【2026年9月時点】永光寺のある羽咋市は、2026年8月27日からの記録的大雨で大きな被害を受けました(石川県災害対策本部の被害報)。永光寺でも境内や参道に土砂が流れ込んだと報じられており、拝観・坐禅体験の受け入れ状況が変わっている可能性があります。令和6年能登半島地震からの復旧も途上です。お出かけ前に必ず永光寺(電話0767-26-0156)へ最新の状況をご確認ください。

石川県羽咋市にある永光寺(ようこうじ)は、鎌倉時代の正和元年(1312年)に曹洞宗の高僧・瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師によって開かれた古刹です。總持寺祖院とともに曹洞宗の発展に深く関わった寺院で、能登の禅文化を語るうえで欠かせない存在です。羽咋市の山間に静かにたたずむ永光寺は、坐禅の道場として現代の参拝者にも開かれてきた寺院です。

永光寺の歴史

洞谷山永光寺の境内
洞谷山永光寺の境内(Photo: Pale Blue / CC BY-SA 4.0)

永光寺の歴史は、瑩山禅師が能登の地に禅の教えを広めるために開いたことに始まります。瑩山禅師は道元禅師から数えて四代目にあたる曹洞宗の祖師で、日本における曹洞宗の大衆化と発展に大きく貢献しました。永光寺はその最初の拠点として、瑩山禅師が修行と布教の基盤を築いた場所です。

開山以来、永光寺は能登における曹洞宗の中心的な寺院として発展しました。その後、瑩山禅師は門前町に總持寺を開き、曹洞宗はさらに全国へと広がっていきます。永光寺には瑩山禅師の墓所(御廟)があり、總持寺の前身ともいえる重要な寺院として、曹洞宗の歴史において特別な位置を占めています。戦国時代には兵火による被害も受けましたが、その後復興され、現在に至るまで法灯を守り続けています。

永光寺の境内と見どころ

永光寺の境内は、羽咋市の山間の谷あいに広がり、うっそうとした杉林に囲まれた静寂な空間です。参道を進むと、山門、仏殿、法堂、僧堂などの伽藍が整然と配置されており、禅宗寺院の格式ある佇まいを今に伝えています。特に法堂は、能登の禅寺建築の代表例として見応えがあります。

境内奥にある瑩山禅師の御廟は、静謐な雰囲気に満ちた聖域です。また、山の中腹には五老峰と呼ばれる展望地があり、能登の山々を一望できます。春には桜、秋には紅葉が境内を彩り、四季折々の自然美と禅の精神が融合した空間を楽しめます。伽藍を囲む苔むした石段や古木の姿にも、長い歴史を感じさせる趣があります。

永光寺と瑩山禅師

瑩山紹瑾禅師(1264-1325)は、曹洞宗を民衆レベルに広めた功労者として「曹洞宗の中興の祖」と称されます。道元禅師が説いた厳格な只管打坐(しかんたざ)の教えを基盤としつつも、在家信者にも門戸を開き、祈祷や葬祭を積極的に取り入れることで、曹洞宗を庶民の間に浸透させました。

永光寺は、瑩山禅師がこうした改革的な布教活動を展開した最初の寺院です。禅師はここで弟子の育成に努め、やがて峨山韶碩(がさんじょうせき)をはじめとする優れた後継者を輩出しました。峨山禅師の系統から多くの末寺が全国に広がり、曹洞宗は日本最大の禅宗教団へと発展していきます。永光寺に伝わる瑩山禅師ゆかりの文書や法具は、この偉大な禅僧の足跡を今に伝える貴重な資料です。

永光寺の坐禅体験

永光寺では、一般の方を対象とした坐禅会が営まれてきました。曹洞宗石川県宗務所の寺院案内では、坐禅会は毎月第2日曜日とされています。瑩山禅師が修行した寺院で坐禅を組むことは、能登の歴史と禅文化に触れる貴重な体験です。静まり返った禅堂で足を組み、呼吸に意識を集中させるひとときは、日常の喧騒を離れた深い安らぎをもたらしてくれます。

坐禅体験は事前予約制です。日程と当日の受け入れ可否は、永光寺(電話0767-26-0156)へ直接問い合わせて確認してください。坐禅の料金は、羽咋市の観光案内では大人500円・小人300円、石川県観光連盟の案内では拝観料を含めて大人1,000円・子ども300円と、公的な案内の間でも金額が分かれています。申し込みの際にあわせて確認するのが確実です。なお、写経など坐禅以外の体験については、公式の案内に記載がありません。能登の自然に囲まれた環境で行う坐禅は格別で、心身のリフレッシュにもつながります。気多大社への参拝と合わせて、能登のスピリチュアルな旅を楽しむのもおすすめです。

永光寺へのアクセス

能登半島の自然風景
永光寺周辺に広がる能登の自然(Photo: 雷太 / CC BY 2.0)

