奥能登の珠洲めぐり|見附島・禄剛埼灯台・珠洲焼・揚げ浜塩田と奥能登芸術祭

石川県珠洲市は能登半島の最先端に位置し、三方を海に囲まれた奥能登の秘境です。軍艦のような姿で海に浮かぶ見附島、能登半島最北端の禄剛埼灯台、中世から続く珠洲焼の伝統、日本で唯一残る揚げ浜式製塩など、自然と文化が凝縮された珠洲市の見どころを総まとめでご紹介します。さらに2017年から始まった奥能登国際芸術祭は、珠洲の風景とアートが融合する新たな魅力を生み出しています。

禄剛埼灯台と能登半島最先端の海の風景
禄剛埼灯台と能登半島最先端の海の風景(Photo: Qurren / CC BY-SA 3.0)

珠洲市のシンボル・見附島(軍艦島)の絶景

見附島は珠洲市の代表的な景勝地で、その姿が軍艦に似ていることから「軍艦島」の愛称で親しまれています。高さ約28メートルの巨岩が海上にそびえ立つ姿は、能登半島を代表する絶景のひとつです。見附島の名前の由来は、弘法大師が能登を訪れた際に「見つけた」ことにちなむと伝わっています。島の手前には飛び石が並べられ、干潮時には島のすぐ近くまで歩いて行くことができます。周辺は「見附島公園」として整備されており、恋人の聖地としてカップルにも人気のスポットです。夜にはライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な姿を見せます。近くの恋路海岸とあわせて、珠洲のロマンチックな海岸線を散策するのがおすすめです。春から秋にかけてはキャンプ場も営業しており、見附島を眺めながらのアウトドア体験も魅力的です。

能登半島最先端・珠洲の禄剛埼灯台

禄剛埼灯台(ろっこうさきとうだい)は、能登半島の最北端・珠洲岬に立つ白亜の灯台です。明治16年(1883年)にイギリス人技師の設計で建てられ、日本海を航行する船舶の安全を140年以上にわたって守り続けてきました。灯台からは日本海が270度のパノラマで広がり、晴れた日には朝日が海から昇り夕日が海に沈む光景を同じ場所から眺められるという、日本でも珍しいスポットです。灯台への道のりは「禅の里」と呼ばれる遊歩道が整備されており、道中では日本海の断崖絶壁や、能登の自然植生を楽しめます。駐車場から灯台までは徒歩約10分で、道は舗装されているため歩きやすいですが、岬は風が強いため上着を持参することをおすすめします。珠洲岬は「聖域の岬」とも呼ばれるパワースポットで、大地の気と海の気が交わる特別な場所として注目されています。

珠洲市の見附島(軍艦島)が海上にそびえる絶景
珠洲市の見附島(軍艦島)が海上にそびえる絶景(Photo: Akimoto / CC BY-SA 3.0)

珠洲焼と揚げ浜塩田|珠洲の伝統工芸・文化体験

珠洲市には中世から続く伝統文化が今も息づいています。珠洲焼は平安時代末期から室町時代にかけて生産された古窯の陶器で、釉薬を使わず高温で焼き締める独特の技法が特徴です。一度は途絶えた珠洲焼ですが、1970年代に復興され、現在は珠洲焼資料館で古窯の名品を鑑賞できるほか、体験工房で珠洲焼づくりに挑戦することもできます。黒くて力強い肌合いの器は、日本酒や料理を盛り付けるのにぴったりです。一方、揚げ浜式製塩は約500年前から珠洲の海岸で続く伝統的な塩づくりの技法です。海水を砂地に撒き、天日と風で水分を蒸発させて濃い塩水をつくり、それを大釜で煮詰めて塩を仕上げます。道の駅すず塩田村では製塩体験ができ、ミネラル豊富な能登の天然塩をお土産に購入することもできます。いしるとともに、能登の食文化を支える大切な調味料です。

奥能登国際芸術祭|珠洲の風景とアートの融合

2017年に初めて開催された奥能登国際芸術祭は、珠洲市全域を舞台にしたアートフェスティバルです。世界各国のアーティストが珠洲の自然や文化にインスピレーションを得て制作した作品が、廃校や空き家、海岸や里山など、珠洲の風景の中に展示されます。作品は会期外にも常設展示されているものがあり、芸術祭のシーズン以外でも珠洲の各所でアートに出会えます。2021年、2023年と回を重ねるごとに規模と注目度が増し、過疎化が進む珠洲市に新たな活力をもたらしています。塩田の横に設置された作品、漁港の廃屋を使ったインスタレーション、海を望む丘に立つ彫刻など、珠洲でしか見られない風景とアートの融合は、訪れる人々に深い感動を与えます。アート鑑賞とともに珠洲の食や温泉を楽しむ旅のスタイルが定着しつつあり、能登の里山里海の新しい楽しみ方として注目されています。

珠洲めぐりの周辺の見どころ

珠洲市を拠点に、奥能登の名所を巡りましょう。珠洲市内では曽々木海岸の奇岩群「窓岩」や、日本海の荒波が生み出した断崖美が見事です。木ノ浦海岸は透明度の高い海が広がるダイビングスポットで、夏は海水浴も楽しめます。能登町方面では九十九湾の美しい入り江や真脇遺跡の環状木柱列が見逃せません。輪島方面へ足を延ばせば、時国家の豪壮な古民家を見学できます。輪島朝市でのお買い物や、輪島塗の工房めぐりもおすすめです。珠洲の海で獲れた新鮮な能登のイカとふぐを味わいながら、奥能登の自然と文化を存分に堪能してください。

珠洲市へのアクセス・観光の基本情報

珠洲市へのアクセスは、のと里山空港(能登空港)からレンタカーで約40分が最も便利です。金沢駅からは特急バス「珠洲特急」で約2時間30分、珠洲市内のバスターミナル「すずなり館」に到着します。車の場合は、のと里山海道(無料)を利用して金沢から穴水まで約1時間30分、穴水から珠洲市街まで国道249号線で約50分です。珠洲市内の観光は車が基本ですが、レンタサイクルを活用する方法もあります。見附島や禄剛埼灯台にはそれぞれ無料駐車場が完備されています。珠洲焼資料館の入館料は大人330円、揚げ浜塩田での製塩体験は要予約です。珠洲市内には温泉施設も点在しており、観光の合間に立ち寄り湯で旅の疲れを癒やすのもおすすめです。奥能登国際芸術祭の会期中はパスポート(鑑賞券)が必要で、事前にオンラインで購入できます。

写真クレジット:
禄剛埼灯台 — Qurren(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
見附島(軍艦島) — Akimoto(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)

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