【2026年8月時点】黒部峡谷トロッコ電車は災害復旧工事のため、2026年9月30日まで宇奈月〜猫又の折り返し運行です(欅平までは行けません)。全線運行の再開は2026年10月1日ですが、再開後も欅平で立ち入れるのは駅前広場の一部・駅舎屋上・ビジターセンターに限られ、欅平ゆきは電話予約のみの受付です。最新の運行状況は黒部峡谷鉄道の公式サイトでご確認ください。
富山県東部の黒部・宇奈月エリアと立山黒部アルペンルートを1泊2日で巡る観光モデルコースをご紹介します。1日目は黒部峡谷トロッコ電車で日本一深いV字峡谷の絶景を楽しみ、宇奈月温泉で疲れを癒します。2日目は立山黒部アルペンルートで標高2,450mの室堂平へ。四季折々の大自然が織りなす圧倒的なスケールの絶景旅を、効率的に楽しめるプランです。

目次
黒部・宇奈月1泊2日観光モデルコースの概要
この1泊2日モデルコースは、富山駅を起点に公共交通機関で巡るプランです。黒部峡谷と立山黒部アルペンルートという、富山県が誇る2大山岳観光ルートを効率よく組み合わせています。以下の時刻は、2026年8月時点で各社が公表しているダイヤ(黒部峡谷鉄道は4月20日〜9月3日ダイヤ、富山地方鉄道は平日ダイヤ、アルペンルートは4月15日〜11月3日ダイヤ)をもとに組んだ一例です。ダイヤは時期・曜日で変わるため、必ず各社の公式時刻表でご確認ください。
1日目のスケジュール:
2日目のスケジュール:
黒部・宇奈月1泊2日コース1日目:魚津埋没林博物館と蜃気楼の街
富山駅からあいの風とやま鉄道に乗り、まずは魚津へ向かいます。所要時間は約30分です。魚津は蜃気楼の街として知られ、春から初夏にかけて富山湾に蜃気楼が出現することがあります。
魚津埋没林博物館と蜃気楼は、約2,000年前の杉の巨木が地中に埋もれた状態で発見された貴重な遺跡を展示する博物館です。水中展示では、地下水に浸かった巨大な樹根を間近に見ることができ、その神秘的な光景は圧巻です。蜃気楼に関する展示コーナーもあり、自然の不思議を体感できます。入館料は一般(高校生以上)640円・小中学生260円で、土日祝は小中学生が無料になります。開館は9:00〜17:00(入館は16:30まで)、所要時間は約1時間が目安です。
魚津駅から徒歩すぐの新魚津駅で富山地方鉄道本線に乗り換え、宇奈月温泉駅へ向かいます。所要時間は約45分〜1時間、運賃は1,080円です。
黒部峡谷トロッコ電車で絶景の渓谷美を満喫
黒部峡谷トロッコ電車は、宇奈月駅から欅平駅までの20.1kmを約1時間20分かけて走る観光列車です。ただし2026年9月30日までは令和6年能登半島地震からの復旧工事のため宇奈月〜猫又の折り返し運行で、鐘釣・欅平までは行けません。日本一深いV字峡谷を縫うように走るトロッコ電車からは、エメラルドグリーンの黒部川、険しい岩壁、数々の橋梁やトンネルなど、手つかずの大自然が織りなす絶景が次々と車窓に広がります。
猫又駅はもともと工事関係者専用で一般の乗降ができない駅ですが、折り返し運行の期間中に限って降りることができ、展望台やフォトフレーム、仮設トイレが設けられています。猫又での休憩約20分を含めて宇奈月〜猫又の往復は約2時間。宇奈月発は8:17が始発で、4月20日〜9月3日は15:19、9月4日〜9月30日は14:56が最終便です。
終点の欅平は、本来なら奥鐘橋から見下ろす峡谷の絶景や猿飛峡への遊歩道散策が楽しめる場所です。ただし全線運行が再開する2026年10月1日以降も工事が続くため、当面は欅平駅前広場の一部と駅舎屋上からの眺め、欅平ビジターセンターの見学に限られます。奥鐘橋・猿飛峡・河原展望台・名剣温泉へは行けません。また10月1日〜11月30日の欅平ゆきはWEB予約ができず、黒部峡谷鉄道お客さまセンター(0765-62-1011/9:00〜16:30)への電話予約のみの取り扱いです。訪問前に公式サイトで最新の立入範囲と予約方法をご確認ください。
トロッコ電車の乗車ポイント:
- 運行期間:2026年は4月20日〜11月30日(冬季運休)
- 料金・運行区間:2026年4月20日〜9月30日は宇奈月〜猫又の折り返し運行(往復 大人2,820円・小児1,420円/所要約2時間)。欅平までの全線運行は2026年10月1日再開で、宇奈月〜欅平 片道 大人2,480円・小児1,240円、宇奈月〜鐘釣 片道 大人1,780円、宇奈月〜黒薙 片道 大人830円(いずれも普通客車)
