春の金沢は、城下町の風情と桜が織りなす日本でも屈指の美しさを誇ります。兼六園の桜が満開になる4月上旬を中心に、金沢城公園・犀川・浅野川沿いの桜並木、茶屋街の春の装い、そして旬を迎える加賀料理まで——。この記事では「春の金沢」を五感で堪能するための見どころ・グルメ・モデルコースをご紹介します。
北陸三県の桜スポットを比較したい方は「北陸の桜名所ランキング2026」、北陸全体の春旅行を計画中の方は「北陸の春旅行ガイド2026」もあわせてどうぞ。
この記事の内容
春の金沢の桜スポット完全ガイド

金沢の桜の見頃は例年4月上旬〜中旬。東京より約1〜2週間遅れて開花するため、関東で花見を逃した方にもちょうどいいタイミングです。金沢市内の主要な桜スポットは徒歩圏内に集中しているので、1日で複数のお花見名所を巡れるのが大きな魅力です。
兼六園の桜 ── 日本三名園の花見
兼六園には約420本の桜があり、ソメイヨシノだけでなく「兼六園熊谷」「旭桜」「兼六園菊桜」など珍しい品種も楽しめます。観桜期には無料開園とライトアップが行われ、2026年は4月2日〜8日に7:00〜21:30の無料開園(ライトアップは日没〜21:30)が実施されました。翌年の日程は毎年春先に石川県から発表されるため、旅行前に確認してください。通常の入園料は大人320円・小人100円、開園は3月1日〜10月15日が7:00〜18:00(最終入園17:30)です。霞ヶ池の水面に映る夜桜は、金沢を代表する春の絶景です。
おすすめの鑑賞ルートは、桂坂口から入園して花見橋→眺望台→霞ヶ池→噴水→梅林と巡るコース。早咲きの「兼六園熊谷」は3月下旬から、遅咲きの「兼六園菊桜」は4月下旬〜5月上旬まで咲くため、約1か月にわたって桜を楽しめます。
金沢城公園の桜 ── 石川門と桜の競演
金沢城公園は兼六園に隣接する絶好の花見スポット。特に石川門の白壁と桜のコラボレーションは、加賀百万石の風格を感じさせる春ならではの光景です。新丸広場では芝生に座ってのんびりとお花見ができ、地元のファミリーやカップルにも人気。公園・石川門・河北門・鼠多門は入場無料で、有料なのは菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門の内部(大人320円、9:00〜16:30・最終入館16:00)だけです。夜間開園は毎週土曜日と観桜期などの行楽期に日没〜21:00(最終入園20:45)で行われ、入園は無料。ライトアップされた五十間長屋と桜が幻想的な空間を作り出します。
犀川・浅野川沿いの桜並木 ── 地元に愛される穴場
金沢を流れる二つの川、犀川と浅野川。犀川沿いの「犀星のみち」は室生犀星が愛した散歩道で、川沿いに続く桜並木が春のトンネルを作ります。一方、浅野川沿いの主計町茶屋街付近は、ガス灯に照らされた桜が水面に映り込むロマンチックな景色が楽しめます。どちらも観光客が少ない穴場のお花見スポットです。
卯辰山の桜 ── 金沢市街を一望するパノラマ花見
卯辰山は、ひがし茶屋街の背後にそびえる小高い山。山腹の「卯辰山四百年の森」にはソメイヨシノやサトザクラなど約350本が植えられ(金沢市観光協会)、望湖台からは金沢市街を一望しながらのお花見ができます。晴れた日には日本海まで見渡せる絶景のビュースポットです。
春の金沢で味わう旬のグルメ
春の金沢は、海の幸も和菓子も一年で最も華やかな季節。近江町市場や金沢の料亭で、春ならではの味覚を堪能しましょう。
春の魚介:近江町市場には3月からサヨリ、メバル、甘エビ、カワハギなどの春の地魚が並びます。特に甘エビは産卵前の春が最も甘みが強く、刺身で味わうのが絶品。また、金沢港から直送されるホタルイカも3月〜5月が旬で、沖漬けや天ぷらが人気です。
加賀料理の春:金沢の料亭では、春の食材をふんだんに使った懐石料理が楽しめます。治部煮はすだれ麩と季節の野菜が彩りを添え、金沢おでんも春はタケノコや菜の花が加わります。
