記事の要点

  • 標高差2,400mが生む長い紅葉シーズンが富山の強み。9月中旬に室堂(標高2,450m)で始まった紅葉前線が、10月・11月と少しずつ里へ降りてきます
  • 黒部峡谷トロッコ電車は2026年10月1日に約2年半ぶりの全線運行を再開します(9月30日までは宇奈月〜猫又の折り返し運転)。ただし欅平駅周辺は復旧工事のため当面一部立入制限が残ります
  • 富山湾の紅ズワイガニ「高志の紅ガニ」は9月1日解禁。石川・福井のズワイガニ(加能ガニ・越前がに、11月6日解禁)より2か月早く味わえます

立山黒部アルペンルートは毎年4月中旬〜11月末の期間限定開通で、その年の営業はそこで終わります。トロッコ電車の乗車券は事前予約が確実です。新湊かに小屋は例年10月〜4月中旬の営業・要予約で、営業日は射水市の観光サイトでご確認ください。

秋の富山は、標高差2,400mが生む「長い紅葉シーズン」が最大の魅力です。9月中旬に室堂(標高2,450m)で始まった紅葉前線は、10月・11月と少しずつ里へ降りてきます。2026年は黒部峡谷トロッコ電車が10月1日に約2年半ぶりの全線運行を再開する特別な秋。おわら風の盆(9月1〜3日)から高岡万葉まつり(10月2〜4日)まで祭りも続きます。時期別の見どころとモデルコースをまとめました。

秋の富山はいつ行く?標高で決まる紅葉前線カレンダー

富山の秋を計画するうえで最も大事なのは、「富山の紅葉」をひとつの時期で考えないことです。県内には標高2,450mの室堂から海抜0mの富山湾まで2,000m以上の高低差があり、見頃が約2か月かけて上から下へ移動します。目的地と旅行日がずれると、青葉か落葉のどちらかを見ることになります。

秋の富山・紅葉前線と行事のカレンダー

9月上旬 9月下旬 10月上旬 10月下旬 11月
室堂(標高2,450m)9月中旬〜10月上旬
弥陀ヶ原・大観峰〜黒部平10月上旬〜中旬
称名滝周辺(1,000m前後)10月中旬〜下旬
神通峡・庄川峡など里の渓谷10月下旬〜11月中旬
おわら風の盆9月1〜3日
五箇山 麦屋まつり・こきりこ祭り9月23日/9月25〜26日
高岡万葉まつり10月2〜4日
黒部峡谷トロッコ 全線運行を再開10月1日から宇奈月〜欅平(9月30日までは猫又で折り返し)
高志の紅ガニ(紅ズワイガニ)9月1日解禁〜翌5月頃
室堂へ上がる日はダウン・手袋
里も朝晩は上着が要る

景色味覚催し服装の目安

紅葉前線は標高2,450mの室堂から里へ約2か月かけて降りてくる。山と里の両方を1回で拾うなら10月上旬〜中旬が最も取りこぼしが少ない。

「山も里も両方」を1回の旅で欲張るなら10月上旬〜中旬が最も取りこぼしが少ないタイミングです。各スポットの見頃・アクセス・駐車場は富山の紅葉名所ガイドに詳しくまとめています。

立山黒部アルペンルートの室堂平と立山連峰
室堂平と立山連峰。標高2,450mの紅葉は9月中旬から(Photo: Saigen Jiro / CC0)

秋の立山黒部アルペンルート — 室堂の紅葉と営業終了

立山黒部アルペンルートは毎年4月中旬から11月末までの期間限定で開通し、その年の営業はそこで終わります。秋の紅葉が見られる期間は意外と短いことを意識してください。公式が示す見頃の目安は、室堂が9月中旬〜10月上旬大観峰〜黒部平が10月上旬〜中旬です。地上がまだ暑い9月のうちに山は色づきます。

室堂の紅葉は木々ではなく、ナナカマドやチングルマの草紅葉が主役です。山肌全体が赤や黄に染まり、立山三山を背景にした景色は森林の紅葉とはまったく質が違います。標高2,450mは10月には氷点下になる日もあるため、ダウンや手袋を含む本格的な防寒が必要です。「下界の秋の服装」で行くと確実に寒い思いをします。

紅葉シーズンの週末、特に室堂の見頃と連休が重なる日は混雑が激しくなります。乗り物を乗り継ぐルートの性質上、待ち時間が積み重なるので、WEBきっぷなどで事前に手配し、朝いちばんで動くのが基本です。