- 窓付きの「リラックス客車」に乗る場合は、運賃のほかに1回600円の車両券が必要です
- 鐘釣駅・欅平駅で降りてすぐ折り返す場合でも、最低20分の滞在時間が必要です
- 紅葉シーズン(10月下旬〜11月上旬)は大変混雑するため、事前予約がおすすめ
- オープン型の普通客車は風を直接感じられて爽快ですが、秋は防寒対策を忘れずに
宇奈月温泉で過ごす夜:温泉宿と温泉街の楽しみ方
トロッコ電車の旅を終えたら、宇奈月温泉でゆっくりと疲れを癒しましょう。宇奈月温泉は黒部峡谷の玄関口に位置する富山県最大の温泉地で、透明度の高いアルカリ性単純温泉が特徴です。「美肌の湯」とも呼ばれ、つるつるとした泉質が好評です。
温泉街には「延楽」「桃源」「宇奈月グランドホテル」など、黒部峡谷を見下ろす絶景の宿が点在しています。渓谷側の客室からは、四季折々に表情を変える峡谷の風景を楽しめます。宿泊料金は1泊2食付きで1万5千円〜3万円程度が目安です。
夕食後は温泉街を散策してみましょう。宇奈月温泉街にはお湯掛け薬師や足湯「おもかげ」など、夜でも楽しめるスポットがあります。また、温泉街の入口にある「宇奈月温泉総湯 湯めどころ宇奈月」では、日帰り入浴(大人510円・小中学生250円、9:00〜22:00/最終受付21:00)も利用できます。冬季はイルミネーションで温泉街が彩られ、幻想的な雰囲気を楽しめます。
黒部・宇奈月2日目:立山黒部アルペンルートで標高2,450mの世界へ
2日目は早めに宇奈月温泉を出発し、富山駅経由で立山黒部アルペンルートへ向かいます。電鉄富山駅から富山地方鉄道で立山駅まで約1時間〜1時間20分(列車による)。立山駅からケーブルカーと高原バスを乗り継ぎ、標高2,450mの室堂平を目指します。

立山黒部アルペンルートは、立山駅から黒部ダムを経て長野県側の扇沢駅まで、立山ケーブルカー・立山高原バス・立山トンネル電気バス・立山ロープウェイ・黒部ケーブルカー・関電トンネル電気バスの6つの乗り物を乗り継いで北アルプスを横断する、世界有数の山岳観光ルートです。このモデルコースでは富山側から室堂平まで往復するプランですが、時間に余裕があれば黒部ダムまで足を延ばすことも可能です。
室堂平・みくりが池の散策
室堂平は立山黒部アルペンルートの最高地点で、標高2,450mに広がる高山の楽園です。ターミナルから徒歩10分ほどでたどり着く「みくりが池」は、紺碧の水面に立山三山を映し出す絶景スポット。周囲を巡る遊歩道は約1時間のコースで、高山植物や雷鳥に出会えることもあります。
室堂ターミナルから徒歩約15分のみくりが池温泉は日本最高所の天然温泉で、日帰り入浴(大人1,100円・小人800円、受付9:00〜16:00。大人料金には入湯税100円を含む)も利用できます。立山の雄大な景色を眺めながらの温泉は格別の体験です。室堂での滞在時間は2〜3時間を確保すると、みくりが池や地獄谷展望台などの主要スポットをゆっくり楽しめます。
称名滝は探勝バスの時刻に注意
称名滝は落差350mを誇る日本一の大瀑布で、4段に分かれて流れ落ちる水の迫力は圧巻です。立山駅前から称名滝探勝バスで約15分、バス停から滝の展望台まではさらに徒歩約30分かかります。運賃は片道 大人500円・こども250円、2026年の運行期間は5月11日〜11月10日です。
ただし、上の2日目プランに称名滝を組み込むことはできません。探勝バスは1日6往復のみで、立山駅前発が8:30・9:30・10:30・12:40・14:10・15:10、称名滝発が9:00・10:00・11:00・13:10・14:40・15:30。室堂を14時に出て立山駅に戻るのは15時すぎで、最終の15:10発には間に合わず、仮に乗れても折り返しの15:30発までの20分では展望台まで往復できません。称名滝も見たい場合は、室堂を11時台に切り上げて立山駅前12:40発のバスに乗るか、称名滝を別日程に回してください。
雪解けの5〜6月には水量が増し、隣にハンノキ滝(落差497m)が出現することも。滝のしぶきを浴びながらマイナスイオンに包まれる体験は、旅のハイライトとなるでしょう。
黒部・宇奈月1泊2日モデルコースの季節別おすすめ
