福井県南部の若狭地方は、京都と日本海を結ぶ「鯖街道」の起点として古くから栄え、豊かな海の幸と歴史ある街並みが今も息づくエリアです。この1泊2日のモデルコースでは、北陸新幹線の終点・敦賀を起点に、三方五湖の絶景、小浜と鯖街道の歴史、熊川宿の宿場町情緒を巡ります。海と山に恵まれた若狭路のグルメも存分に楽しめる充実の旅プランです。

目次
若狭・敦賀1泊2日モデルコースの全体スケジュール
1日目:敦賀→三方五湖→小浜
2日目:小浜→明通寺→熊川宿→瓜割の滝→敦賀
曜日で組み替えが必要です。1日目に回る敦賀赤レンガ倉庫と人道の港 敦賀ムゼウムはどちらも水曜休館(祝日の場合は翌日)、2日目の熊川宿資料館「宿場館」は月曜休館です。水曜出発なら1日目は気比神宮と金ヶ崎緑地の散策に切り替え、月曜に熊川宿を歩くなら資料館の見学は外して街並みだけを楽しむ、といった調整をしておくと当日に慌てません。
1日目午前:敦賀の歴史スポットを巡る
気比神宮と敦賀赤レンガ倉庫
北陸新幹線の終着駅である敦賀駅からスタートします。駅からレンタカーで約5分、まず敦賀と気比神宮へ。北陸道の総鎮守として1300年以上の歴史を持つ気比神宮は、高さ約11メートルの大鳥居(重要文化財)が圧巻です。境内は松の木に囲まれた静かな空間で、旅の安全を祈願するのにふさわしい荘厳な雰囲気に包まれています。参拝の所要時間は約30分。御朱印もいただけます。
気比神宮から車で約5分、港側の金ヶ崎町に建つ敦賀赤レンガ倉庫は、1905年に外国人技師の設計で石油貯蔵庫として建てられた歴史的建造物です(2009年に国の登録有形文化財)。徒歩だと20分以上かかるので、車かJR敦賀駅発の「ぐるっと敦賀周遊バス」(駅から約11分・赤レンガ倉庫停留所下車)を使いましょう。内部には明治後期から昭和初期の敦賀のまちなみを再現した「鉄道と港のジオラマ館」とレストラン館が入っています。
ジオラマ館の入館料は大人400円、小学生以下200円。営業は9:30〜17:30(最終入館17:00)で、水曜(祝日の場合は翌日)と年末年始が休館です。駐車場は乗用車約60台分あります。
人道の港 敦賀ムゼウムで平和の歴史を学ぶ
赤レンガ倉庫から徒歩圏内にある人道の港 敦賀ムゼウムは、第二次世界大戦中に敦賀港が果たした人道的な役割を伝える資料館です。杉原千畝の「命のビザ」によりリトアニアから逃れたユダヤ難民や、ポーランド孤児たちが敦賀港に上陸した歴史を、映像や資料を通じて学ぶことができます。
2020年にリニューアルオープンした施設は、最新の映像技術を駆使した展示が充実しており、歴史の重みを深く感じられる空間です。見学の所要時間は約40分〜1時間。開館は9:00〜17:00(入館は16:30まで)、休館日は水曜(祝日の場合は翌日)と年末年始で、入館料は一般500円、小学生以下300円です。旅の途中で立ち止まり、平和について考える貴重な時間となるでしょう。
敦賀でのランチ — 敦賀ラーメンと焼き鯖寿司
敦賀のランチには、地元で愛される敦賀ラーメンがおすすめです。豚骨醤油ベースのスープに中細のストレート麺が特徴で、屋台発祥のラーメン文化が今も街に根づいています。敦賀駅周辺から市内にかけて名店が点在しており、こってりとしたスープと自家製チャーシューの組み合わせは食べ応え十分です。
もうひとつの選択肢は焼き鯖寿司。若狭名物の肉厚な焼き鯖を酢飯にのせたもので、鯖街道の歴史を感じる一品です。敦賀駅の売店や市内の寿司店で購入でき、ドライブのお供にもぴったり。テイクアウトして三方五湖の絶景を眺めながらいただくのも贅沢な楽しみ方です。
1日目午後:三方五湖レインボーラインの絶景ドライブ
敦賀から車で約40分、三方五湖とレインボーラインは若狭エリア随一の景勝地です。三方湖・水月湖・菅湖・久々子湖・日向湖の5つの湖が、それぞれ異なる水質と色合いを持ち、「五色の湖」とも呼ばれています。

かつての三方五湖有料道路は2022年10月に県道へ移管され、現在は「県道三方五湖レインボーライン線」として通行無料で走れます。ただし通行できるのは8:00〜18:00で夜間は通行止め、自転車・徒歩は終日通行できません。鉄道で訪ねる場合はJR美浜駅からタクシーかレンタカーを使ってください。山頂公園(梅丈岳)へは第一駐車場からリフトまたはケーブルカーで上がり、山頂からの360度パノラマは圧巻。晴れた日には三方五湖のすべてと若狭湾の海岸線が一望でき、足湯に浸かりながら絶景を楽しめるテラスもあります。
