石川県加賀市の山中温泉を流れる大聖寺川が刻んだ鶴仙渓(かくせんけい)は、約1.3kmにわたって続く渓谷美の名所です。S字型のあやとりはし、総ひのき造りのこおろぎ橋、石造りの黒谷橋という個性豊かな三橋を巡る遊歩道は、四季折々の自然を楽しめる人気の散策コースです。夏の川床、秋の紅葉など、どの季節に訪れても趣深い景色が待っています。
この記事の内容
鶴仙渓とは — 松尾芭蕉も愛した渓谷の散歩道

鶴仙渓は、山中温泉の温泉街に沿って流れる大聖寺川が長い年月をかけて刻んだ渓谷です。こおろぎ橋から黒谷橋まで約1.3kmに遊歩道が整備されており、渓流のせせらぎを聞きながら自然の中を散策できます。
元禄2年(1689年)、「おくのほそ道」の旅で山中温泉に9日間逗留した松尾芭蕉もこの渓谷の美しさを愛で、「山中や菊は手折らじ湯の匂ひ」と詠みました。江戸の昔から変わらぬ渓谷美が、今も散策する人々を魅了し続けています。
三つの橋を巡る — 各橋の特徴と見どころ
鶴仙渓最大の見どころは、それぞれ異なる個性を持つ三つの橋です。
| 橋名 | 特徴 | 位置 |
|---|---|---|
| こおろぎ橋 | 総ひのき造り・長さ約24m。2019年に架け替えられた4代目。白木が渓谷の緑に映える絶好の撮影ポイント。名の由来は「行路危(こうろぎ)」説、コオロギの鳴き声説など諸説あり | 上流(散策スタート地点) |
| あやとりはし | 華道家・勅使河原宏デザインのS字型歩行者専用橋・長さ94.7m。鮮やかなフォルムが渓谷の緑に映える現代アート的な橋。橋上から渓谷を一望できる絶景ポイント | 中流(川床の中心) |
| 黒谷橋 | 趣ある石造りの橋。芭蕉も渡ったとされる歴史ある橋で、渓谷の奥行きを感じる眺めが魅力 | 下流(散策ゴール地点) |
鶴仙渓の川床 — 渓流沿いのスイーツ体験

4月から11月にかけて、あやとりはし付近に川床(かわどこ)が設けられます。渓流のすぐそばに張り出した床の上で、山中温泉出身の料理人・道場六三郎氏が監修したスイーツや抹茶セットをいただく体験は、鶴仙渓ならではの贅沢なひとときです。予約は受け付けておらず、当日その場で席料を払って利用します。
| 営業期間 | 2026年4月1日〜11月30日(11月は不定休)。6月9〜11日・9月8〜10日はメンテナンス休業 |
| 営業時間 | 4〜10月 9:30〜16:00/11月 10:00〜15:00(いずれも終了15分前がラストオーダー) |
| 料金 | お席料(加賀棒茶付)一般 大人700円・小学生600円/川床セット(お席料+スイーツ)一般 大人1,000円・小学生900円 山中温泉旅館組合加盟旅館の宿泊者は割引(お席料 大人200円・小学生100円/川床セット 大人500円・小学生400円) |
| 場所 | あやとりはし袂・不動滝そば(鶴仙渓遊歩道沿い) |
| 注意 | 雨天および河川の増水時は営業中止 |
散策ルートと所要時間
| スタート | こおろぎ橋(山中温泉バス停から徒歩5分) |
| 中間 | あやとりはし(スタートから約15分・川床はこの付近) |
| ゴール | 黒谷橋(スタートから約30分) |
| 復路 | 同じ道を戻るか、温泉街を通って循環(徒歩15〜20分) |
| 合計所要時間 | 約60〜90分(川床利用・写真撮影含む) |
| 難易度 | 普通(遊歩道は整備済み。雨後は滑りやすいため歩きやすい靴推奨) |
季節別の見どころ
🌸 春(4月〜5月)
新緑が渓谷を包む清々しい季節で、川床は4月1日にオープンします。こおろぎ橋周辺の桜は4月上旬が見頃です。
☀️ 夏(6月〜8月)
木陰と渓流の涼風が心地よく、川床でのスイーツタイムが最も気持ちよい季節です。遊歩道は日陰が多いため、真夏でも歩きやすいのが鶴仙渓の強みです。
🍁 秋(10月〜11月)
鶴仙渓の最大の見どころ。モミジ・カエデが色づき、渓流に映る紅葉が絶景です。見頃は11月上旬〜中旬で、川床も11月30日まで営業しています(11月は10:00〜15:00・不定休)。週末は混雑するため早朝の散策がおすすめです。
❄️ 冬(12月〜3月)
雪化粧した渓谷の静けさが格別な季節。川床は休業しますが、遊歩道と三つの橋は通年無料で歩けます。こおろぎ橋の白木と雪景色のコントラストが美しく、積雪時は足元が滑りやすいので注意してください。
アクセス・散策基本情報
| 所在地 | 石川県加賀市山中温泉こおろぎ町 |
| 入場料 | 無料(遊歩道・橋の通行は無料)。ただし倒木や崩落で一部区間が一時通行止めになることがあります |
| 電車+バス | JR加賀温泉駅から加賀周遊バス「Canbus」で約30分「山中温泉」下車、徒歩5分 |
| 車 | 北陸自動車道 加賀ICから約20分 |
| 駐車場 | こおろぎ橋駐車広場(無料・23台、大型バス2台)、あやとりはし駐車場(無料・18台)。温泉街には菊の湯・観光客駐車場〈旧山中温泉支所跡〉(無料・70台)、菊の湯駐車場(無料・18台)、冨士見町観光客無料駐車場(11台)もあります。有料はこおろぎ橋鶴仙渓パーキング(30台・500円) |
| ベストシーズン | 紅葉(11月上旬〜中旬)、新緑・川床(4〜8月) |
山中温泉と合わせた観光プラン
鶴仙渓は山中温泉の温泉街のすぐそばにあるため、散策と温泉を組み合わせるのが最も贅沢な過ごし方です。
| 半日プラン | こおろぎ橋 → 鶴仙渓散策(川床でスイーツ)→ 黒谷橋 → 菊の湯で入浴 → 温泉街・漆器ショッピング |
| 1泊2日プラン | 1日目:鶴仙渓散策・旅館チェックイン・夕食(加賀料理)2日目:朝湯 → 山中漆器工房 → 山代温泉へ移動 |
共同浴場「菊の湯」は大人500円で芭蕉ゆかりの名湯を体験できます。山中漆器のろくろ絵付け体験(1,500円〜、要予約)も温泉街の楽しみです。
鶴仙渓のよくある質問
鶴仙渓の紅葉の見頃はいつですか?
鶴仙渓の散策に料金はかかりますか?
鶴仙渓の川床はいつからいつまで営業していますか?予約は必要ですか?
鶴仙渓の散策にはどのくらい時間がかかりますか?
鶴仙渓に駐車場はありますか?
こおろぎ橋・あやとりはし・黒谷橋はどう違うのですか?
写真クレジット:
あやとりはし — Namazu-tron(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
鶴仙渓の川床 — Hiroaki Kaneko(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
掲載している料金・営業時間などの情報は記事更新時点のものです。変更されることがあるため、お出かけ前に各施設の公式サイトや電話で最新の情報をご確認ください。

















