【2026年8月時点】能登地方は令和6年能登半島地震からの復旧途上にあり、施設の営業時間・料金・休業の状況が変わることがあります。外浦側の国道249号をはじめ道路の復旧工事も続いており、区間によっては通行規制が残ります。出発前に、各施設の公式サイトや電話、「石川みち情報ネット」で最新の状況をご確認ください。
記事の要点
- 「能登イチ」は海岸線約400km・3泊4日〜5泊6日が目安のコースですが、2026年8月現在、全周をそのままなぞる計画は立てられません
- 外浦側の国道249号は本復旧の工事中で、区間によって片側交互通行・迂回・時間帯規制が残ります。走れる区間を確認してからルートを組んでください
- ベストシーズンは春(4〜5月)と秋(9〜11月)。奥能登は休業中の宿や客室を絞っている宿が多いため、宿は早めに押さえてください
道路状況は「石川みち情報ネット」、施設の営業は各公式サイト・電話で最新の情報をご確認ください。
石川・富山2県にまたがる能登半島を自転車で一周するコースは約400km。里山・里海の絶景、漁村、温泉、グルメを自分のペースで楽しめます。ただし2026年8月現在も外浦側を中心に道路の復旧工事が続いており、全周をそのまま走る計画は立てられません。走れる区間を確認したうえでルートを組んでください。
能登半島は、海岸線に沿って約400kmを走るサイクリングコース「能登イチ」で知られる、日本屈指のサイクリングエリアです。日本海の荒々しい外浦と穏やかな内浦、里山の棚田や塩田、歴史ある港町を自転車で巡る旅は、車では味わえない五感に訴える体験が待っています。初心者から上級者まで楽しめるコース設定と、能登半島一周サイクリングの魅力をご紹介します。
目次
能登半島一周サイクリング「能登イチ」の概要

「能登イチ」は、能登半島を一周する約400kmのサイクリングコースの愛称です。金沢を起点に、千里浜から外浦海岸を北上して輪島・珠洲を巡り、内浦海岸を南下して和倉温泉・七尾を経て金沢に戻る一周ルートが基本で、全行程の走破には3泊4日から5泊6日が目安とされてきました。ただし2026年8月現在、このルートをそのままなぞれる前提では計画できません。令和6年能登半島地震と同年9月の奥能登豪雨で外浦側の国道249号(輪島市門前町〜珠洲市)は各所が被災し、2024年12月に全線で通行可能となった後も本格復旧の工事が続いています。国土交通省北陸地方整備局は2025年3月に大規模被災箇所の本復旧方針を決めた段階で、区間によっては片側交互通行や迂回、時間帯規制が残ります。走行前に「石川みち情報ネット」や北陸地方整備局の道路情報で当日の規制を確認し、通行止め区間を避けたルートに組み替えてください。現状では一周にこだわらず、走れる区間を絞ったショートコースのほうが現実的で、能登の道は信号が少なく交通量も控えめなため、区間を選べばのびのびと走れます。能登の里山里海の世界農業遺産の景観の中を走る体験は、能登イチならではの魅力です。
能登サイクリング・外浦コースの見どころ
外浦コースは、千里浜から能登半島の西海岸を北上するルートです。起点の千里浜なぎさドライブウェイでは、硬く締まった砂浜の上を自転車で走ることも可能です。気多大社で旅の安全を祈願した後、機具岩や巌門など能登金剛の断崖絶壁を横目に走ります。志賀町の能登金剛エリアはアップダウンがありますが、その分眺望が素晴らしい区間です。世界一長いベンチで一休みし、日本海の絶景を堪能しましょう。輪島市の輪島朝市は、2024年1月の地震に伴う大規模火災で朝市通り一帯が焼失し、従来の場所での常設営業は行われていません。現在は仮設会場や市外での「出張輪島朝市」といった形で開かれているため、立ち寄るなら開催日・場所を事前に確認してください。さらに白米千枚田の棚田を見下ろしながら走る区間は、能登イチのハイライトの一つです。外浦コースは向かい風になることが多いため、体力配分に注意が必要です。千里浜から輪島まで約120km、1泊2日で走るサイクリストが多いです。途中の總持寺祖院は被災した伽藍の修復が進み、2025年4月から拝観料を徴収しての通常拝観が再開されています(駐車場は従来と別の場所に移設)。精進料理などの体験は実施状況が変わるため、事前に問い合わせてください。
奥能登サイクリングコースの絶景と挑戦