このモデルコースは季節ごとに全く異なる表情を見せてくれます。訪問時期に合わせた楽しみ方をご紹介します。
春(4月中旬〜6月):雪の大谷と新緑
立山黒部アルペンルートの春の風物詩「雪の大谷」は、室堂付近の道路を除雪して現れる雪の壁です。雪壁の間を歩く「雪の大谷ウォーク」は2026年は4月15日〜6月25日の9:30〜15:00に実施されました(壁の高さは年によって変わります)。トロッコ電車の2026年の運行開始は4月20日で、新緑の渓谷美を楽しめます。
夏(7月〜8月):高山植物とトロッコ電車
室堂平では7月〜8月にかけてチングルマやコバイケイソウなどの高山植物が咲き誇り、天然のお花畑が広がります。トロッコ電車も夏の爽やかな風を感じながらの乗車が快適です。弥陀ヶ原高原ではラムサール条約に登録された湿原の散策も楽しめます。
秋(9月〜11月):紅葉の大パノラマ
室堂平の紅葉は9月下旬〜10月上旬と日本で最も早く始まり、山頂から麓へと徐々に色づいていきます。黒部峡谷の紅葉は10月下旬〜11月上旬が見頃で、トロッコ電車から見る赤・黄・緑のグラデーションは息をのむ美しさです。秋の宇奈月温泉は紅葉露天風呂が格別です。
黒部・宇奈月1泊2日モデルコースのアクセスと旅の費用
主な交通費の目安:
- 富山駅 → 魚津駅(あいの風とやま鉄道):600円
- 新魚津駅 → 宇奈月温泉駅(富山地方鉄道):1,080円
- 黒部峡谷トロッコ電車:宇奈月〜猫又往復2,820円(〜9月30日)/宇奈月〜欅平 片道2,480円・往復4,960円(10月1日〜11月30日)。リラックス客車は別途600円
- 宇奈月温泉駅 → 電鉄富山駅(富山地方鉄道):2,160円
- 電鉄富山駅 → 立山駅(富山地方鉄道):1,420円
- 立山黒部アルペンルート(立山駅〜室堂):片道4,090円・往復7,380円
- 富山地方鉄道の特急列車に乗る場合は、上記の運賃に加えて特急料金が必要です
旅のポイント:
- 室堂平は真夏でも気温10〜15℃程度なので、防寒着を必ず持参しましょう
- アルペンルートは混雑期(GW・お盆・紅葉シーズン)はWEBきっぷの事前予約がおすすめ
- トロッコ電車も紅葉シーズンは事前予約必須です
- 2日目は荷物を富山駅のロッカーに預けてから出発すると身軽に動けます
- 黒部ダムまで足を延ばす場合は、立山駅〜黒部湖が片道9,140円・往復16,480円、長野側の扇沢まで通り抜けると片道10,940円です
2026年10月2日始動「黒部宇奈月キャニオンルート」
欅平から黒部ダムまでの工事用ルートを一般に開放する「黒部宇奈月キャニオンルート」は、令和6年能登半島地震の影響で延期されていましたが、2026年10月2日にツアーとして始動します。個人での通行はできず、旅行会社が販売するツアー商品に参加する形のみの受付です。旅行商品は2026年7月23日から全国の旅行会社で販売されています。参加を検討する場合は、旅行会社または富山県の公式観光サイトで最新の募集状況をご確認ください。
黒部・宇奈月コースの周辺の見どころと延泊プラン
この1泊2日コースをさらに延泊して楽しむなら、3日目に富山市内観光を組み合わせるのがおすすめです。富山城や環水公園、富山市ガラス美術館などを路面電車で巡り、富山湾鮨で旅の締めくくりを。また、雨晴海岸から望む立山連峰の絶景や、高岡の国宝・瑞龍寺と高岡大仏、五箇山の合掌造り集落を巡る日帰りコースも組み合わせれば、富山県の魅力をたっぷりと満喫できる充実の旅になります。
黒部・宇奈月1泊2日のよくある質問
黒部・宇奈月温泉を1泊2日で観光するモデルコースを教えてください。
宇奈月温泉の旅館の料金目安と予約方法は?
立山黒部アルペンルートと黒部峡谷トロッコ電車の違いは?どちらがおすすめですか?
黒部峡谷トロッコ電車は2026年、欅平まで行けますか?
写真クレジット:
黒部峡谷鉄道のトロッコ電車 — Hiroyuki Mori(Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0)
室堂平から望むみくりが池と立山 — Alpsdake(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)