春の和菓子:金沢の和菓子は茶の湯文化とともに発展した全国有数の和菓子どころ。春には桜餅・うぐいす餅・花見団子はもちろん、「長生殿」(森八)や「きんつば」(中田屋)の春限定パッケージも登場します。兼六園の桜を眺めながら時雨亭でいただく抹茶と和菓子は格別です。
春の金沢で楽しむ伝統文化と体験

春は気候が穏やかで、金沢の街歩きや体験がもっとも楽しい季節です。
茶屋街の春散策:ひがし茶屋街・にし茶屋街・主計町茶屋街の三茶屋街は、春の柔らかな日差しのなかで歩くのに最適です。格子戸の町家に飾られた桜の枝や、茶屋の窓から漏れる三味線の音色。金箔貼り体験や着物レンタルで着飾って歩けば、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分を味わえます。
伝統工芸体験:加賀友禅の彩色体験(兼六園近くの加賀友禅会館。入館料500円・水曜休館)、九谷焼の絵付け体験、金箔貼り体験など、金沢ならではの伝統工芸をじっくり楽しめるのも春の良いところ。なお長町の長町友禅館は現在休館中で、不定期に営業しています。雨の多い金沢では、工芸体験は天候を問わず楽しめる頼もしいプランです。詳しくは「金沢の伝統工芸めぐり」をご覧ください。
茶の湯体験:兼六園内の時雨亭では、美しい庭園を眺めながら抹茶(時雨亭オリジナル上生菓子付き・1,000円)や煎茶(和菓子付き・500円)をいただけます。利用時間は9:00〜16:30(最終受付16:00、12:00〜13:00は清掃のため入館不可)。桜の季節は窓越しに花が見え、茶の湯と花見を同時に楽しむ贅沢なひとときです。武家屋敷跡の野村家でも抹茶(500円・2025年10月改定)をいただけ、趣の異なる茶の湯を体験できます。
春の金沢 2泊3日モデルコース
桜の名所・加賀グルメ・伝統文化をじっくり楽しむ、春の金沢2泊3日のおすすめプランです。旅慣れた人のアドバイスを参考に、混雑を避けつつ金沢の春を満喫できるコースをご紹介します。
旅の予算めやす(1人あたり)
交通費:北陸新幹線(東京〜金沢)の運賃・特急料金は2026年3月14日のJR東日本の運賃改定で変わっています。最新額はえきねっとで確認を(えきねっとの「トクだ値1/14」は2026年9月の発売分で終了。以降は期間限定の「トクだ値スペシャル28」のみ)
宿泊:ビジネスホテル2泊 約12,000〜18,000円(ヴィアイン金沢・アパホテル金沢駅前・ドーミーインなど)
食事・観光:約8,000〜12,000円(近江町市場の海鮮丼はおおむね1,500〜3,000円、兼六園は大人320円・観桜期は無料開園)
現地でかかる費用の合計:約20,000〜30,000円(往復の交通費は別途)
12:00 ── 金沢駅到着・ランチ
北陸新幹線で金沢駅へ。鼓門の前で記念撮影したら、駅構内の「あんと」で腹ごしらえ。回転寿司「まいもん寿司」なら1人1,500〜2,500円で新鮮な北陸の寿司を堪能できます。
13:30 ── 兼六園でお花見
観桜期は入園無料(それ以外は大人320円)。花見橋→霞ヶ池→噴水→梅林のルートで約90分。時雨亭の抹茶(上生菓子付き1,000円/煎茶は和菓子付き500円、最終受付16:00)で一服すれば、庭園と桜を同時に楽しむ贅沢なひととき。平日の午前中が最も空いていますが、初日午後でも十分楽しめます。
15:30 ── 金沢城公園の桜
兼六園から石川門をくぐってすぐ。石川門の白壁×満開の桜は金沢を代表する春の写真スポット。新丸広場の芝生でのんびり過ごすのも地元流の楽しみ方です。公園の散策は無料(菱櫓・五十間長屋などの内部見学は大人320円で最終入館16:00のため、この時間帯に入るなら先に済ませて)。
17:00 ── ホテルにチェックイン
金沢駅周辺のホテルへ荷物を置いて休憩。ヴィアイン金沢やドーミーインは天然温泉付きで旅の疲れを癒せます。
18:30 ── 片町・香林坊で加賀料理ディナー
せっかくの金沢、初日の夜は奮発して治部煮や春の地魚をいただく金沢懐石を。居酒屋「いたる本店」なら一品料理で気軽に郷土料理が楽しめます(予算3,000〜5,000円)。予約は必須。
20:00 ── 兼六園 夜桜ライトアップ
