡回でき、半日もあれば島内の主要ポイントを一周できます。双眼鏡やカメラを持参して、のんびりと鳥を探す時間は格別です。

舳倉島の海女文化と島の暮らし

舳倉島は、能登の海女文化と深い結びつきを持つ島でもあります。輪島市海士町の海女たちは、古くから夏季に舳倉島へ渡り、アワビやサザエ、ワカメなどの漁を行ってきました。「舳倉島の海女漁」は能登の海女文化を代表する伝統で、素潜りで海底の貝や海藻を採る技術は何世代にもわたって受け継がれてきました。

現在では海女の数は大幅に減少していますが、夏季には今も海女漁が行われており、島の漁港周辺では採れたての海の幸を目にすることができます。海女たちが暮らした番屋(ばんや)と呼ばれる小さな小屋が島内に点在しており、かつての海女の暮らしぶりを偲ぶことができます。

島内には従来、宿泊できる民宿が数軒あり、泊まりがけで朝夕の野鳥観察を楽しむのが定番でした。ただし地震の影響で島の受け入れ体制は変わっており、2026年8月時点では一般の観光客が渡島できない状態が続いています。宿泊の可否や予約方法は、輪島市観光課やへぐら航路株式会社に直接お問い合わせください。

舳倉島へのアクセスと渡船情報

舳倉島灯台
舳倉島のシンボル・舳倉島灯台(Photo: tsuda / CC BY-SA 2.0)

舳倉島へは、輪島の輪島港から、へぐら航路株式会社の定期船「希海(のぞみ)」が運航しています。令和6年能登半島地震の影響で長期運休が続き、2025年7月30日にいったん再開したのち、漁業と港湾の復旧工事を優先するため2025年11月13日から再び休航。係留施設の完成を受けて2026年5月18日に運航を再開しましたが、前述のとおり一般の観光客の乗船は当面見合わせられています。以下は、乗船が再開された場合に備えた基本情報です。

運航会社へぐら航路株式会社(石川県輪島市鳳至町下町166 / 0768-22-4381)
船名定期船「希海(のぞみ)」(旅客定員93名)
運航日平日のみ1日1往復(土日祝は休航)
8月14・15日、8月22〜24日は島民不在のため休航
ダイヤ輪島港9:00発 → 舳倉島10:25着
舳倉島15:00発 → 輪島港16:25着
※11月1日〜3月31日は舳倉島14:00発(15:25着)
所要時間片道約1時間25分
運賃大人 片道2,300円 / 往復4,600円
小人 片道1,150円 / 往復2,300円
15人以上の団体は1割引・クレジットカード不可
運航可否の決定当日午前7時30分

運賃・ダイヤは2026年8月時点でへぐら航路株式会社の公式サイトに掲載されている内容です。復旧の進み具合によって変わる可能性があるため、渡航前に必ず公式サイトか電話で確認してください。

注意点として、日本海の外洋を航行するため波が高い日は欠航となることが少なくありません。運航するかどうかは当日の朝7時30分に決まり、天候次第では帰りの船が出ずに島に足止めされる可能性もあります。日程には余裕を持ち、欠航時の代替プランも考えておくことが重要です。船酔いが心配な方は酔い止めの薬を事前に服用しておくことをおすすめします。

輪島までのアクセスは、のと里山空港から車で約30分、または金沢駅から輪島特急バスで約2時間30分(輪島マリンタウン下車)です。なお石川県観光連盟の公式情報では舳倉島の駐車場は「なし」と案内されており、輪島港周辺も復旧工事が続いています。車で向かう場合の駐車先は事前に確認しておくと安心です。

舳倉島のバードウォッチングのベストシーズン

舳倉島でのバードウォッチングのベストシーズンは、5月上旬〜中旬と10月上旬〜中旬です。この時期は渡り鳥の飛来数が最も多く、珍しい鳥に出会える確率も高くなります。

5月の春の渡りが最もおすすめで、島中が色とりどりの渡り鳥で溢れます。南風が吹いた翌日の朝は特に鳥が多く、島の至るところで野鳥観察が楽しめます。カラフルなオオルリやキビタキが目の前の枝に止まる光景は、バードウォッチャーにとって至福のひとときです。

持ち物は、双眼鏡、カメラ(望遠レンズ推奨)、野鳥図鑑、日焼け止め、防寒着(海上は陸地より寒い)、雨具、歩きやすい靴を準備しましょう。島内にコンビニや売店はないため、飲料水や軽食は輪島で事前に購入しておく必要があります。

舳倉島は、日本海の大海原に浮かぶ小さな楽園です。渡り鳥たちの羽休めの地で、海女文化の息づく離島——能登半島の奥深い魅力を感じられる特別な場所です。現在は復旧を優先するため一般の来島が見合わせられていますが、島の暮らしと航路が落ち着き、再び訪ねられる日が来たら、天候と相談しながらこの唯一無二の島へ足を運んでみてください。

舳倉島のバードウォッチングのよくある質問

2026年時点で一般観光客は舳倉島へ行けますか?
行けません。へぐら航路株式会社は2026年5月18日から平日の定期船運航を再開した一方、「当面の間、島民と復旧関係事業者以外の乗船を見合わせる」としており、2026年8月時点でもバードウォッチングや釣り目的の一般来島は再開されていません。最新状況はへぐら航路(0768-22-4381)で必ず確認してください。
舳倉島はどんな島で、なぜ野鳥観察で有名なのですか?
石川県輪島市の沖合約50kmに浮かぶ離島で、面積約0.55km²の小さな島です。大陸と日本列島の間の渡りのルート上に孤立しているため、春・秋を中心に多くの渡り鳥が立ち寄り、これまでに300種以上が記録される日本有数の野鳥中継地として知られます。海女文化の島としても知られます。
船の運航や運賃の基本情報は?(再開に備えて)
輪島港から定期船「希海(のぞみ)」が就航する想定で、2026年8月時点の公式掲載では平日1日1往復・土日祝は休航、片道約1時間25分、大人片道2,300円/往復4,600円(小人半額)、運航可否は当日7:30決定、と案内されています。一般乗船が再開されるまでは利用できません。金額・ダイヤは変わるため公式確認が前提です。
バードウォッチングのベストシーズンは?
一般に渡りのピークは春(目安として5月上旬〜中旬)と秋(10月上旬〜中旬)です。春は夏鳥の中継、秋は南下と猛禽の通過が注目されます。ただし現在は来島自体が制限されているため、シーズン情報は再開後の計画用と捉えてください。
欠航や持ち物で注意することは?
外洋航路のため波浪で欠航が多く、再開後も日程に余裕が必要です。島内にコンビニ等はないため、飲料・軽食は輪島側で用意するのが一般的です。双眼鏡や雨具・防寒(海上は冷えやすい)も有用です。駐車場は県観光連の案内で島内「なし」とされ、輪島港周辺も復旧状況で変わるため事前確認を。

写真クレジット:
日本海に浮かぶ舳倉島の風景 — tsuda(Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0)
舳倉島のシンボル・舳倉島灯台 — tsuda(Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0)

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わっか北陸編集部
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