記事の要点

  • 金沢の御朱印は「金沢五社」と「兼六園周辺」の2つの軸で組むと迷いません。五社は宇多須神社・小坂神社・神明宮・椿原天満宮・安江八幡宮、兼六園周辺は石浦神社・尾山神社・金澤神社です
  • 初穂料の目安は石浦神社が通常500円、毎月替わる特別御朱印と見開きの切り絵御朱印は各2,000円(書き置き)、金澤神社が300円です
  • 受付時間は石浦神社と安江八幡宮が9:00〜16:00、尾山神社の授与所が9:00〜17:00。石浦神社がいちばん早く閉まるため、先に組み込むほうが確実です

境内の参拝が自由でも授与所は閉まっていることがあります。遅くとも16時までに最後の一社へ着くよう組むと安心です。初穂料・受付時間は2026年8月時点の目安で、記載のない社は社頭でご確認ください。

金沢の御朱印めぐりは、加賀藩が城下の鎮守として守った金沢五社と、兼六園の周囲に集まる社寺という2つの軸で組み立てると迷いません。城下町の骨格がそのまま残っているため、社寺の配置にも意味があり、順路をたどるだけで金沢の成り立ちが見えてきます。この記事では、金沢市内で御朱印をいただける神社仏閣を エリア別に整理し、半日から1日でまわるルートまで具体的にまとめます。

金沢の御朱印めぐりは「五社」と「兼六園周辺」で考える

金沢市内には御朱印をいただける社寺が数多くありますが、はじめて訪れるなら次の2つの軸で考えると組み立てやすくなります。

ひとつは「金沢五社」です。江戸時代から鎮座する宇多須神社・小坂神社・神明宮・椿原天満宮・安江八幡宮の5社を指し、加賀藩前田家が金沢の鎮守として手厚く保護しました。この5社すべてを参拝することを「五社参り」といい、藩政期から盛んに行われてきた金沢固有の巡拝です。市街地の東西南北に散っているため、五社を軸に据えると自然と金沢一周の行程になります。

もうひとつは兼六園周辺です。石浦神社・尾山神社・金澤神社は、いずれも兼六園から徒歩圏に集まっています。観光の主動線と重なるため、限られた時間で御朱印を集めたい場合はこちらが効率的です。

加賀藩が守った金沢五社をめぐる

金沢五社のひとつ宇多須神社の社殿
宇多須神社。ひがし茶屋街の奥に鎮座し、加賀藩の鬼門を守る社として建立された(Photo: Qian2007 / CC BY-SA 4.0)

宇多須神社(金沢市東山1丁目30-8)は、ひがし茶屋街の突き当たりに鎮座します。2代藩主・前田利長が越中から遷座し、金沢城の鬼門を守る卯辰八幡宮として建立して、父・利家の神霊を祀りました。茶屋街の華やかな通りから一歩入ると急に静かになる立地で、五社のなかでも観光客が立ち寄りやすい一社です。

小坂神社(金沢市山ノ上町42-1)は、旧城下の北郊にある古社で、17世紀後期にさかのぼる遺構を持ちます。卯辰山の山裾にあたり、宇多須神社から歩いて向かうこともできます。

椿原天満宮(金沢市天神町1丁目1-13)は菅原道真を祀り、永仁5年(1297年)に京都・北野天満宮から勧請されました。金沢五社のなかでは最も古い由緒を持つ社のひとつで、学業成就を願う参拝者が訪れます。

神明宮(金沢市野町2丁目1-8)は、300年以上続く「あぶり餅神事」で知られます。にし茶屋街や寺町寺院群に近く、金沢の南側をめぐるときの起点になります。

安江八幡宮(金沢市此花町11-27)は金沢駅の東側に位置し、藩政期には加賀藩主や大聖寺藩主から火防・病気平癒の祈願を受けてきました。境内の参拝は自由で、社務所の受付は9:00〜16:00です(公式サイトの案内による)。金沢駅から徒歩圏内という立地から、旅の最初か最後に組み込みやすい一社です。

兼六園周辺で御朱印をいただける神社

石浦神社は金沢最古の宮とされ、21世紀美術館の向かいという立地から観光の途中に立ち寄りやすい社です。境内に並ぶ101基の朱塗りの鳥居と、狛犬をかたどった「きまちゃん」の授与品で知られ、御朱印を目当てに訪れる人も少なくありません。参拝は無料です。

尾山神社は加賀藩祖・前田利家と正室のまつを祀ります。和漢洋の様式が混ざった神門の最上層には色ガラスがはめ込まれており、金沢を象徴する景観のひとつです。授与所は9:00〜17:00に開いています。

金澤神社は兼六園に隣接し、菅原道真を祀る学問の神社です。境内の「金城霊沢」は砂金を洗ったという伝説が金沢という地名の由来になったとされる湧水で、学業と金運の両方を願える点が特徴です。御朱印は社務所で受け付けています。