観桜期限定の無料開園(2026年は4月2日〜8日、7:00〜21:30・ライトアップは日没〜21:30)を利用して夜桜鑑賞。霞ヶ池に映るライトアップされた桜は息をのむ美しさ。昼間と全く違う表情が見られるので、夜の再訪は必須です。平日の夜は混雑も少なめ。
9:00 ── 近江町市場で朝食
「金沢の台所」で新鮮な海鮮丼の朝ごはん。春は甘エビとホタルイカが旬。海鮮丼はおおむね1,500〜3,000円です。物販の店は概ね9:00〜17:00、飲食店は概ね11:00〜17:00ですが、7時台から開ける海鮮丼の店もあります(金沢市観光協会)。朝食狙いなら開店直後が一番空いています。日曜・水曜は休む店が多い点にも注意を。
10:00 ── ひがし茶屋街散策
朝の茶屋街は人が少なく、格子戸の町並みをゆったり散策できます。金箔貼り体験(料金は店舗により異なります)や箔一の「金箔のかがやきソフトクリーム」(891円)など体験も充実。午前中のうちに訪れるのが混雑回避のコツです。
11:30 ── 主計町茶屋街〜浅野川散策
ひがし茶屋街から浅野川を渡ってすぐ。ガス灯が並ぶ石畳の路地と浅野川沿いの桜は、金沢で最もフォトジェニックな春の風景。観光客も少ない穴場スポットです。
13:00 ── 金沢21世紀美術館
ランチは美術館内のカフェレストラン「Fusion21」で加賀野菜を使ったランチを(ランチタイム11:00〜14:00、月曜定休。価格は公式メニューで確認を)。カラー・アクティヴィティ・ハウスなど屋外の恒久展示や交流ゾーン(9:00〜22:00)は無料で楽しめます。展覧会ゾーンは10:00〜18:00(金・土は20:00まで)でコレクション展は一般450円・大学生310円・小中高生無料・65歳以上360円。休館日は月曜(祝日の場合は直後の平日)なのでご注意を。なお2027年5月6日〜2028年3月(予定)は大規模修繕のため休館が告知されています。
15:00 ── 長町武家屋敷跡散策
土塀と用水路が続く武家屋敷の街並みを散策。武家屋敷跡 野村家(大人550円・高校生400円・小中学生250円、4〜9月は8:30〜17:30/10〜3月は8:30〜16:30、入館は閉館30分前まで)の縁側から眺める庭と桜は、静かな春の贅沢。抹茶は500円でいただけます。加賀友禅の彩色体験は兼六園近くの加賀友禅会館(入館料500円・水曜休館)へ。
17:00 ── 犀川沿いの桜並木散歩
地元の人に愛される穴場の花見スポット。犀川大橋から桜橋にかけて続く桜のトンネルは圧巻。室生犀星ゆかりの「犀星のみち」を歩きながら、観光客のいない静かなお花見を楽しめます。
19:00 ── 片町で金沢おでんディナー
金沢おでんの名店「赤玉本店」で車麩・カニ面(冬季限定)・ばい貝など金沢ならではの具材を堪能(予算2,000〜3,000円)。〆は香林坊のバーで金沢の夜を楽しんで。
7:30 ── 卯辰山から朝の金沢を一望
早起きして卯辰山の望湖台へ。金沢市街と桜を一望するパノラマ絶景は、早朝ならほぼ貸切状態。晴れた日には日本海まで見渡せます。タクシーで約10分(片道1,000円程度)。
9:30 ── にし茶屋街と寺町散策
三茶屋街のなかで最も静かなにし茶屋街。忍者寺として有名な妙立寺(拝観料は中学生以上1,200円・小学生800円、拝観9:00〜16:00、電話での事前予約が必要、所要約40分)のからくり屋敷見学もおすすめ。寺町の桜もきれいです。
11:30 ── 金沢駅でおみやげ&ランチ
金沢百番街「あんと」でおみやげ選び。金沢の和菓子は「中田屋のきんつば」「森八の長生殿」が定番。駅弁の「利家御膳」や「のどぐろ棒鮨」もおすすめです。
13:00 ── 北陸新幹線で帰路へ
名残惜しいですが金沢駅を出発。車窓から見える立山連峰の雪山に、北陸の春の余韻を感じながら。
春の金沢旅行 実践アドバイス
- 桜の見頃:金沢地方気象台の観測では2026年の金沢のソメイヨシノは3月29日開花・4月3日満開(平年は開花4月3日・満開4月8日)。兼六園の無料開園期間をチェックして日程を合わせましょう
