富山湾の白エビの軍艦寿司
白エビの軍艦寿司(Photo: 7'o'7 / CC BY-SA 3.0)

「富山湾の宝石」と称されるシロエビ(正式名称:シラエビ)は、透き通った淡い桃色の美しい姿と上品な甘みが特徴の富山を代表するグルメです。体長わずか5〜8cmほどの小さなエビですが、その味わいは繊細にして深く、刺身・唐揚げ・かき揚げなど多彩な調理法で楽しまれています。全国でも富山湾だけで漁業として成り立つほどまとまって獲れる、まさに富山湾が世界に誇る特産品です。

富山湾のシロエビとは — 生態と「富山湾の宝石」の名の由来

シロエビ(シラエビ、学名:Pasiphaea japonica)はオキエビ科に属する深海性のエビで、普段は水深150〜300mの深海に生息しています。体は半透明で、光の加減によって淡い桃色や白色に輝くことから「富山湾の宝石」と呼ばれるようになりました。富山湾は海岸からわずか数kmで水深1000mに達する急深な地形を持ち、この地形が深海のシロエビを岸近くで漁獲することを可能にしています。漁期は4月から11月で、特に旬を迎える4〜6月は甘みが強くなります。

シロエビ漁の特徴 — 富山湾・岩瀬漁港の伝統漁法

シロエビ漁が行われているのは、実質的に富山湾だけです。特に富山市の岩瀬漁港は全国随一のシロエビの水揚げ港として知られています。漁は底曳き網漁で行われ、早朝に出港した漁船が富山湾の深海からシロエビを引き上げます。シロエビは非常にデリケートなため、漁獲後すぐに氷で締めて鮮度を保ちます。岩瀬漁港の周辺には白エビを味わえる食事処が軒を連ね、水揚げされたばかりの新鮮なシロエビを堪能できます。

シロエビの食べ方 — 刺身・唐揚げ・かき揚げの魅力

富山湾の白エビのかき揚げ
白エビのかき揚げ(Photo: Shoyuramen / Public domain)

白エビの刺身は、シロエビの真骨頂ともいえる食べ方です。1匹1匹手作業で殻をむき、醤油をつけていただくと、とろけるような甘みと上品なコクが口いっぱいに広がります。1皿に50〜70匹ほどのシロエビが使われ、手むきの手間から「富山でしか食べられない贅沢品」として知られています。富山湾鮨のネタとしても人気があり、寿司店では軍艦巻きにして提供されることが多いです。

白エビの唐揚げは、殻ごとカラッと揚げることで、パリパリの食感と凝縮されたエビの旨みを楽しめます。ビールのおつまみとしても最高の一品で、塩をひと振りするだけでシロエビ本来の風味が引き立ちます。居酒屋や食堂で手軽に味わえるのも魅力です。

白エビのかき揚げは、サクサクの衣に包まれた白エビの甘みが絶品です。天つゆでいただくほか、蕎麦やうどんに載せたり、丼にして楽しむのも富山流。白エビバーガーは道の駅「まるごと射水」(2025年11月21日に「カモンパーク新湊」から改称)の名物で、サクサクのかき揚げをバンズに挟んだユニークなご当地グルメとして観光客に人気です。

シロエビの名店と白エビまつり — 富山市内で白エビを味わう

白エビを味わえる名店は富山市内を中心に点在しています。岩瀬エリアでは「白えび亭」が刺身・かき揚げ丼・唐揚げのセットで人気を集め、富山駅前の「白えびや」では気軽に白エビ丼を楽しめます。また、昆布〆にした白エビも富山ならではの味わいで、昆布の旨みがシロエビの甘さを一層引き立てます。

毎年4月下旬に開催される「白エビまつり」は、シロエビ漁の解禁を祝う恒例イベントです。岩瀬漁港周辺で新鮮な白エビの即売や、唐揚げ・かき揚げの屋台が並び、大勢の人で賑わいます。シロエビ漁の実演や、漁師から直接話を聞ける貴重な機会もあり、富山の食文化を体感できるイベントです。

