北陸の必食グルメ総まとめ|石川・富山・福井の名物料理とご当地グルメ完全ガイド
石川・富山・福井の三県からなる北陸地方は、日本屈指のグルメエリアです。「天然の生け簀」と呼ばれる富山湾の新鮮な海の幸、日本海の荒波が育てたブランド蟹、米どころならではの美味しい米と地酒、そして数百年の歴史を持つ発酵食文化――。北陸には、その土地でしか味わえない食の魅力が凝縮されています。

この記事では、金沢をはじめとする北陸の観光で絶対に外せないグルメを30品目厳選し、海鮮・ラーメン・B級グルメ・発酵食・スイーツのジャンル別に一挙ご紹介します。地元民が愛するソウルフードから、わざわざ旅をしてでも食べたい逸品まで、北陸グルメの魅力を余すところなくお届けします。
目次
この記事の内容
北陸グルメが美味しい理由 — 海・山・発酵が生む食の宝庫
北陸のグルメがなぜこれほど美味しいのか。その秘密は、自然環境と歴史が育んだ三つの要素にあります。
第一に、富山湾・日本海の豊かな海の幸です。立山連峰から流れ込む栄養豊富な雪解け水と、対馬暖流・リマン寒流がぶつかる好漁場が、多種多様な魚介類を育みます。富山湾では約500種もの魚介が水揚げされ、白エビやホタルイカといった富山湾ならではの珍味が楽しめます。石川県沖では冬の香箱蟹・加能ガニやのどぐろが水揚げされ、福井県の越前海岸は越前がにの一大産地として知られます。
第二に、米どころとしての実力です。北陸はコシヒカリの故郷・福井県をはじめ、石川県の「ひゃくまん穀」、富山県の「富富富(ふふふ)」など良質な米の産地。美味しい米は寿司や和食の基盤となるだけでなく、清らかな水とともに上質な日本酒をも生み出します。金沢の居酒屋で地酒と肴を楽しむひとときは、北陸旅行の醍醐味のひとつです。
第三に、発酵食文化の豊かさです。冬が長く雪深い北陸では、保存食として多彩な発酵食品が発達してきました。かぶら寿しやふぐの子糠漬けに代表される金沢の発酵食、能登半島の魚醤「いしる」、若狭地方の「へしこ」など、先人の知恵が生んだ深い旨みの食文化が今も息づいています。
北陸の必食グルメ — 海鮮編
北陸グルメの主役はやはり海鮮。日本海の荒波と豊かな海流が育てた魚介類は、鮮度・旨み・多様性のすべてにおいて国内トップクラスです。ここでは北陸旅行で必ず味わいたい海鮮グルメを8品目紹介します。
のどぐろ — 「白身のトロ」と呼ばれる石川の高級魚

のどぐろ(アカムツ)は、口に入れた瞬間にとろけるような脂の旨みが広がることから「白身のトロ」と称される高級魚です。石川県を中心とした日本海側で多く水揚げされ、北陸を代表する味覚として全国的な知名度を誇ります。塩焼きにすれば皮目はパリッと香ばしく、身はジューシー。刺身や炙り寿司でもその上品な脂を堪能できます。金沢市内の寿司店や料亭では、一年を通してのどぐろ料理が楽しめますが、特に脂がのる秋から冬にかけてが旬。のどぐろ丼やのどぐろの一夜干しなど、店ごとに趣向を凝らしたメニューも見逃せません。
香箱蟹・加能ガニ — 石川県の冬を彩るブランドズワイガニ
石川県の冬の味覚といえば香箱蟹(こうばこがに)と加能ガニ。加能ガニは石川県で水揚げされるオスのズワイガニのブランド名で、身がぎっしり詰まった太い脚と上品な甘みが特徴です。一方、香箱蟹はメスのズワイガニで、小ぶりながら外子(卵)と内子(卵巣)、蟹味噌の三重奏が楽しめる冬限定の珍味。近江町市場の店頭には毎年11月の解禁日から活きた蟹がずらりと並び、その場で茹でたてを味わうことができます。地元の寿司店では加能ガニの握りや香箱蟹の甲羅盛りが冬季限定で登場し、金沢おでんの名物「蟹面(かにめん)」にも香箱蟹が贅沢に使われます。