奥能登エリアは、能登イチの中でも最もワイルドで挑戦的な区間です。輪島から曽々木海岸を経て珠洲に向かうルートは、海岸線のアップダウンが続きますが、手つかずの自然と絶景が待っています。揚げ浜式製塩の塩田を横目に走り、時国家の豪農の館の前を通ります(上時国家は2023年8月31日で公開を終了し、地震で主屋が倒壊したため、2026年9月時点で見学はできません)。能登半島の最先端禄剛埼灯台は、サイクリストにとっての到達目標となるスポットで、灯台へは急な坂道を登る必要がありますが、頂上からの360度パノラマは苦労に報いてくれます。珠洲市の見附島は、2023年5月の珠洲地震と2024年1月の能登半島地震で南東側が大きく崩落し、軍艦に見立てられた往時の姿とは大きく変わりました。それでも浜辺「えんむすびーち」から望む姿は能登を象徴する風景で、崩落の跡そのものが震災を伝える記録になっています。立入可否は珠洲市観光交流課(0768-82-7776)でご確認ください。奥能登区間は補給ポイントが少ないため、飲料水と補給食を十分に携行してください。道の駅やコンビニは限られていますが、その分、自然の中を走る解放感は格別です。能登丼で地元の食材を味わうのも、奥能登サイクリングの楽しみです。
能登サイクリング・内浦コースの穏やかな海岸線
内浦コースは、能登半島の東海岸を珠洲から七尾方面へ南下するルートです。外浦の荒々しさとは対照的に、富山湾に面した穏やかな海景色が広がります。恋路海岸の美しいビーチや九十九湾の入り組んだ入り江を巡りながら、のどかな漁村風景の中を走ります。真脇遺跡では4,000年の縄文の歴史に触れることができます。内浦コースは外浦に比べてアップダウンが少なく、初心者や家族連れでも走りやすい区間です。能登ワインのワイナリーで休憩し、ワインの試飲(サイクリスト以外の同行者向け)を楽しむのもよいでしょう。和倉温泉は内浦コースの拠点として最適で、温泉で疲れた体を癒せます。能登島へ渡るルートも人気があり、能登島大橋からの眺望は素晴らしいです。能登食祭市場では、新鮮な海鮮でエネルギーを補給できます。内浦コースは追い風になることが多く、快適なサイクリングが楽しめます。
能登サイクリング周辺の見どころ
能登イチのコース上には、サイクリングの合間に訪れたい見どころが数多くあります。七尾城跡は能登畠山氏の居城で、本丸からの眺望は能登半島随一です。のと鉄道(七尾〜穴水)は2024年4月に全線で運転を再開し、2026年8月現在は平常どおり運行しています。沿線にはのどかな里山風景が広がりますが、自転車をそのまま積める「サイクルトレイン」の常時運行は公式には案内されていません。輪行袋に収めての持ち込みを含め、穴水駅(0768-52-0073)に事前に確認してください。輪島キリコ会館は令和6年能登半島地震の影響で当面の間、臨時休館しています(2026年9月時点。再開時期は公表されていません)。輪島漆芸美術館で伝統工芸に触れることもできます。能登演劇堂は仲代達矢と縁の深い劇場ですが、震災後は公演の実施状況が年によって変わるため、訪問前に公式サイトで確認してください。食事は能登かきや能登牛、能登のイカとふぐなど、地元の食材を堪能できます。穴水町ぼら待ちやぐらも独特の漁法を伝える見どころです。
能登半島サイクリングのアクセスと準備情報
起点へのアクセスと自転車の手配
- 起点:能登イチの起点となる金沢駅や七尾駅周辺にレンタサイクルショップがあり、ロードバイクやクロスバイクを借りることができます
- 自転車の持ち込み:北陸新幹線の輪行や、金沢駅周辺のサイクルステーションでの組み立てが便利です
- 宿泊の拠点:輪島・珠洲・和倉温泉を拠点にするのが一般的です
- ベストシーズン:春(4月〜5月)と秋(9月〜11月)。夏は暑さ対策、冬は積雪のため避けた方が無難です
ただし奥能登では震災後に休業したままの宿も多く、営業を再開した宿でも客室数を絞っている場合があります。能登半島広域観光協会や各市町の観光サイトで営業中の宿を確認し、早めに予約してください。自転車の室内保管や洗濯・乾燥に対応する宿もありますが、対応可否は個別に問い合わせを。
能登半島は日本海側気候のため、天候の急変に備えてレインウェアの携行をおすすめします。パンク修理キットやスペアチューブなどの基本工具も必携です。コース上のサイクルステーションにはポンプや工具が設置されているほか、地元のサイクルショップでの修理対応も可能です。
写真クレジット:
能登半島の海岸線とサイクリングルートの風景 — t-mizo(Wikimedia Commons / CC BY 2.0)
能登半島の海岸沿いの道と日本海の眺望 — t-mizo(Wikimedia Commons / CC BY 2.0)









