加賀温泉郷 — 山代・山中・片山津、三つの名湯を巡る
石川県加賀市にある加賀温泉郷は、山代温泉・山中温泉・片山津温泉の3つの名湯からなる北陸屈指の温泉地です。開湯1300年の歴史を持ち、松尾芭蕉も愛した名湯は、それぞれに個性的な魅力を持っています。
目次
山代温泉 — 加賀の文人墨客が愛した湯の街

山代温泉は、約1300年前に行基が発見したと伝わる加賀温泉郷最大の温泉地です。温泉街の中心には古総湯(こそうゆ)と総湯の2つの共同浴場があり、古総湯は明治時代の外観を再現した趣深い建物です。ステンドグラスの窓から差し込む光の中で湯に浸かる贅沢は、山代温泉ならではの体験です。
温泉街には九谷焼の窯元や魯山人ゆかりの「いろは草庵」など文化スポットも点在しており、湯上がりの散策も楽しめます。
山中温泉 — 芭蕉が称えた渓谷の名湯
山中温泉は、大聖寺川沿いの渓谷に広がる情緒豊かな温泉地です。松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で訪れ、「山中や菊は手折らじ湯の匂ひ」と詠んだことでも知られています。芭蕉はこの温泉を有馬・草津と並ぶ「扶桑三名湯」と称えました。
温泉街に沿って流れる大聖寺川の渓谷は鶴仙渓と呼ばれ、四季折々の美しい景色が楽しめます。共同浴場「菊の湯」は1300年の歴史を持つ総湯で、地元の人々にも愛されています。
片山津温泉 — 柴山潟越しに白山を望む湖畔の湯

片山津温泉は、柴山潟のほとりに広がる温泉地です。湖越しに白山連峰を望む開放的なロケーションが魅力で、夕日に染まる柴山潟の景色は格別の美しさです。柴山潟に浮かぶ浮御堂は片山津温泉のシンボルで、夜にはライトアップされ幻想的な雰囲気を醸し出します。
共同浴場「総湯」は建築家・谷口吉生の設計によるモダンな建物で、柴山潟を眺めながら入浴できる絶景の温泉です。
加賀温泉郷の三湯の特徴と比較
山代温泉は加賀温泉郷最大の温泉地で、1300年の歴史を持ちます。総湯(共同浴場)を中心に旅館や商店が並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる独特の温泉街の構造が特徴。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉で、美肌効果が高いとされています。
山中温泉は渓谷沿いの風情ある温泉街です。松尾芭蕉が「扶桑三名湯」と称えた名湯で、鶴仙渓の散策と温泉を同時に楽しめます。総湯「菊の湯」は共同浴場として地元にも愛されています。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉。
片山津温泉は柴山潟のほとりに湧く温泉です。湖面に映る白山の絶景が魅力で、夏の花火大会は北陸屈指の規模を誇ります。総湯は建築家・谷口吉生の設計による現代的な建物で、ガラス張りの浴室から柴山潟を一望できます。
加賀温泉郷の日帰り温泉と総湯めぐり
加賀温泉郷の魅力のひとつが総湯(共同浴場)です。山代温泉には「古総湯」と「総湯」の2つがあり、古総湯は明治時代の佇まいを再現したレトロな浴場で、ステンドグラスから差し込む光の中で入浴できます。入浴料は大人500円程度とリーズナブルで、気軽に名湯を体験できます。
三湯をすべて巡る「総湯めぐり」もおすすめのプランです。各温泉地は車で10〜15分の距離にあるため、半日で三湯すべての日帰り入浴が楽しめます。それぞれの泉質や雰囲気の違いを比べるのも温泉好きにはたまらない体験です。
加賀温泉郷の歴史と文人たちの足跡
加賀温泉郷は古くから多くの文人墨客に愛されてきました。元禄2年(1689年)には松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅の途中で山中温泉に逗留し、「山中や菊は手折らじ湯の匂い」の句を残しています。芭蕉は山中温泉の湯を「扶桑三名湯のひとつ」と絶賛し、9日間も滞在したと伝えられています。
山代温泉は明治時代に北大路魯山人が逗留し、旅館の看板や食器のデザインを手がけた地としても知られています。魯山人ゆかりの「いろは草庵」は現在も見学でき、芸術と温泉の深い結びつきを感じることができます。このように加賀温泉郷は単なる湯治場ではなく、日本の文化・芸術と深く結びついた歴史ある温泉地なのです。
加賀温泉郷へのアクセス・基本情報
| 所在地 | 石川県加賀市(山代・山中・片山津) |
| アクセス(電車) | JR加賀温泉駅からバスで各温泉地へ10〜20分 |
| アクセス(車) | 北陸自動車道 加賀ICまたは片山津ICから各5〜15分 |
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム−硫酸塩泉など(各温泉で異なる) |
| 共同浴場 | 山代:古総湯・総湯 / 山中:菊の湯 / 片山津:総湯 |
| ベストシーズン | 通年(秋の紅葉、冬のカニシーズンが特に人気) |
加賀温泉郷の周辺観光スポット
写真クレジット:
古総湯 — 掬茶(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
浮御堂 — Kakidai(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)