越前がに — 黄色いタグが証明する冬の味覚の王者
越前がには、福井県の漁港で水揚げされるオスのズワイガニに付けられるブランド名。黄色いタグが品質の証で、その濃厚な蟹味噌と甘みのある身は「蟹の王様」と称されます。毎年11月6日の解禁とともに、越前海岸沿いの旅館や料理店が活気づき、茹でがに・焼きがに・蟹しゃぶ・蟹刺しと多彩な調理法で堪能できます。メスの「せいこがに」は小ぶりながら内子の旨みが凝縮されており、地元では味噌汁や丼にして親しまれています。越前がにミュージアムでは蟹の生態について学ぶこともでき、食と知識の両方が楽しめるスポットです。
富山湾鮨・白エビ・ホタルイカ — 天然の生け簀が生む海の宝石
富山湾鮨は、「天然の生け簀」富山湾で獲れた新鮮なネタと富山県産コシヒカリのシャリ、富山の清水で仕上げる至福の寿司です。中でも「富山湾の宝石」と呼ばれる白エビ(しろえび)は、透き通った美しい姿と上品な甘みが絶品。春の富山湾を代表するホタルイカは、プリッとした食感と内臓の濃厚な旨みが特徴で、沖漬けや刺身、ボイルなど様々な食べ方で楽しめます。富山市内の寿司店では白エビの軍艦巻きやホタルイカの握りが通年のメニューに並び、春には漁港周辺の食堂でとれたてのホタルイカ料理を堪能できます。
氷見寒ブリ — 冬の日本海が育てた脂の王者
氷見の寒ブリ(ひみ寒ぶり)は、富山県氷見市で冬に水揚げされる天然ブリの最高峰。12月から2月にかけて、日本海の荒波にもまれ脂がたっぷりとのった寒ブリは、刺身にすると口の中でとろけるような食感です。氷見漁港では早朝のセリの活気を見学することもでき、隣接する「ひみ番屋街」では寒ブリの刺身定食やブリしゃぶ、ブリ大根など、新鮮なブリ料理を味わえます。「ひみ寒ぶり宣言」が発令される期間中は、氷見市内の飲食店で特別メニューが提供され、全国からグルメ通が訪れます。
能登かき — 七尾湾が育む濃厚な冬の牡蠣
能登かきは、穏やかな七尾湾の恵まれた環境で育てられる真牡蠣。栄養豊富な海水のおかげで通常の牡蠣よりも成長が早く、身が大きくふっくらしているのが特徴です。毎年1月から3月にかけてが旬で、能登半島の「かき小屋」では炭火焼きの殻付き牡蠣を山盛り楽しめます。ぷりぷりの身を頬張れば、磯の香りとクリーミーな旨みが口いっぱいに広がります。焼き牡蠣のほか、牡蠣フライ、牡蠣ご飯、蒸し牡蠣など調理法も多彩。穴水町の「雪中ジャンボかき祭り」や七尾市中島町の「牡蠣祭り」は毎年大勢のファンで賑わう冬の風物詩です。
能登ふぐ — 天然ふぐの隠れた名産地・能登半島
ふぐといえば下関のイメージが強いですが、実は石川県は天然ふぐの漁獲量が全国トップクラス。能登ふぐは、能登半島の寒い海で引き締まった身と上品な旨みが特徴です。てっさ(ふぐ刺し)は、薄造りにされた透き通る身をポン酢でいただくと、繊細な甘みと歯ごたえが楽しめます。てっちり(ふぐ鍋)は冬の能登を代表する贅沢メニュー。能登半島の旅館では、リーズナブルな価格でふぐのフルコースを提供する宿もあり、下関に比べて気軽にふぐ料理を堪能できるのも魅力です。白子の焼き物や唐揚げなど多彩な料理法で能登ふぐの真価を味わいましょう。
近江町市場 — 金沢の台所で味わう北陸海鮮の集大成