黒部峡谷トロッコ電車が2026年10月1日に全線再開

2026年の秋、富山観光で最大のニュースが黒部峡谷トロッコ電車の全線復活です。令和6年能登半島地震の影響で宇奈月駅〜猫又駅の折り返し運転が続いていましたが、2026年10月1日(木)から宇奈月駅〜欅平駅の全線運行が再開されます。約2年半ぶりの復旧です。

旅程を組むうえで重要なのは、9月30日までは鐘釣駅・欅平駅へ行けないという点です。9月中に訪れる場合は猫又駅での折り返しになります。また、再開後も欅平駅周辺は復旧工事のため一部立入制限が続きます。当面のあいだ楽しめるのは欅平駅前広場の一部と屋上からの眺め、そして欅平ビジターセンター内の見学で、従来のように猿飛峡や河原展望台まで自由に歩けるわけではありません。猿飛峡へ向かう猿飛遊歩道は落石のため入口のトイレ付近で通行止めで、全線再開後も歩けません。あわせて10月1日以降は猫又駅での乗降ができなくなり、停車駅は宇奈月・黒薙・鐘釣・欅平の4駅になります。鐘釣駅では下車できるようになりますが、鐘釣河原・河原露天風呂・万年雪展望台は黒部市の案内(令和8年5月18日現在)で通行不可とされているため、訪問前に最新の状況を確認してください。

2026年9月30日まで宇奈月駅〜猫又駅の折り返し運転。鐘釣駅・欅平駅へは行けない
2026年10月1日から宇奈月駅〜欅平駅の全線運行を再開。乗降駅は宇奈月・黒薙・鐘釣・欅平の4駅で、猫又駅では乗降できない
欅平駅周辺復旧工事のため当面一部立入制限。駅前広場の一部・屋上からの景色・欅平ビジターセンターの見学が可能。猿飛峡へ続く猿飛遊歩道は通行止め
鐘釣駅周辺10月1日から下車できるが、鐘釣河原・河原露天風呂・万年雪展望台は黒部市の案内(令和8年5月18日現在)で通行不可

黒部峡谷の紅葉は例年10月下旬から11月中旬。全線再開のタイミングと紅葉が重なるため、2026年秋のトロッコは例年以上に混み合うことが予想されます。乗車券は事前予約が確実です。ただし欅平行きの予約は電話のみで、Webサイトからは申し込めません(黒薙・鐘釣行きはWebでも受け付け)。訪問前に黒部峡谷鉄道の公式サイトで運行状況を確認してください。

秋の富山の祭り — おわら風の盆から高岡万葉まつりまで

富山の秋は祭りが集中する季節でもあります。9月から10月にかけて、性格の異なる行事が続きます。

  • おわら風の盆(9月1日〜3日) — 富山市八尾町。編み笠の踊り子が胡弓と三味線に合わせて町流しを続ける。2026年は1日・2日が17時〜23時、3日が19時〜23時。なお例年8月下旬に行われていた前夜祭は、担い手不足のため当面中止となっている
  • 五箇山 麦屋まつり(9月23日)/こきりこ祭り(9月25〜26日) — 南砺市。合掌造りの里に伝わる民謡芸能。山あいの集落で見る舞は、規模は小さくとも密度が濃い
  • 高岡万葉まつり(10月2日〜4日) — 高岡古城公園。『万葉集』全20巻4,516首を三昼夜かけてリレー朗唱する、全国でも例のない祭り
五箇山・相倉合掌造り集落。秋は麦屋まつり・こきりこ祭りが行われる
世界遺産・五箇山の相倉合掌造り集落。9月下旬に民謡の祭りが続く(Photo: Zairon / CC BY-SA 4.0)

秋の富山グルメ — 高志の紅ガニと新湊かに小屋

富山の秋の味覚を代表するのが「高志の紅ガニ」です。富山湾で獲れる紅ズワイガニのブランド名で、漁の解禁は9月1日、翌年5月頃まで続きます。石川・福井のズワイガニ(加能ガニ・越前がに)の解禁が11月6日であるのに対し、富山は2か月早くカニが始まるのが特徴。「秋にカニを食べたい」なら富山が答えになります。

味わうなら射水市の新湊漁港周辺へ。漁港では全国的にも珍しい昼のセリが行われ、事前予約制で見学もできます(申し込みは新湊きっときと市場)。すぐそばの「新湊かに小屋」では、大きな窯で茹で上げたばかりの紅ガニをその場で食べられます。営業は例年10月から4月中旬までで、水曜・日曜・祝日などは休み、予約が必要です。訪問前に射水市の観光サイトで営業日と料金を確認してください。