永光寺へは、のと里山海道の千里浜ICまたは柳田ICから車で約20分です。金沢市内からはのと里山海道を利用して約1時間。羽咋市中心部からは車で約15分の距離にあります。山間部に位置するため、公共交通機関でのアクセスは限られており、車またはタクシーの利用が便利です。

境内には駐車場が整備されています。拝観料は大人300円(子ども無料)。拝観時間は、曹洞宗石川県宗務所の寺院案内では9時から17時、羽咋市の観光案内では8時30分から17時と、公的な案内で食い違っています。坐禅体験は事前予約が必要です。周辺にはコスモアイル羽咋や中能登町の見どころもあるため、あわせて訪れるのがおすすめです。静かな山寺の雰囲気を満喫するなら、午前中の早い時間帯の訪問が理想的です。

永光寺は、曹洞宗を日本に伝えた道元禅師の系譜を継ぐ瑩山禅師が開いた名刹で、永平寺・總持寺と並ぶ曹洞宗の重要な寺院です。「能登の禅の道場」として、今も修行僧が集う清澄な空気が漂う境内は、観光客でにぎわう寺社とは一線を画す静謐さがあります。輪島・總持寺祖院と組み合わせた「奥能登・禅の道」としてのルートは、精神的な深みを求める旅人に支持されています。

正式名称洞谷山 永光寺(とうこくさん ようこうじ)
宗派曹洞宗(瑩山禅師が1312年開創)
所在地石川県羽咋市酒井町イ11
拝観時間9:00〜17:00(曹洞宗石川県宗務所の寺院案内)/8:30〜17:00(羽咋市の観光案内)。案内が分かれているため要確認
拝観料大人300円・子ども無料(坐禅体験は要予約。料金は公的な案内でも金額が分かれているため、永光寺 0767-26-0156 へ直接確認)
アクセスのと里山海道・千里浜ICから車で約20分 / JR七尾線・羽咋駅からバス「寺境」下車 約25分(タクシーでも可)
周辺観光気多大社(車15分)・千里浜(車20分)・羽咋市街

永光寺のよくある質問

永光寺(ようこうじ)とはどんなお寺ですか?
洞谷山永光寺(とうこくさんようこうじ)は、石川県羽咋市酒井町にある曹洞宗の寺院です。正和元年(1312年)、道元禅師の法孫で曹洞宗の太祖とされる瑩山紹瑾禅師が、生涯の幽棲の地と定めて開きました。曹洞宗の両大本山は福井の永平寺と横浜鶴見の總持寺であり、永光寺は大本山ではありませんが、瑩山禅師が示寂した道場として崇敬されています。境内は石川県指定史跡です。
永光寺の拝観料と拝観時間は?坐禅体験はできますか?
拝観料は大人300円・子ども無料です。拝観時間は、曹洞宗石川県宗務所の寺院案内では9時〜17時、羽咋市の観光案内では8時30分〜17時と分かれています。同じ寺院案内では拝観できない日は「無」とされていますが、これは2026年8月27日の記録的大雨より前の情報です。坐禅体験は事前予約制で、坐禅会は毎月第2日曜日と案内されています。令和6年能登半島地震で山門の仁王像が被災し修復が進められているほか、大雨で境内にも被害が出たと報じられています。拝観・坐禅の可否と日程は、永光寺(電話0767-26-0156)へ直接確認してください。
永光寺へのアクセスは?
車ではのと里山海道・千里浜ICから約15分、金沢方面からはのと里山海道経由で約1時間です。電車の場合はJR七尾線の羽咋駅からタクシーで約15分。山間部のため公共交通は限られ、車またはタクシーが便利です。境内に駐車場があります。
永光寺の見どころや文化財は?
国指定重要文化財は仏殿や山門ではなく、瑩山禅師自筆の書跡「洞谷山置文」(附・所用木印)です。山門・法堂・僧堂・鐘楼・庫裏の伽藍配置は羽咋市指定文化財で、現在の建物は江戸時代(寛永以降)の再興です。山腹には伝燈院と五老峰があり、展望が開けます。
永光寺と總持寺祖院はどう関係していますか?
どちらも瑩山禅師ゆかりの寺院です。禅師は正和元年(1312年)に永光寺を開いたのち、元亨元年(1321年)に能登・門前の諸嶽寺を總持寺と改めました。能登の總持寺は明治31年(1898年)の火災で伽藍の大部分を焼失し、明治44年(1911年)に横浜鶴見へ寺基を移しています。輪島市門前町に残る旧地が大本山總持寺祖院です。

写真クレジット:
洞谷山永光寺の境内 — Pale Blue(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
永光寺周辺に広がる能登の自然 — 雷太(Wikimedia Commons / CC BY 2.0)

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わっか北陸編集部
HOKURIKU TRAVEL GUIDE
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