近江町市場は、300年以上の歴史を持つ「金沢の台所」。約170の店舗が軒を連ね、のどぐろ・加能ガニ・甘エビ・岩牡蠣など日本海の海の幸がずらりと並びます。市場内の海鮮丼店では、新鮮なネタがこぼれんばかりに盛られた豪快な丼が名物。その場で殻を剥いてくれるカニの食べ歩きや、焼きホタテ、コロッケなど、テイクアウトグルメも充実しています。金沢観光の拠点としても抜群の立地で、朝一番に市場を訪れて新鮮な海鮮朝食を楽しむのが、金沢旅行の王道コースです。
北陸の必食グルメ — ご当地ラーメン・麺類編
北陸は個性豊かなご当地ラーメンと伝統の麺文化が根づく地域でもあります。真っ黒なスープで知られる富山ブラックから、北陸のソウルフード8番らーめん、港町の屋台文化から生まれた敦賀ラーメン、さらには蕎麦やうどんまで、北陸の麺グルメは実に多彩です。
富山ブラックラーメン — 漆黒のスープが衝撃の富山名物
富山ブラックラーメンは、その名の通り真っ黒な醤油スープが特徴の富山県のご当地ラーメンです。元祖は昭和22年(1947年)創業の「大喜(たいき)」で、戦後の復興期に肉体労働者たちの塩分補給を兼ねた「ご飯のおかず」として誕生しました。濃口醤油をベースにした漆黒のスープは見た目ほど塩辛くなく、コクのある旨みが特徴。太めの麺にたっぷりの黒胡椒とメンマが合わさり、パンチの効いた一杯です。現在は富山市内を中心に多くの店が独自のブラックラーメンを提供しており、食べ比べも楽しみのひとつです。
8番らーめん — 北陸民のソウルフード
8番らーめんは、昭和42年(1967年)に石川県加賀市の国道8号線沿いに1号店を出したことからその名がつけられた、北陸を代表するラーメンチェーンです。石川・富山・福井の北陸三県を中心に約120店舗を展開し、「北陸のソウルフード」として地元民に深く愛されています。看板メニューは野菜たっぷりの「野菜らーめん」で、シャキシャキのキャベツ・もやし・にんじんが乗ったやさしい味わいのスープは、老若男女に親しまれる北陸の家庭の味。味噌・塩・醤油・とんこつの4種類から選べ、季節限定メニューも登場します。北陸旅行の合間に、地元民気分で一杯すすってみてはいかがでしょうか。
敦賀ラーメン — 港町の深夜屋台から生まれた豚骨醤油
敦賀ラーメンは、福井県敦賀市の屋台文化から生まれたご当地ラーメンです。かつて港町・敦賀では深夜まで働く港湾労働者たちのために多くの屋台が立ち並び、そこで提供されていた豚骨醤油ベースのラーメンが敦賀ラーメンの原型。豚骨と鶏ガラをじっくり煮込んだコクのあるスープに、中細のストレート麺が絡み、チャーシュー・メンマ・紅しょうがが定番のトッピングです。現在も敦賀市内には屋台スタイルの店が点在し、ノスタルジックな雰囲気の中で啜る一杯は格別。北陸新幹線の敦賀延伸で福井方面へのアクセスが向上した今、立ち寄る価値が大いにあります。
越前おろしそば — 辛味大根でいただく福井伝統の蕎麦
越前おろしそばは、福井県を代表する郷土料理。冷たい蕎麦にたっぷりの大根おろしと刻みネギ、鰹節をのせ、出汁をかけていただくシンプルながら奥深い一品です。福井では在来種の蕎麦を「丸挽き」にするため、蕎麦の風味が濃厚。ピリッとした辛味大根のおろしが蕎麦の香りを引き立て、さっぱりとした後味が楽しめます。昭和天皇が福井を訪問した際にこの蕎麦を召し上がり「越前そば」の名が広まったという逸話も。福井市内はもちろん、永平寺門前や大野市の蕎麦処でも本場の味が堪能できます。
氷見うどん — 300年の伝統を持つ手延べの逸品
