富山市の西部に位置する呉羽山の緑豊かな丘陵地に、富山市民俗民芸村は広がっています。約3万坪の敷地内に9つの文化施設が集まるこのユニークな博物館群は、越中富山の暮らし・文化・芸術を多角的に紹介するスポットです。売薬資料館、篁牛人記念美術館、陶芸館など、それぞれ個性的なテーマを持つ施設を巡りながら、富山の歴史と伝統を深く知ることができます。四季折々の自然の中を散策しながらの文化体験は、富山観光の穴場としておすすめです。

富山市民俗民芸村の概要 — 呉羽山に集まる9つの博物館

富山市民俗民芸村の茅葺き屋根の民芸合掌館
富山市民俗民芸村の民芸合掌館(Photo: tsuda / CC BY-SA 2.0)

富山市民俗民芸村は1965年に開村し、以来富山市民の文化拠点として親しまれてきました。現在の9施設は、民俗資料館民芸館民芸合掌館考古資料館売薬資料館篁牛人記念美術館茶室 円山庵陶芸館とやま土人形工房で構成されています。それぞれの建物が呉羽山の自然の中に点在しており、散策路でつながっています。全施設を巡る共通券も販売されており、所要時間は2〜3時間程度。呉羽山展望台からの立山連峰の眺望とあわせて半日コースで楽しむのが理想的です。

富山市民俗民芸村の売薬資料館 — 越中富山の薬売りの歴史

民俗民芸村の中でも特に人気の高い施設が売薬資料館です。「越中富山の薬売り」として全国に知られた富山の薬売りの歴史と文化を、豊富な資料とともに紹介しています。江戸時代から続く「先用後利(せんようこうり)」の独自の商法、薬売りが持ち歩いた柳行李(やなぎごうり)や薬箱、懸場帳(かけばちょう)などの実物資料が展示されており、富山の薬業が全国の家庭に根付いていった様子を生き生きと伝えています。薬売りがお得意先に配った紙風船や版画などのおまけ文化も興味深い展示です。

富山市民俗民芸村の篁牛人記念美術館と考古資料館

篁牛人(たかむらぎゅうじん)記念美術館は、富山市出身の異色の水墨画家・篁牛人の作品を専門に展示する美術館です。渇筆(かっぴつ)と呼ばれる独自の画法で描かれた力強い水墨画は、従来の日本画の枠を超えた迫力があり、一見の価値があります。考古資料館では、富山県内の遺跡から出土した縄文土器や弥生土器、古墳時代の副葬品などが展示されており、越中地方の古代の暮らしに思いを馳せることができます。特に富山市内で発掘された王塚古墳の出土品は見ごたえがあります。

富山市民俗民芸村の陶芸館と民芸の体験

陶芸館では、富山県の伝統的な焼き物である越中瀬戸焼をはじめ、各地の民芸陶器が展示されています。併設の工房では陶芸体験教室が開催されており、手びねりやろくろを使った作陶を楽しむことができます。民芸館民芸合掌館では、五箇山から移築した合掌造りの建物の中に、越中の民芸品や生活用具が展示されています。茅葺き屋根の重厚な空間で、昔の暮らしの道具や手仕事の美しさに触れることができます。とやま土人形工房では、富山の郷土玩具である土人形の絵付け体験も楽しめます。

富山市民俗民芸村が立つ呉羽山の自然と周辺の見どころ

呉羽山展望台から望む冬の富山市街地と北アルプス立山連峰
呉羽山から望む富山市街と立山連峰(Photo: タチヤマカムイ / CC BY-SA 4.0)

民俗民芸村が立つ呉羽山は、富山市街地の西側に南北に延びる丘陵で、古くから市民の憩いの場として親しまれてきました。呉羽山展望台からは富山市街地の向こうに立山連峰の3,000m級の山々が一望でき、富山を代表するパノラマスポットです。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季を通じて美しい散策が楽しめます。民俗民芸村から展望台までは徒歩15分ほどで、博物館巡りとあわせて自然散策を楽しめるのが魅力です。市街地に戻れば富山城や環水公園も近く、富山観光の充実した一日を過ごすことができます。