寺院で御朱印をいただくなら、大乗寺が挙げられます。曹洞宗の名刹で坐禅体験を受け入れており、観光の流れから外れたぶん静かに参拝できます。寺町寺院群は70を超える寺院が石畳の坂道沿いに連なる重要伝統的建造物群保存地区で、散策そのものが目的になるエリアです。

金沢の御朱印めぐりルート — 半日・1日の組み立て方

卯辰山山麓寺院群の街並みと宇多須神社周辺
卯辰山山麓寺院群。宇多須神社の背後に寺院が連なり、坂道沿いに歩ける(Photo: 金沢市 / CC BY 2.1 JP)

金沢は市街地がコンパクトで、主要な社寺は路線バスと徒歩でまわれます。ただし五社は東西南北に散っているため、1日で五社すべてを回るなら移動を優先した組み立てが必要です。

9:30
尾山神社授与所は9:00から。神門のステンドグラスは日が高いほうが色が出る。
10:30
金沢城公園尾山神社から徒歩で城内へ抜ける。石垣を見ながら兼六園側へ。
11:30
金澤神社兼六園の隣。金城霊沢とあわせて参拝。
12:30
石浦神社21世紀美術館の向かい。101基の鳥居ときまちゃん。ここで半日の行程が完結する。
9:00
安江八幡宮金沢駅の東側。参拝は9:00から。駅を起点にする日の最初の一社。
10:30
宇多須神社ひがし茶屋街の奥。茶屋街の散策とあわせて。
11:30
小坂神社卯辰山の山裾へ。宇多須神社からは北東方向。
14:00
椿原天満宮市街地西側の天神町へ。バス移動を挟む。
15:30
神明宮野町。五社参りの締めくくり。寺町寺院群まで足を伸ばせる距離。
10:00
妙立寺(忍者寺)電話予約制。拝観は所要40分ほど。予約時間から逆算して組む。
11:00
寺町寺院群妙立寺の周辺一帯。石畳の坂道沿いに70超の寺院が連なる。
13:00
神明宮野町。金沢五社のひとつをこのエリアで拾える。
14:30
大乗寺野町から南へ。曹洞宗の名刹で静かに参拝を締めくくる。

金沢ならではの御朱印 — 金箔と切り絵

金沢の御朱印には、この街の工芸がそのまま持ち込まれた一枚があります。とくに知られているのが、金澤神社と石浦神社の二社です。

金澤神社の金箔をあしらった御朱印。金沢は国内の金箔生産のほとんどを担ってきた土地で、その金箔を用いた御朱印が授与されています。御朱印は社務所で受け付けています。初穂料は300円が目安ですが、社務所の受付時間は公式サイトに案内がなく、参拝の際に社頭で確認するのが確実です。境内の金城霊沢は砂金を洗ったという伝説が地名の由来とされる湧水で、金運祈願とあわせて訪ねる方が多い一社です。

石浦神社の切り絵御朱印。通常の御朱印は初穂料500円(記帳・書き置き)ですが、毎月デザインが替わる特別御朱印と、見開きサイズの切り絵御朱印は各2,000円(書き置き)です。切り絵は台紙にも意匠が施されており、通常の御朱印とは別物として集める方もいます。境内社である廣坂稲荷の御朱印もあわせて授かれます。受付は9:00〜16:00で、兼六園周辺の3社のなかでは最も早く閉まる点に注意してください。金額はいずれも2026年8月時点のもので、公式サイトに一覧の掲示はないため、変更されている場合があります。

この2社は兼六園から徒歩圏にあるため、半日の行程でも両方に立ち寄れます。ただし石浦神社の受付が16時までなので、金箔と切り絵の両方を目当てにするなら石浦神社を先に組み込むほうが確実です。

御朱印帳を持っていない場合はどこで求めるか

金沢では複数の社寺がオリジナルの御朱印帳を頒布しており、最初に立ち寄る社で求めれば、その日からめぐりを始められます。

石浦神社の御朱印帳は初穂料2,000円。水玉模様の色違いを中心に、公認キャラクター「きまちゃん」をあしらったものや社殿をデザインしたものが用意されています。金澤神社と尾山神社にもオリジナルの御朱印帳がありますが、頒布内容は時期によって変わるため、価格と在庫は社頭で確認してください。

神社と寺院で帳面を分ける習慣もありますが、金沢五社や兼六園周辺の神社をまわるだけであれば一冊で問題ありません。寺町寺院群や大乗寺まで足を伸ばして寺院の御朱印も集めるなら、分けておくと後で見返しやすくなります。

金沢で御朱印をいただくときに気をつけたいこと

受付時間は参拝時間と別です。境内は終日自由に入れても、御朱印を扱う社務所や授与所は夕方に閉まる社寺がほとんどです。安江八幡宮は9:00〜16:00、尾山神社の授与所は9:00〜17:00が目安になります。午後の遅い時間に予定を詰め込むと、参拝はできても御朱印は受けられないということが起こります。