氷見うどんは、富山県氷見市に伝わる手延べうどんで、その歴史は約300年。輪島素麺の技法を受け継いだとされる手延べ製法により、つるつるとした喉越しともちもちの弾力ある食感を兼ね備えています。細めの麺は温かいつゆにもざるにも合い、特に氷見産の煮干しで取った出汁との相性は抜群です。日本三大うどんや日本五大うどんに数えられることもあり、讃岐うどんや稲庭うどんとはまた異なる独特の魅力があります。氷見の寒ブリを楽しんだ後のシメに、あっさりとした氷見うどんをすする旅の過ごし方もおすすめです。
北陸の必食グルメ — B級グルメ・郷土料理編
北陸には海鮮以外にも、地元で長年愛されてきたB級グルメや郷土料理が豊富にあります。金沢のカレーやハントンライスから福井のソースカツ丼やボルガライスまで、ボリューム満点でお財布にもやさしいご当地グルメを紹介します。
金沢カレー — 濃厚ルーとキャベツの金沢B級グルメ
金沢カレーは、ドロッとした濃厚なルーをステンレスの皿に盛り、その上にサクサクのカツをのせ、千切りキャベツを添えるのが定番のスタイルです。ルーが全体にかかり、付け合わせのキャベツがカレーの濃厚さをさっぱりと中和してくれます。金沢市内には「チャンピオンカレー」「ゴーゴーカレー」「ターバンカレー」など名店がひしめき、それぞれ独自のルーとスタイルでしのぎを削っています。1960年代の金沢で生まれたこのカレー文化は全国に広がり、今や「金沢カレー」は一つのジャンルとして確立。ガッツリ食べたいランチにぴったりの北陸B級グルメです。
ハントンライス — 金沢発祥の洋食グルメ
ハントンライスは、金沢で生まれた独特の洋食メニュー。ケチャップライスの上に半熟の薄焼き卵をのせ、白身魚のフライをトッピングし、タルタルソースとケチャップをかけたボリューム満点の一皿です。名前の由来はハンガリーの「ハン」とフランス語でマグロを意味する「トン」からとされています。1960年代に金沢のジャーマンベーカリーで生まれ、その後市内の洋食店に広まりました。現在も「グリルオーツカ」をはじめとする老舗洋食店で提供されており、ケチャップの酸味とタルタルのコクが融合する懐かしくも贅沢な味わいが楽しめます。
ソースカツ丼 — 福井を代表するB級グルメの王道
ソースカツ丼は、福井県民のソウルフードともいえるご当地グルメ。一般的なカツ丼のように卵でとじるのではなく、薄めの豚カツを特製のウスターソースベースのタレにくぐらせ、ホカホカのご飯の上に豪快に並べます。元祖とされる「ヨーロッパ軒総本店」は大正2年(1913年)の創業で、100年以上の歴史を誇ります。サクッと揚がったカツにソースの甘辛い風味が染み込み、ご飯との相性は抜群。カツが3枚乗った「カツ丼セット」はボリューム満点ながら、ソースのおかげで意外とさっぱり食べられるのが人気の秘密です。
ボルガライス — 越前市発祥のオムライス×トンカツ
ボルガライスは、福井県越前市(旧武生市)発祥のご当地B級グルメ。オムライスの上にトンカツをのせ、特製のソースをかけた豪快な一品です。「なぜボルガなのか」という名前の由来には諸説あり、ロシアのボルガ川にちなむ説やイタリアのボルガーナ地方に由来する説など、謎が残るのもまた魅力。各店がオリジナルのソースで競い合っており、デミグラスソース・トマトソース・カレーソースなど、店ごとに異なる味わいが楽しめます。オムライスの優しい味わいとカツのボリューム感が合わさった、ほかにはないご当地グルメです。