富山市民俗民芸村へのアクセス・料金・駐車場情報

富山市民俗民芸村は、JR富山駅からバスで約20分、「呉羽山公園」バス停下車すぐです。車の場合は北陸自動車道の富山ICから約15分で、無料駐車場が完備されています。入館料は施設ごとに異なりますが、全施設共通券(大人530円)を購入するのが便利でお得です。開館時間は9:00〜17:00(入館は16:30まで)で、年末年始を除きほぼ通年開館しています。呉羽山の散策路は無料で歩くことができ、呉羽山展望台や呉羽山公園とあわせて訪れるのがおすすめです。

富山市民俗民芸村は、呉羽山の丘陵地に博物館群が点在するユニークな野外型文化施設です。陶芸・民俗・民芸・売薬などテーマの異なる9つの博物館が散策路で結ばれており、半日かけてゆっくり巡ることで富山の暮らしと文化の深さが見えてきます。「越中一薬種業」として全国に根ざした富山の売薬文化(配置薬)や、越中瀬戸焼などの民芸品の歴史は、富山の独自性を知るうえで欠かせない視点です。

施設名富山市民俗民芸村(9施設の博物館群)
所在地富山県富山市安養坊1156
開館時間9:00〜17:00(各館により異なる)
入館料各館個別(共通券あり。1館210円〜)
アクセス(電車)JR富山駅から富山地鉄バス「民俗民芸村」下車すぐ
アクセス(車)北陸自動車道 富山ICから約5分
所要時間1〜3時間(見学する館数による)

写真クレジット:
富山市民俗民芸村の民芸合掌館 — tsuda(Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0)
呉羽山から望む富山市街と立山連峰 — タチヤマカムイ(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)

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よくある質問

富山市民俗民芸村とはどんな施設ですか?
富山市民俗民芸村(富山市呉羽山)は呉羽丘陵の中に9つの博物館・資料館が集まる複合文化施設です。9館は①考古資料館②民俗資料館③売薬資料館(富山の薬売り文化)④民芸館⑤茶室⑥陶芸館⑦合掌造家屋(移築展示)⑧農具館⑨人形館で構成されています。越中の歴史・民俗・工芸・売薬業を一度に学べる施設として地元の小学校の遠足・観光客に利用されています。入館料:300〜500円程度(館によって異なる)。呉羽山公園・呉羽山展望台に隣接しており、立山連峰を望む展望台からの眺めも楽しめます。
富山の「売薬(売薬業・配置薬)」の文化とは?
富山の配置薬(売薬・おきぐすり)は江戸時代から続く富山県独特のビジネスモデルで、「先用後利(せんようごり)」(お客様が使った分だけ後で代金を受け取る)方式で全国の家庭に薬を置いて回る商売です。富山藩主・前田利次公が1690年代に江戸で富山の薬の効能をアピールしたことが全国展開のきっかけとされます。薬売りが置いていく「紙風船・おもちゃ」が子供に喜ばれた文化的側面もあります。現在も富山の製薬会社(富山化学・インタック等)が配置薬事業を継続しており、富山市の「売薬資料館」で歴史が学べます。
富山市民俗民芸村へのアクセスと見学時間は?
富山市民俗民芸村(富山市呉羽山)へのアクセスは①路面電車:富山地鉄「呉羽」または「インテック本社前」下車・丘陵まで徒歩20〜30分②バス:富山駅から呉羽方面バスで民芸村入口下車③車:富山駅から約15分・民芸村近くに駐車場(無料)です。全9館を見学する場合は3〜4時間程度が必要です。営業時間:9:00〜17:00(館によって異なる)・月曜休(祝日の場合は翌日)。呉羽山展望台(徒歩5分)と組み合わせた観光がおすすめです。
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