- 雨対策は必須:金沢は「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど雨の多い街。折りたたみ傘+撥水パーカーが安心です
- 混雑回避のコツ:兼六園は平日午前中が空き。ひがし茶屋街は10時前に到着すると快適。近江町市場は物販店が開く9時台がベスト(7時台から開ける飲食店もあります)
- 無料で楽しめるスポット多数:兼六園(観桜期)・金沢城公園の散策(菱櫓等の内部のみ320円)・21世紀美術館の交流ゾーン・茶屋街の街歩き・犀川桜並木はすべて無料
- 宿は早めに予約:桜の時期(4月第1〜2週)は金沢駅周辺のホテルがすぐ埋まります。1か月前には確保を
- えきねっとの割引きっぷを確認:「トクだ値1/14」は2026年9月の発売分で終了し、以降は期間限定の「トクだ値スペシャル28」のみになります。最新の買い方は北陸新幹線のお得な切符2026で確認を
- 周遊バスが便利:城下まち金沢周遊バスは1乗車おとな220円・こども110円。「金沢市内1日フリー乗車券」(おとな800円・こども400円、2026年4月1日改定)を使えば主要スポットを効率よく移動できます。フリー乗車券は周遊バスの車内では販売していないので、駅の窓口やホテルで先に購入を
春の金沢のイベント・催し
春の金沢では、桜のほかにも見逃せないイベントが開催されます。
主な春のイベント
- 兼六園の観桜期無料開園・ライトアップ(4月上旬):桜の見頃に合わせて兼六園が無料開園されます。2026年は4月2日(木)〜8日(水)に7:00〜21:30で実施され、ライトアップは日没〜21:30でした。翌年の日程は例年春先に石川県から発表されます。平日の夜は比較的空いていて、ゆっくり夜桜を楽しめます
- 金沢百万石まつり(6月上旬):金沢最大のイベント。2026年の第75回は6月5日(金)〜7日(日)に開かれ、メインの「百万石行列」は6日(土)でした。前田利家の金沢城入城を再現した行列が、金沢駅の鼓門前から石川門を経て金沢城へと練り歩きます
- 浅の川・鯉流し(5月3日):浅野川の梅ノ橋近くの河川敷で、鯉のぼりを加賀友禅の友禅流しのように川へ流す全国でも珍しい行事。2026年は5月3日(日・祝)10:00〜15:00に開催されました(荒天中止)。GWの風物詩です
春の金沢へのアクセスと旅行のコツ
金沢への交通アクセス
※ 所要時間はJRおでかけネットの時刻表で確認した速達列車の例。サンダーバードは2024年3月の敦賀延伸以降、大阪〜敦賀の運転で全席指定席です。詳しくは「北陸新幹線ガイド」
市内の移動:「城下まち金沢周遊バス」は1乗車おとな220円・こども110円。北陸鉄道の「金沢市内1日フリー乗車券」(おとな800円・こども400円)なら主要観光スポットを効率よく回れます。桜の時期は兼六園周辺が渋滞するので、バスか徒歩での移動がおすすめです。
服装:金沢の4月は平均気温12〜15℃。日中はスプリングコートで快適ですが、夜桜見物は冷えるのでストールや薄手のダウンがあると安心。折りたたみ傘も必携です。
宿泊のコツ:桜の時期(4月第1〜2週)とGWは金沢市内のホテルが混み合います。1か月前には予約しておくのがおすすめ。兼六園・ひがし茶屋街に近い東山エリアか、繁華街の片町・香林坊エリアが便利です。
春の金沢観光のよくある質問
春の金沢観光のベストシーズンと桜の見頃はいつですか?
春の金沢で楽しめる旬のグルメは何ですか?
春の金沢で混雑を避けるコツはありますか?
兼六園の観桜期は無料ですか?開園時間は?
春の金沢へのアクセスと市内の移動はどうすればいいですか?
写真クレジット:
金沢城公園の桜と石川門 — Zairon(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
主計町茶屋街と浅野川 — 663highland(Wikimedia Commons / CC BY 2.5)


