金沢おでん — 蟹面・車麩・バイ貝が彩る北陸のおでん文化
金沢おでんは、一般的なおでんとは一線を画す金沢ならではの具材が特徴です。最も有名な「蟹面(かにめん)」は、香箱蟹の甲羅にほぐした身と内子・外子を詰めて出汁で煮た贅沢な一品。さらに、金沢特有の「車麩(くるまぶ)」は出汁をたっぷり吸い込んでジューシーに、巻貝の「バイ貝」はコリコリとした食感と磯の風味が楽しめます。金沢はおでん消費量が全国トップクラスで、市内には通年営業のおでん店が数多くあります。金沢の居酒屋で地酒を傾けながら味わう金沢おでんは、冬の北陸旅行の至福のひとときです。
治部煮 — 加賀藩の伝統が息づく金沢の郷土料理
治部煮(じぶに)は、加賀藩時代から伝わる金沢を代表する郷土料理です。鴨肉(または鶏肉)にそば粉をまぶし、季節の野菜やすだれ麩とともにだし汁で煮込みます。そば粉が肉の旨みを閉じ込めると同時にとろみをつけ、わさびを添えていただくのが金沢流。加賀藩主・前田家の饗応料理として発展し、現在も加賀料理を提供する料亭では欠かせない定番メニューです。上品な味わいでありながらとろみのある汁で身体が温まるため、冬の金沢観光の食事にぴったり。金沢市内の和食店や料亭で味わえるほか、近年はカフェスタイルで気軽に楽しめる店も増えています。
北陸の必食グルメ — 発酵食・伝統食編
長い冬と豊かな食材に恵まれた北陸は、日本有数の発酵食文化圏でもあります。微生物の力を借りて旨みを引き出す知恵は、何世代にもわたって受け継がれてきました。ここでは北陸ならではの発酵食品と伝統食を紹介します。
金沢の発酵食文化 — かぶら寿し・ふぐの子糠漬け
金沢の発酵食文化は、加賀藩の時代から脈々と受け継がれてきた食の伝統です。その代表格が「かぶら寿し」で、かぶらに寒ブリを挟み込み、米麹で漬け込んで発酵させた冬の逸品。乳酸発酵による優しい酸味と米麹の甘み、ブリの旨みが三位一体となった味わいは、日本酒との相性も抜群です。また、世界的にも珍しい「ふぐの子糠漬け」は、本来猛毒であるふぐの卵巣を2年以上糠漬けにすることで無毒化した究極の発酵食品。濃厚な旨みはご飯のお供やお茶漬けに最高です。ほかにも大根寿しや糠漬けの魚など、金沢の市場や専門店で多彩な発酵食品に出会えます。
へしこ — 若狭地方に伝わる鯖の糠漬け
へしこは、福井県若狭地方に伝わる伝統的な保存食で、鯖を塩漬けにした後、さらに米糠に漬け込んで1年以上発酵させたものです。「へしこ」の語源は「へし込む(漬け込む)」に由来するとされ、若狭の厳しい冬を越すための知恵から生まれました。糠を軽く落として炙ると、塩気と発酵の旨みが凝縮された風味が口に広がり、日本酒やご飯との相性は抜群。刺身にしていただく「へしこの刺身」は、塩と発酵の旨みがダイレクトに感じられる通好みの味です。近年はパスタやピザのトッピングなどアレンジ料理も人気を集めており、若狭の道の駅や土産店で手軽に購入できます。
いしる・いしり — 能登半島の日本三大魚醤
いしる(いしり)は、能登半島に古くから伝わる魚醤で、秋田の「しょっつる」、香川の「いかなご醤油」とともに日本三大魚醤のひとつに数えられます。能登の外浦ではイワシを原料とした「いしる」、内浦ではイカの内臓を原料とした「いしり」が作られ、それぞれ風味が異なります。塩と魚介を長期間発酵させることで、醤油とは異なる深いコクと旨みが生まれます。能登の郷土料理「いしり鍋」は、いしりをベースにした出汁で新鮮な魚介と野菜を煮込む冬の名物料理。能登半島の民宿や料理旅館で味わえるほか、お土産として一瓶購入すれば自宅で炒め物やパスタの隠し味にも活用できます。