シロエビと富山湾の恵み — 「天然の生け簀」の食文化

シロエビは富山湾の豊かな海の象徴的存在ですが、富山湾の恵みはそれだけではありません。ホタルイカ・ブリ・ベニズワイガニなど四季折々の海の幸が水揚げされ、富山湾鮨として旬のネタを握りで楽しむことができます。立山連峰の雪解け水が深海に栄養を運び、多様な海洋生物を育む富山湾は、まさに「天然の生け簀」。シロエビはそんな富山湾の恵みの中でもひときわ輝く宝石のような存在です。

シロエビを味わう旅 — アクセスと周辺の見どころ

白エビを楽しむなら、岩瀬の街並み散策と組み合わせるのがおすすめです。岩瀬地区は北前船の寄港地として栄えた歴史ある町で、重厚な町家建築が並ぶ風情ある通りを歩いた後に、新鮮な白エビ料理を味わうのが理想的なコースです。岩瀬へは富山駅から富山地方鉄道富山港線(ポートラム)で約25分。富山市内観光の際にはぜひシロエビグルメを旅の目的のひとつに加えてみてください。

シロエビのよくある質問

白えび(シロエビ)はどんな海産物ですか?富山湾の固有種ですか?
正式名称はシラエビ(学名 Pasiphaea japonica)で、オキエビ科の深海性エビです。体長は約5〜8cm。水揚げ直後は半透明の淡いピンク色で「富山湾の宝石」と呼ばれ、富山湾の海底谷「あいがめ」付近の水深約150〜300mに生息します。駿河湾・相模湾など日本近海にも分布しますが、商業漁が成り立つほどまとまって獲れるのは富山湾だけで、水揚げ港は岩瀬漁港(富山市)と新湊漁港(射水市)の2港です。サクラエビ(学名 Sergia lucens)は別種です。
白えびの漁期と旬はいつですか?年間どのくらい水揚げされますか?
漁期は4月1日から11月30日で、12月から3月は禁漁です。漁法は小型底曳網の「かけ回し」で、最盛期は4〜5月と8〜9月です。年間漁獲量は10年平均で400〜500トンほどです(富山県漁業協同組合連合会)。刺身は鮮度が落ちやすい一方、冷凍のむき身により通年流通しています。
白えびのおすすめの食べ方は?
手むきの刺身や寿司(軍艦巻き)、殻ごと揚げる唐揚げ、かき揚げ・天ぷら、昆布で締める昆布〆が代表的です。お土産では白えびせんべいが定番です。白エビバーガーは氷見ではなく、射水市の道の駅「まるごと射水」(2025年11月21日に「カモンパーク新湊」から改称)の名物です。ほかのエビと違い、加熱しても赤くなりません。
白えびが食べられるおすすめスポットはどこですか?
射水市の新湊きっときと市場(開館9:00〜17:00、時期により変動)では館内の食堂で白えび料理が楽しめます。富山駅直結のとやマルシェには廻る富山湾 すし玉や白えび亭(白えび天丼・刺身丼)があります。白エビバーガーなら道の駅まるごと射水です。岩瀬漁港周辺にも食事処があります。料金は店舗・仕入れで変わるため、各店の公式情報で確認してください。
岩瀬の漁港へはどう行けばいいですか?白えび漁は見学できますか?
富山駅から富山地方鉄道の富山港線(路面電車)で終点・岩瀬浜まで約25分、運賃は全区間均一で、現金・全国交通系ICカードなら大人240円(えこまいか・パスカは220円)です。新湊では現役漁船で漁を見学する「白えび漁観光船」があり、4月下旬〜5月中旬と7〜9月に運航します(水・日は運休、完全予約制)。最新の運航は富山湾しろえび倶楽部で確認してください。

写真クレジット:
白エビの軍艦寿司 — 7'o'7(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
白エビのかき揚げ — Shoyuramen(Wikimedia Commons / Public domain)

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