山頂公園の営業時間は3月1日〜11月30日が9:00〜17:00、12月1日〜2月28日が9:00〜16:30(リフト・ケーブルカーの上り最終便はそれぞれ16:30/16:00)。入園料はリフト・ケーブルカー代を含めて大人(中学生以上)1,000円、小人(小学生)500円、未就学児無料で、これとは別に第一駐車場の駐車料金が普通車800円かかります。チケットの販売は上り最終便の時刻までなので、15時台には到着しておくと安心です。
三方五湖の観光所要時間は、レインボーラインのドライブと山頂公園の散策を合わせて約1.5〜2時間。湖畔にはボート遊びや釣りが楽しめるスポットもあり、自然を満喫できます。
1日目夕方:小浜の鯖街道起点を散策して宿へ
三方五湖から車で約30分、小浜と鯖街道の起点の町に到着します。小浜は古くから「御食国(みけつくに)」として朝廷に食材を献上してきた歴史があり、豊かな海の幸と文化遺産に恵まれた町です。鯖街道の起点「いづみ町商店街」では、今も昔ながらの魚屋や惣菜店が並び、港町の活気を感じられます。
小浜での宿泊は、市内の旅館や民宿がおすすめです。若狭湾に面した宿では、新鮮な海の幸をふんだんに使った夕食が自慢。最盛期の10月〜3月には若狭ふぐのコースが楽しめる宿もあります。若狭ふぐは身が引き締まり、てっさ(薄造り)やてっちり(鍋)で味わうと絶品です。
夕食には若狭の郷土料理もぜひ。へしこは鯖を糠漬けにした若狭の伝統的な保存食で、塩気と旨味が凝縮された味わいは日本酒との相性が抜群です。お茶漬けにしても絶品で、小浜の食文化を象徴する一品です。
2日目午前:明通寺の国宝建築と若狭の古寺
2日目の朝は、小浜から車で約15分の明通寺と若狭の古寺めぐりへ。大同元年(806年)に坂上田村麻呂が創建したと伝わる明通寺は、鎌倉時代に建てられた本堂と三重塔がともに国宝に指定されている、福井県唯一の国宝建築を持つ寺院です。
深い山あいに佇む本堂は、檜皮葺の屋根と周囲の自然が調和した美しい佇まい。内部には本尊の薬師如来坐像や降三世明王立像(いずれも重要文化財)が安置されています。三重塔は均整のとれた優美なシルエットで、新緑や紅葉の季節には一層の風情を楽しめます。参拝の所要時間は約40分〜1時間。拝観料は大人500円、小学生250円で、拝観時間は9:00〜17:00(12月〜2月は16:30まで)、年中無休です。
若狭地方は「海のある奈良」とも呼ばれ、平安時代から鎌倉時代にかけての古寺が数多く残っています。時間があれば、神宮寺(お水送り)や萬徳寺(書院庭園)なども訪れてみてください。
2日目:鯖街道の宿場町・熊川宿を歩く
明通寺から車で約30分、熊川宿は若狭と京都を結ぶ鯖街道最大の宿場町です。重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、江戸時代の町家や蔵が連なる約1キロメートルの街並みが美しく保存されています。
街道沿いには清らかな水が流れる「前川」が通り、かつて荷物の積み替えや商人たちの休憩に使われた「番所」の跡も残っています。昭和15年の旧熊川村役場を活用した若狭鯖街道熊川宿資料館「宿場館」では、鯖街道の歴史や当時の暮らしを知ることができます。入館料は大人200円、中学生以下無料。開館は4月〜10月が9:00〜17:00、11月〜3月が9:00〜16:00で、月曜と年末年始が休館です。
鯖街道は若狭で獲れた鯖を一塩して京都まで運んだ道で、「京は遠ても十八里」と謳われました。徒歩で丸一日かけて運ぶうちに、ちょうどよい塩加減になったという逸話が有名です。熊川宿の散策所要時間は約40分〜1時間。街並みを歩きながら、往時の賑わいに思いを馳せましょう。
瓜割の滝 — 若狭の名水に癒される
熊川宿から車で約15分、瓜割の滝と若狭の名水は、昭和60年に環境庁(当時)の「昭和の名水百選」に選ばれた美しい湧水スポットです。若狭瓜割名水公園として整備され、入園は無料(入園自由)で、滝はいつでも見学できます。「瓜割」の名は、水があまりに冷たくて瓜が割れるほどという言い伝えに由来しています。
天徳寺の境内奥にある瓜割の滝は、苔むした岩の間から清らかな水が流れ落ち、周囲はひんやりとした空気に包まれています。夏でも涼しく、マイナスイオンたっぷりの癒しのスポットです。駐車場と売店は公園入口にあり、散策の所要時間は約20〜30分です。湧き水は持ち帰ることもできますが、その場合は公園入口の売店「名水の里」で採水用の専用シール(1枚300円)を購入し、容器に貼る必要があります。シールは容器1つにつき1枚が必要で(小容量のペットボトル程度なら必須ではありませんが、水を守るための協力が呼びかけられています)、シール代は水汲み場の管理・清掃協力費にあてられます。2回目以降は同じシールを貼った容器を持参すれば無料で水を汲めます。売店の営業は9:00〜17:00ですが、年末〜冬季は不定休のため、水汲みが目的なら事前に営業日を確認してください(滝の見学だけなら入園自由です)。地元の人々も日常的に水汲みに訪れる生活に根ざした名水です。
