金沢には個性豊かなクラフトビール醸造所が複数存在し、地元食材を使ったユニークなビールが楽しめます。オリエンタルブルーイングや金澤ブルワリーなど市内で醸造するブルワリーをめぐる体験は、近江町市場・ひがし茶屋街観光と組み合わせたナイトライフにぴったりです。
北陸新幹線の開業以降、金沢には新たな食文化の波が押し寄せています。その一つが、クラフトビールシーンの急成長です。金沢の軟水と、能登塩や加賀棒茶といった県産の副原料を活かした個性豊かな地ビールが次々と誕生し、金沢の醸造文化に新しい風を吹き込んでいます。加賀藩時代から続く酒造りの伝統と、若い醸造家たちの情熱が融合した金沢のクラフトビールの世界をご案内します。
目次
金沢のクラフトビール文化と醸造の背景

石川県は古くから酒造りが盛んな土地です。白山の豊富な伏流水と、加賀平野の良質な米が日本酒の名醸地を形成してきました。この醸造文化の土壌に、2010年代半ば以降、クラフトビールの新しい潮流が加わりました。金沢市内の醸造所は金沢の軟水を仕込み水に使い、まろやかで飲みやすいビールを生み出しています。また、能登の揚げ浜式塩田の天然塩を使った「能登塩セゾン」、加賀棒茶を合わせた黒ビール「加賀棒茶スタウト」、金沢のゆずが香る「湯涌ゆずエール」(いずれもオリエンタルブルーイング)のように、石川ならではの副原料を使ったビールも人気を集めています。白山の地酒で知られる石川の醸造文化に、新たなジャンルが花開いているのです。
金沢のクラフトビールおすすめ醸造所めぐり

金沢のクラフトビールめぐりで訪れたい醸造所をご紹介します。「金澤ブルワリー」は2015年設立で、金沢市円光寺に本社・醸造所を構えるつくり手。酵母の培養から自社で行い、仕込みごとに新しい酵母を立ち上げるのが特徴です。商品は「VIRGIN ALE(ペールエール)」「GOLD BACH」「DRY STOUT」「WEIZEN」の4種で、2023年には七尾市に能登島第二醸造所を新設し、2024年からビール製造を始めました。「オリエンタルブルーイング」は2016年創業。金沢の奥座敷・湯涌に醸造所を置き、金沢の軟水で仕込んだ「能登塩セゾン」「加賀棒茶スタウト」「湯涌ゆずエール」など、石川の素材を使った定番をそろえています。金沢港に近い醸造所から2021年に立ち上がった「BREW CLASSIC」も、片町に直営タップルームを持つ新しい造り手です。
なお、一般向けの醸造所見学ツアーは各社とも常設していません。見学を希望する場合は、事前に各社の公式サイトやSNSから問い合わせてください。また、名前の似た「金沢百万石ビール」は金沢市内ではなく、能美郡川北町の農業法人・わくわく手づくりファーム川北が、石川県産六条大麦や自家製ホップを使って醸造しているビールです。
金沢クラフトビールのおすすめビアバー・タップルーム
醸造所だけでなく、金沢市内にはクラフトビールを楽しめるタップルームもあります。ひがし茶屋街のそば、浅野川大橋のたもとに建つ「オリエンタルブルーイング東山店」(金沢市東山3-2-22)は醸造設備を併設した店で、ナポリピザとともにできたてのビールを味わえます。営業時間は11:00〜22:00、定休日はありません。金沢駅では改札から徒歩1分の「オリエンタルブルーイング金沢駅店」(金沢市木ノ新保1-1 あんと西)が同じく11:00〜22:00・無休で営業しており、到着直後や帰りぎわの一杯に便利です。片町エリアには、金沢港近くの醸造所BREW CLASSICの直営「BREW CLASSIC TAPROOM」(金沢市片町1-3-3)があり、自社醸造の樽生を飲み比べできます。定休日は月・火で、営業時間は曜日によって変わるため、訪問前に店の公式SNSで確認してください。金沢おばんざいの店でも、日本酒に加えて地ビールをメニューに取り入れる店が増えています。1杯の価格や飲み比べセットの有無は店ごとに異なります。
金沢クラフトビールと楽しむ地元グルメのペアリング
金沢のクラフトビールの魅力をさらに引き立てるのが、地元グルメとのペアリングです。金沢おでんの蟹面やバイ貝には、すっきりしたピルスナーやケルシュが好相性。金沢の発酵食であるふぐの子糠漬けやかぶら寿しの複雑な旨味には、ベルジャンスタイルのセゾンが絶妙にマッチします。のどぐろの塩焼きや香箱蟹には、ホップの苦味が効いたIPAが脂の甘さを引き立てます。また、ハントンライスや金沢カレーといったB級グルメにも、コクのあるアンバーエールやブラウンエールがよく合います。
金沢クラフトビールめぐりの周辺の見どころ
金沢のクラフトビールめぐりと合わせて訪れたいスポットをご紹介します。鶴来の門前町は、白山比咩神社の門前に酒蔵が連なる日本酒の聖地。日本酒とクラフトビールの飲み比べも楽しい体験です。大野醤油と金石の港町では、醤油蔵見学と醤油ソフトクリームが人気。近江町市場で旬の魚介をつまんでから、夜はタップルームへ、という組み立ても金沢らしい過ごし方です。金沢城公園や兼六園の散策後に、ご褒美の一杯を楽しむのもおすすめのプランです。
金沢クラフトビールめぐりのアクセス・おすすめ情報
アクセス
| バス | 金沢駅東口から「城下まち金沢周遊バス」左回りで片町(パシオン前)まで約12分。1乗車220円(小児110円)。北鉄「金沢市内1日フリー乗車券」は大人800円・小児400円 |
| 徒歩 | 金沢駅から片町エリアまで約30分 |
| タクシー | 石川地区の普通車は初乗り1.22kmまで700円、以降226mごとに100円。夜の移動にも利用しやすい |
| 駐車場 | 片町周辺のコインパーキングを利用できる |
金沢のクラフトビールスポットは、主に金沢駅周辺、片町・香林坊エリア、ひがし茶屋街周辺に点在しています。営業時間は店ごとに異なり、昼から通しで営業する店もあれば夕方からのみの店もあるため、事前にチェックしておくと安心です。金沢城公園の石垣を望むしいのき迎賓館で開かれるクラフトビールイベント「クラフトビア金沢」は、2026年は9月26日(土)11:00〜19:00と27日(日)11:00〜17:00に、石の広場・芝生広場(金沢市広坂2-1-1)で開催されます。入場は無料で、ビールとフードは有料のチケット制です。なお、飲酒される方は公共交通機関をご利用ください。
写真クレジット:
クラフトビール醸造所のレストラン — 掬茶(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
クラフトビールガーデンの風景 — Mr.ちゅらさん(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)