昆布〆と富山の昆布文化 — 北前船がもたらした食の知恵
昆布〆は、新鮮な刺身を昆布で挟んで一晩寝かせる富山県の伝統的な調理法です。昆布のグルタミン酸が魚の旨みを引き立て、余分な水分を吸収することで、味が凝縮された絶品の刺身に仕上がります。富山県は昆布消費量日本一を誇り、その文化は江戸時代の北前船交易にまで遡ります。北海道から運ばれた昆布が富山に根付き、昆布〆・昆布巻きかまぼこ・とろろ昆布おにぎりなど、独自の昆布食文化が花開きました。富山湾鮨の店では昆布〆のネタが定番で、白エビやヒラメの昆布〆は富山でしか味わえない逸品です。
ますのすし — 富山が誇る駅弁の王様
ますのすし(鱒寿司)は、富山県を代表する郷土料理であり、駅弁ランキングでも常に上位に入る全国的に有名な押し寿司です。笹の葉を敷いた曲げわっぱの中に酢飯を詰め、その上に塩漬けにした鱒(マス)の切り身を美しく並べて押し固めます。蓋を開けた瞬間に広がる笹の清々しい香り、鮮やかなピンク色の鱒の身、酢飯との絶妙なバランスは、一口食べれば虜になる美味しさ。富山駅周辺には「ますのすし」を製造する老舗が10社以上ひしめいており、各社の味の違いを食べ比べるのも楽しみのひとつです。出来立てはもちろん、お土産として持ち帰りやすいのも嬉しいポイントです。
北陸の必食グルメ — スイーツ・和菓子・お茶編
北陸は甘味の文化も奥深いエリアです。加賀藩の茶の湯文化が育んだ繊細な和菓子、近年注目を集める金沢スイーツ、そして石川・福井ならではの逸品まで、食事の締めやお土産にぴったりの甘味を紹介します。
金沢の和菓子 — 茶の湯文化が育んだ美しい菓子の世界
金沢の和菓子は、京都・松江と並び日本三大菓子処に数えられるほどの名声を誇ります。加賀藩前田家が茶の湯を奨励したことで、茶席に供する上生菓子の文化が花開きました。「森八」の「長生殿」は日本三大銘菓のひとつとして知られ、「吉はし」の繊細な上生菓子は予約制で入手が難しいほどの人気。ほかにも「きんつば」で有名な「中田屋」や、「うちわ煎餅」の老舗「諸江屋」など、金沢市内には歴史ある和菓子店が点在しています。加賀棒茶とともにいただく金沢の和菓子は、北陸旅行で訪れたい優雅なひとときを演出してくれます。
金沢スイーツ — 伝統と革新が融合する甘味の最前線
金沢のスイーツシーンは、伝統的な和菓子だけにとどまりません。近年は和の技法と洋菓子を融合させた「金沢スイーツ」が注目を集めています。金箔ソフトクリームは金沢の東茶屋街の定番で、煌びやかな金箔を贅沢にまとったソフトクリームはSNS映えも抜群。ひがし茶屋街や香林坊周辺にはおしゃれなカフェやパティスリーが続々とオープンしており、加賀野菜を使ったケーキや能登の塩を使ったキャラメルなど、地元食材を活かした創作スイーツが楽しめます。金沢観光の合間の休憩に、金沢ならではのスイーツでひと息つくのもおすすめです。
加賀棒茶 — 茎を焙じた香ばしい石川の銘茶
加賀棒茶は、茶葉ではなく茎の部分を焙煎して作る石川県独特のほうじ茶です。一番摘みの茎を浅く焙じることで、澄んだ琥珀色の水色と芳醇な香り、すっきりとした甘みが引き出されます。金沢で最も有名な茶舗「丸八製茶場」の「献上加賀棒茶」は、昭和天皇に献上されたことからその名がつきました。カフェインが少なく胃にやさしいため、食後の一杯や就寝前のリラックスタイムにも最適。近年は加賀棒茶を使ったラテやスイーツも人気で、和菓子だけでなく洋菓子との相性も抜群です。お土産としても軽量で持ち帰りやすく、北陸旅行の定番ギフトになっています。