若狭路のグルメとお土産 — 鯖街道の食文化を味わう
若狭路の旅では、この地域ならではのグルメとお土産も楽しみのひとつです。
焼き鯖寿司は若狭を代表する名物。肉厚の鯖を丁寧に焼き上げ、酢飯と合わせた押し寿司で、香ばしい焼き鯖の風味と酢飯の酸味が絶妙にマッチします。小浜市内のお店や道の駅で購入できるほか、帰りの新幹線のお供にもぴったりです。
お土産には若狭塗箸がおすすめです。小浜は塗箸の生産量日本一を誇り、貝殻や卵殻を漆に埋め込んで研ぎ出す独特の技法で作られた箸は、一膳一膳が唯一無二の美しさ。箸のふるさと館WAKASAでは、若狭塗の層を研ぎ出して自分だけの箸をつくる「研ぎ出し体験」(1,100円・所要約10分・要予約)ができます。開館は9:00〜17:00、木曜休館です。実用的で美しい若狭塗箸は、旅の記念にもギフトにも最適です。
若狭・敦賀1泊2日コースのアクセスと交通情報
このモデルコースは車(レンタカー)での移動が基本です。敦賀駅にはレンタカー各社の営業所があり、新幹線を降りてすぐに出発できます。
敦賀駅までのアクセス:
- 東京から:北陸新幹線で最速3時間6分(東海道新幹線+特急しらさぎで米原乗換なら最速2時間50分)
- 大阪・京都から:特急サンダーバードで約1時間20分(大阪)/ 約50分(京都)
- 金沢から:北陸新幹線で最速57分
- 名古屋から:特急しらさぎで約1時間40分
コース内の車での移動時間:
- 敦賀駅→気比神宮:約5分
- 気比神宮→赤レンガ倉庫:約5分
- 敦賀IC→レインボーライン第一駐車場:28キロ・約40分
- 三方五湖(山頂公園)→小浜:約40分
- 小浜→明通寺:約15分
- 明通寺→熊川宿:約30分
- 熊川宿→瓜割の滝:約15分
- 瓜割の滝→敦賀駅:約30分
車を使わない場合は、敦賀駅・美浜駅・三方駅などと三方五湖・熊川エリアを結ぶ路線バス「ゴコイチバス」が土日祝を中心に運行しています(2026年は4月4日〜12月6日)。ただし山頂公園へは徒歩で入園できないため、バスで最寄りまで来たあとはタクシーの利用が必要です。運行日とダイヤは必ず公式サイトで確認してください。
若狭・敦賀1泊2日モデルコースの旅のポイント
- ベストシーズン:三方五湖の新緑が美しい5月〜6月、紅葉の11月がおすすめ。若狭ふぐの最盛期は10月〜3月で、グルメ目的の旅ならこの時期に。
- 宿泊:小浜市内の旅館・民宿が中心。若狭湾沿いの温泉宿もあり、海を眺めながらの入浴が楽しめます。
- 2日目のランチ:熊川宿周辺の蕎麦店や、若狭町・小浜市内の食事処がおすすめ。道の駅「若狭熊川宿」では地元の食材を使ったメニューが楽しめます。
- 服装:瓜割の滝周辺は夏でも涼しいため、上着があると安心。明通寺や熊川宿は歩きやすい靴で。
- 若狭の祭り:毎年3月2日の「お水送り」(神宮寺)は若狭を代表する行事で、奈良・東大寺の「お水取り」と対になる神事です。この時期に合わせた旅もおすすめです。
周辺の見どころ — 若狭・敦賀コースと合わせて楽しむ
若狭路の旅をさらに広げるなら、敦賀から北上して東尋坊や永平寺を巡るコースとの組み合わせもおすすめです。2泊3日にすれば、福井県の嶺北(北部)と嶺南(南部)の両方を満喫できます。
鯖街道の歴史、国宝の古寺、五色の湖、名水の滝——若狭路には、派手さはなくとも心に深く残る旅の体験が待っています。北陸新幹線の敦賀延伸でアクセスが格段に便利になった今、ぜひ若狭・敦賀の魅力を訪ねてみてください。
若狭・敦賀観光のよくある質問
若狭・敦賀を1泊2日で観光するモデルコースを教えてください。
若狭の鯖街道と熊川宿について教えてください。
三方五湖(ラムサール条約湿地)の見どころとアクセスは?
敦賀赤レンガ倉庫の見学時間と料金は?
写真クレジット:
気比神宮の大鳥居 — Asturio Cantabrio(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
レインボーラインから望む三方五湖 — Asturio Cantabrio(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
