先に参拝を済ませます。御朱印は参拝の証としていただくものなので、社務所へ向かう前に本殿でお参りを終えておきます。書き手が一人しかいない社寺では待ち時間が出ることもあり、その間に境内を見てまわるくらいの余裕を見ておくとよいでしょう。

御朱印帳は現地でも入手できます。尾山神社や石浦神社などでは意匠を凝らしたオリジナルの御朱印帳を頒布しており、金沢めぐりの記念として選ぶ人もいます。神社と寺院で御朱印帳を分ける習慣もありますが、金沢五社をまわる分には一冊で足ります。

行事の日は対応が変わることがあります。神明宮のあぶり餅神事のように大きな神事のある日は、通常と受付の体制が異なる場合があります。日程を決めてから訪ねるなら、事前に各社の案内を確認しておくと確実です。

金沢の御朱印スポット早見表

社寺所在地御朱印の初穂料授与の受付特徴・ご利益区分
宇多須神社東山1-30-8社頭で確認社頭で確認金沢城の鬼門守護・前田利家を祀る金沢五社
小坂神社山ノ上町42-1社頭で確認社頭で確認旧城下北郊の古社・17世紀後期の遺構金沢五社
神明宮野町2-1-8社頭で確認社頭で確認300年以上続くあぶり餅神事金沢五社
椿原天満宮天神町1-1-13社頭で確認社頭で確認菅原道真・1297年に北野天満宮より勧請金沢五社
安江八幡宮此花町11-27社頭で確認9:00〜16:00火防・病気平癒/金沢駅から徒歩圏金沢五社
石浦神社本多町3-1-30500円/特別・切り絵は各2,000円9:00〜16:00金沢最古の宮・縁結び・きまちゃん兼六園周辺
尾山神社尾山町11-1社頭で確認9:00〜17:00前田利家とまつ・神門のステンドグラス兼六園周辺
金澤神社兼六町1-3300円(目安)社頭で確認学問・金運(金城霊沢)兼六園周辺
大乗寺長坂町ル10社頭で確認社頭で確認曹洞宗の名刹・坐禅体験寺院
寺町寺院群寺町一帯寺院ごとに異なる寺院ごとに異なる70超の寺院が連なる重伝建地区寺院

石川県全域に範囲を広げるなら石川・金沢のパワースポット最強16選、北陸三県をまとめて見るなら北陸三県の御朱印めぐり完全ガイド、能登に絞るなら能登の御朱印めぐりが対応します。金沢の観光全体の組み立ては金沢1泊2日モデルコースも参考になります。

金沢の御朱印の初穂料はいくらですか?
社寺によって異なります。金澤神社は300円、石浦神社は通常の御朱印が500円で、毎月替わる特別御朱印と見開きの切り絵御朱印は各2,000円(書き置き)です(いずれも2026年8月時点の目安)。金沢五社をはじめ、そのほかの社寺は社頭に掲示があるためその場で確認してください。釣り銭を用意していない社もあるので、小銭を多めに持っておくと安心です。
金沢の御朱印めぐりは何時間くらいかかりますか?
兼六園周辺の3社(尾山神社・金澤神社・石浦神社)だけなら、徒歩で移動して半日あれば足ります。金沢五社をすべてまわる場合は市街地を大きく一周することになるため、路線バスを使って1日を見ておくと無理がありません。
金沢五社とはどの神社ですか?
宇多須神社・小坂神社・神明宮・椿原天満宮・安江八幡宮の5社です。いずれも江戸時代から鎮座し、加賀藩前田家が金沢の鎮守として保護しました。この5社すべてを参拝することを「五社参り」と呼び、藩政期から盛んに行われてきました。
御朱印は何時までに行けば受けられますか?
社寺によって異なりますが、夕方に閉まるところがほとんどです。安江八幡宮は9:00〜16:00、尾山神社の授与所は9:00〜17:00が目安です。境内の参拝が自由でも授与所は閉まっていることがあるため、遅くとも16時までに最後の一社へ着くように組むと確実です。
御朱印帳を持っていない場合はどうすればよいですか?
尾山神社や石浦神社など、オリジナルの御朱印帳を頒布している社寺があります。最初に立ち寄る社で求めれば、その日のうちからめぐりを始められます。神社と寺院で帳面を分ける習慣もありますが、金沢五社をまわるだけなら一冊で問題ありません。
車がなくても金沢の御朱印めぐりはできますか?
できます。金沢は市街地がコンパクトで、城下まち金沢周遊バス(1乗車 大人220円)や北鉄バスの路線が主要な社寺の近くを通ります。兼六園周辺の3社は徒歩圏です。ただし小坂神社や大乗寺は中心部から離れるため、バスの本数を事前に確認しておくと安心です。

写真クレジット:
宇多須神社 — Qian2007(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
卯辰山山麓寺院群・宇多須神社 — 金沢市(Wikimedia Commons / CC BY 2.1 JP)

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わっか北陸編集部
HOKURIKU TRAVEL GUIDE
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