そのほか秋の富山では、新米(富山米)、南砺・利賀の新そば、庄川のアユなども旬を迎えます。11月6日以降は富山湾でもズワイガニ漁が始まるため、11月に行けば紅ガニとズワイガニの両方を食べ比べられます。

秋の富山1泊2日モデルコース

10月上旬、山の紅葉とトロッコ全線再開の両方を拾う行程です。移動距離が長いので、2日目はレンタカーがあると自由度が上がります。

1日目 8:00
電鉄富山駅 → 立山駅富山地方鉄道で約60分。朝いちばんに動くのが混雑回避の鉄則。
9:30
立山黒部アルペンルート美女平からバスで弥陀ヶ原・室堂へ。草紅葉と立山三山を見て折り返す。防寒着必携。
16:30
宇奈月温泉立山駅から富山地方鉄道で移動し宿泊。黒部峡谷の玄関口で温泉に入る。
2日目 9:00
黒部峡谷トロッコ電車宇奈月駅から欅平駅へ(10月1日以降・欅平行きは電話予約のみ)。往復で約3時間半〜4時間。
14:30
新湊きっときと市場・新湊かに小屋高志の紅ガニで遅めの昼食。かに小屋は要予約・営業日に注意。
17:00
富山駅北陸新幹線で帰路へ。時間が余れば富岩運河環水公園へ。

紅葉シーズンの宇奈月温泉と立山周辺の宿は、9月の時点で週末から埋まり始めます。特に2026年はトロッコ全線再開が重なるため、日程が決まったら早めに確保してください。

秋の富山の服装とアクセス

富山の秋は「同じ日でも標高で季節が2つ違う」と考えてください。富山市内が20度でも、室堂は5度前後、朝は氷点下になることもあります。山へ上がる日は、街歩き用の服の上に着られるダウンやウインドブレーカー、手袋、帽子を用意しておくと安心です。11月に入ると平野部も時雨れやすくなるため、雨具も必要になります。

出発地点交通手段所要時間
東京駅北陸新幹線「かがやき」約2時間10分
金沢駅北陸新幹線約20分
富山駅→立山駅富山地方鉄道(電鉄富山駅から)約60分
富山駅→宇奈月温泉駅富山地方鉄道本線約1時間25分〜1時間45分(列車により異なる)
新高岡駅→高岡駅JR城端線約3分
秋の富山はいつ行くのがベストですか?
山の紅葉と里の秋の両方を狙うなら10月上旬〜中旬です。室堂の紅葉は9月中旬〜10月上旬と早く、神通峡・庄川峡など里の渓谷は10月下旬〜11月中旬。目的地の標高によって2か月近いずれがあるため、「どこを見たいか」を先に決めてから日程を組んでください。
黒部峡谷トロッコ電車は欅平まで行けますか?
2026年10月1日(木)から宇奈月駅〜欅平駅の全線運行が再開されます。9月30日までは猫又駅での折り返し運転で、鐘釣駅・欅平駅へは行けません。再開後も欅平駅周辺は復旧工事のため当面一部立入制限があり、駅前広場の一部・屋上からの景色・欅平ビジターセンターの見学が可能な範囲で、猿飛峡へ続く猿飛遊歩道は通行止めのため再開後も歩けません。10月1日以降は猫又駅での乗降ができなくなる点にもご注意ください。
秋にカニは食べられますか?
食べられます。富山湾の紅ズワイガニ「高志の紅ガニ」は9月1日に漁が解禁され、翌年5月頃まで続きます。石川・福井のズワイガニ(11月6日解禁)より2か月早いのが富山の強みです。射水市の新湊漁港周辺、特に「新湊かに小屋」が代表的な食べどころで、営業は例年10月から4月中旬まで、予約が必要です。
室堂へ行くときの服装は?
標高2,450mの室堂は、9月下旬〜10月でも平地より15度前後低く、朝晩は氷点下になることもあります。ダウンやフリースなどの防寒着、手袋、帽子、歩きやすい靴を用意してください。天候が急変しやすいため雨具も必須です。
秋の富山で外せない祭りは?
9月1〜3日のおわら風の盆(富山市八尾町)が最も知られています。ほかに五箇山の麦屋まつり(9月23日)、こきりこ祭り(9月25〜26日)、高岡万葉まつり(10月2〜4日)が続きます。おわら風の盆の前夜祭は担い手不足のため当面中止となっているので、本祭の日程で計画してください。

写真クレジット:
室堂平と立山連峰 — Saigen Jiro(Wikimedia Commons / CC0)
五箇山・相倉合掌造り集落 — Zairon(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
秋の称名滝と紅葉(アイキャッチ画像) — Saigen Jiro(Wikimedia Commons / CC0)

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わっか北陸編集部
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