福井の油揚げ — 消費量日本一の知られざるグルメ
福井の油揚げは、実は福井県が全国トップの消費量を誇る隠れた名物グルメです。中でも坂井市の「谷口屋」が提供する「竹田の油揚げ」は、一辺が約14cmもある巨大な油揚げで、外はカリカリ、中はふわふわジューシーの食感が衝撃的。大豆の甘みと揚げたてのこうばしさが口いっぱいに広がり、一度食べたら忘れられない美味しさです。福井県で油揚げ文化が根付いた背景には、曹洞宗の大本山・永平寺の精進料理の伝統があるとされています。永平寺の門前では精進料理のコースに油揚げが欠かせず、県内のスーパーにも多種多様な油揚げが並ぶほど、福井県民にとって油揚げは日常の食材です。
北陸グルメを満喫するモデルコース
北陸三県のグルメを効率よく楽しむための2泊3日モデルコースをご提案します。
1日目:金沢で海鮮と加賀の味を堪能
朝:近江町市場で海鮮丼の朝食。のどぐろの炙りや甘エビがのった豪快な丼でスタート。
昼:ひがし茶屋街で金沢の和菓子と加賀棒茶をいただきながら休憩。金沢スイーツの金箔ソフトクリームも忘れずに。
夜:加賀料理の料亭で治部煮と蟹料理のコース。または金沢の居酒屋で金沢おでんと地酒を楽しむ夜も格別です。
2日目:能登・氷見・富山で海の幸を満喫
朝:金沢から車で能登方面へ。能登かきのかき小屋で焼き牡蠣を堪能。
昼:氷見漁港周辺のひみ番屋街で氷見寒ブリのブリ丼。食後に氷見うどんもぜひ。
夜:富山市内で富山湾鮨を堪能。白エビの軍艦と昆布〆のネタは必食。シメに富山ブラックラーメンで一日を締めくくりましょう。
3日目:福井でB級グルメと発酵食の旅
朝:富山駅でますのすしを購入し、北陸新幹線で福井へ移動。
昼:福井市内の「ヨーロッパ軒」でソースカツ丼のランチ。時間があれば永平寺に立ち寄り精進料理と福井の油揚げを味わうのもおすすめ。
午後:越前おろしそばの蕎麦処でさっぱりと蕎麦を楽しんだ後、若狭方面でへしこをお土産に購入。敦賀に寄れるなら、敦賀ラーメンの屋台で旅の最後を締めくくるのも一興です。
北陸は、一つの旅では味わいきれないほど多彩なグルメの宝庫です。季節ごとに旬の味覚が入れ替わるため、春のホタルイカ、夏の岩牡蠣、秋ののどぐろ、冬の蟹やブリと、何度訪れても新たな美味しさに出会えます。北陸新幹線の開業でアクセスも格段に向上した今、ぜひ石川・富山・福井の三県を巡り、北陸グルメの真髄を味わってみてください。
テーマで楽しむ北陸旅行ガイド
北陸旅行をテーマ別に楽しむためのガイドです。
- 北陸三県の御朱印めぐり完全ガイド — おすすめ神社仏閣と御利益・モデルコース
- 北陸のパワースポットめぐり — 縁結び・金運・健康祈願の神社仏閣
- 北陸のおすすめ温泉ランキング — 加賀温泉郷・宇奈月温泉など名湯20選
- 北陸の必食グルメ総まとめ — 石川・富山・福井の名物料理完全ガイド
- 北陸新幹線で行く旅行ガイド — アクセス・お得なきっぷ・座席選び
- 北陸の道の駅完全ガイド — ドライブ旅のご当地グルメ・お土産
エリア別の観光ガイドもご活用ください。
写真クレジット:
近江町市場(Wikimedia Commons)
越前がに — さかおり(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)









