【2026年8月時点】能登地方は令和6年能登半島地震からの復旧途上にあり、施設の営業時間・料金・休業の状況が変わることがあります。揚げ浜式製塩も生産量が震災前の半分ほどに落ち込み、揚げ浜塩には購入数量の制限がかかっています。お出かけ前に、各施設の公式サイトや電話で最新の状況をご確認ください。
奥能登の揚げ浜式製塩で作られた能登の塩は、ミネラルを含んだまろやかな味わいが持ち味です。その塩を使った塩ソフトクリーム・塩キャラメル・塩おにぎりなどが、能登をめぐる楽しみのひとつになっています。
能登半島は、500年以上の歴史を持つ揚げ浜式製塩で知られる塩の産地です。日本海の海水から手作業で作られる能登の塩は、ミネラルを含んだまろやかな味わいが特徴。この塩を使ったスイーツやグルメが能登各地で親しまれています。ただし2024年1月の地震と同年9月の豪雨で塩田も製造施設も被害を受け、生産量は震災前の半分程度にとどまっています。揚げ浜塩そのものは購入数量が制限されることがあり、塩を使った商品も震災前と同じようには揃わない点をふまえて計画してください。
目次
能登の揚げ浜塩 — 500年続く伝統の塩づくり

能登の塩スイーツ・塩グルメの原点となっているのが、揚げ浜式製塩で作られる伝統の塩です。揚げ浜式製塩は、およそ500年以上前から珠洲市や輪島市の海岸で続けられてきた製法で、浜辺に整備した塩田に海水を繰り返し撒き、太陽と風の力で塩分濃度を高めた「かん水」を大釜で煮詰めて塩を結晶化させます。奥能登塩田村の説明によれば、朝5時の海水の汲み上げから塩田での作業が1日がかりで進み、釜屋では約6時間の荒焚きと約16時間の本焚きを経て、焚き上がった塩をさらに4日間寝かせて仕上げます。1回の塩づくりに最低でも5日ほどかかる、すべて手作業の重労働です。こうして作られた揚げ浜塩は、一般的な精製塩と異なりマグネシウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルを含んでおり、角のないまろやかな塩味が特徴です。「能登の揚浜式製塩の技術」は2008年3月13日に国の重要無形民俗文化財に指定されており(保護団体は能登の揚浜式製塩保存会)、用具類も1969年に「能登の揚浜製塩用具」166点として重要有形民俗文化財に指定されています。製塩の工程を見学・体験できるのは珠洲市清水町の道の駅すず塩田村で、道の駅すずなりでは製塩の見学はできません。
能登の塩スイーツ — 塩アイス・塩キャラメル・塩プリン

能登の塩を使ったスイーツは、甘さと塩味の絶妙なバランスが魅力です。現地で確実に味わえる代表格が、珠洲市野々江町の道の駅すずなりで売られている揚げ浜塩のソフトクリームです。石川県観光連盟の紹介によれば、同施設では揚げ浜塩を使ったソフトクリームのほか、季節ごとに替わるご当地ソフトも提供されています。ミルクの甘さを塩が引き締め、後味がすっきりするのが揚げ浜塩を使ったアイスの持ち味です。このほか、能登の塩とバターを合わせたキャラメルや、塩を効かせたサブレ・まんじゅうといった菓子も、道の駅や地元の菓子店で扱われています。ただし製造元によって販売の再開状況や取扱店が異なり、震災前と同じ品揃えには戻っていません。特定の商品を目当てに行く場合は、店舗に在庫を確認してから向かうことをおすすめします。
能登の塩グルメ — 塩ラーメン・塩おにぎり・塩焼き
能登の塩はスイーツだけでなく、食事メニューでもその実力を発揮します。塩の味わいがいちばん素直に出るのが「塩おにぎり」です。能登産のコシヒカリを揚げ浜塩で握っただけのおにぎりは、米の甘みと塩の旨みだけで成り立つシンプルな一品で、自宅でも再現できるのが強みです。揚げ浜塩と魚介の出汁を合わせた塩ラーメンや、イカ・アジを塩で焼く塩焼きも能登らしい食べ方ですが、奥能登の飲食店は震災の影響で休業・移転・営業日短縮が続いており、店を指定して訪ねるには事前確認が欠かせません。珠洲市や輪島市で食事をする場合は、各市の観光協会が公開している営業店舗の情報を確認してから出かけてください。七尾市の能登食祭市場のように、比較的アクセスしやすい場所で能登の海の幸を味わう選択肢もあります。
能登の塩グルメが買えるお土産スポット
能登の塩スイーツ・塩グルメはお土産としても喜ばれます。珠洲市野々江町の「道の駅すずなり」は、旧珠洲駅をリニューアルした交流拠点で、珠洲の塩や珠洲焼、珪藻土コンロ、いも菓子などが並びます。営業時間は10:00〜17:00、水曜定休です(2026年4月に営業時間が変更されています。最新情報は0768-82-4688へ)。塩づくりの現場に近い「道の駅すず塩田村」(珠洲市清水町1-58-1)でも塩や塩を使った商品を購入でき、売店は2026年4月に全面営業を再開しました。営業時間は3〜11月が9:00〜17:00、12〜2月が9:00〜16:00です。揚げ浜塩は生産量が回復途上のため、購入できる数量に制限がかかることがあります。まとまった量が必要な場合は事前に問い合わせてください(0768-87-2040)。輪島市の輪島朝市は、2024年1月の火災で朝市通りが焼失し、現地では再開していません。現在は「出張輪島朝市」がワイプラザ輪島店で9:00〜13:00(水曜休)に開かれています。能登ワインと塩を組み合わせた贈り物も、能登を応援する土産として選ばれています。
能登の塩スイーツ・塩グルメを楽しむアクセス情報
アクセス・道路状況
- エリア:能登半島各地で楽しめますが、特に充実しているのは珠洲市・輪島市エリアです
- 車(珠洲市へ):金沢市内から約2時間30分〜3時間。のと里山海道と国道249号を経由します
- 車(輪島市へ):金沢市内から約2時間
- 道路規制:国道249号の沿岸部は本復旧工事が続いており、片側交互通行や時間帯規制が残っています(2026年8月時点。輪島市門前町〜珠洲市の権限代行区間は令和11年(2029年)春までに本復旧完了予定)。出発前に石川県の「石川みち情報ネット」で規制区間を確認し、所要時間には余裕をみてください
- 途中の注意:千里浜なぎさドライブウェイも、波の状況によって通行止めになることがあります
塩づくり体験と合わせて楽しむなら、珠洲市清水町の道の駅すず塩田村が目的地になります。体験塩田での塩づくり体験は5月〜9月に予約制で実施されていますが、料金や実施可否は年により変わるため、申し込み前に公式サイトか電話(0768-87-2040)で確認してください。なお塩の総合資料館「揚浜館」は令和6年能登半島地震の影響で休館が続いており、利用できるのはロビー内の売店とお手洗いのみです(2026年8月時点)。白米千枚田や曽々木海岸の観光と組み合わせれば、能登の自然と食を同時に満喫できる充実の旅になるでしょう。
写真クレジット:
日本の伝統的な塩(イメージ) — Laloulelanglois(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
おにぎり — Ocdp(Wikimedia Commons / CC0)
塩田の風景 — Ariadna Llagostera Garcia(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)










