【2026年8月時点】能登地方は令和6年能登半島地震からの復旧途上にあり、施設の営業時間・料金・休業の状況が変わることがあります。とくに能登半島を走るルートは道路の通行規制や店舗・宿の休業が残っています。お出かけ前に、各施設の公式サイトや電話で最新の状況をご確認ください。

日本海の潮風を浴びながら海岸線を走り、里山の棚田や湖畔の静かな道をペダルで進む。北陸三県(石川・富山・福井)には、初心者からロングライド経験者まで幅広いサイクリストを魅了するコースが数多く整備されています。能登半島を一周する400kmの壮大なルート、富山湾越しに立山連峰を望む絶景の湾岸コース、三方五湖や若狭湾を巡る福井のレイクサイド&シーサイドルートなど、その多彩さは全国でもトップクラスです。本記事では、北陸のおすすめサイクリングコースを県別に徹底解説し、レンタサイクル情報やベストシーズン、装備のポイントまでまとめてお届けします。

雨晴海岸から望む富山湾と立山連峰
雨晴海岸と立山連峰(Photo: ドルチェ at Japanese Wikipedia / Wikimedia Commons / CC BY 3.0)

北陸がサイクリストに愛される理由

北陸がサイクリングの目的地として支持される最大の理由は、「海・山・湖」の三拍子が揃った景観の変化に富んだ走行環境にあります。石川県の能登半島では日本海の断崖や漁村の原風景を間近に感じながら走ることができ、富山県では富山湾岸に沿ったフラットなコースから立山連峰の3,000m級の山岳パノラマを一望できます。福井県に足を延ばせば、リアス式海岸の若狭湾やラムサール条約登録湿地の三方五湖が待っています。

また、北陸は自転車インフラの整備にも力を入れている地域です。「ツール・ド・のと400」をはじめとするサイクリングイベントの開催実績が長く、休憩ポイントやサイクルステーションの整備も進んできました。ただし能登半島では震災の影響で休止中の拠点が残っており、震災前と同じ密度で立ち寄れるわけではありません。富山湾岸サイクリングコースはナショナルサイクルルートに選定されており、道路標識やルートマップが整備されています。さらに、各地でレンタサイクルやシェアサイクルの導入が進み、マイバイクを持ち込まなくても気軽にサイクリングを始められる環境が整っています。海鮮丼や越前がに、加賀料理といったグルメも、ライド途中の大きな楽しみです。

北陸のサイクリングコース — 石川県

石川県は能登半島という日本海に大きく突き出た半島を有し、変化に富んだ海岸線がサイクリストの冒険心を刺激します。ロングライドから半日で楽しめるショートコースまで、レベルに応じた多彩なルートが揃っています。

能登半島一周400kmサイクリングコース

能登金剛・巌門の岩壁
能登金剛(Photo: Motokoka / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)

能登半島の外周をぐるりと一周する約400kmのロングライドコースは、北陸サイクリングの代名詞ともいえる存在です。羽咋市をスタートし、外浦(日本海側)の荒々しい断崖絶壁を北上、能登半島の先端・禄剛埼灯台を経て、内浦(富山湾側)の穏やかな入り江を南下するのが定番ルートでした。

ただし2026年現在、このルートをそのままなぞれる前提では計画できません。外浦側の大動脈である国道249号(輪島市門前町〜珠洲市)は2024年12月に全線で通行できるようになりましたが、その後も本復旧工事のため片側交互通行・迂回路・時間帯規制が各所に残っています。走行前に石川県の「石川みち情報ネット」や国土交通省の道路情報で規制区間を確認し、通行止め時の迂回を含めた行程を組んでください。コンビニ・自販機・宿・自転車店も震災前の密度には戻っていないため、補給と宿の確保は余裕をもって計画する必要があります。

外浦では巌門や機具岩といった奇岩の名勝を眺めながら走れます。輪島の朝市通りは2024年1月の火災で焼失し、朝市そのものは現地では再開していません。現在は「出張輪島朝市」がワイプラザ輪島店で9:00〜13:00(水曜休)に開かれており、輪島で買い物をするならこちらが目的地になります。白米千枚田は見学自由で、震災と2024年9月の豪雨で大きな被害を受けたものの、2026年春の田植えでは震災前1,004枚のうち約480枚まで作付けが回復しました。内浦に回ると穏やかな海面と漁港集落が続き、九十九湾や能登島への寄り道もできます。3泊4日〜5泊6日で走るサイクリストが多いルートですが、宿の営業状況は事前確認が必須です。「ツール・ド・のと400」も震災後はコース構成が見直され、第38回(2026年)は9月21日(月・祝)の金沢コース(一日コース約130km/ハーフコース約70km)と、9月22日(火・振休)の能登コース(輪島市→珠洲市→輪島市、約100km)の2日間開催です。能登半島を3日間かけて一周する従来の形ではありません。参加費は金沢コース15,000円、金沢ハーフコース10,000円、能登コース15,000円、2日間通しで28,000円(小中高校生は半額)、申込締切は2026年8月31日必着です。参加を考える場合は大会公式サイトで最新の要項を確認してください。詳しいルート情報は能登半島一周400kmのサイクリングコースと見どころガイドをご覧ください。

千里浜なぎさドライブウェイ・サイクリングコース

羽咋市から宝達志水町にかけて約8km続く千里浜なぎさドライブウェイは、日本で唯一、車やバスが砂浜の上を走れることで知られる海岸道路です。羽咋市によれば、ここはバス・自動車・オートバイのほか自転車も走る道で、波打ち際を自転車で駆け抜ける体験ができます。ただし固く締まっているのは水を含んだ部分だけで、市も「砂が白くなったところはタイヤがはまることがある」と注意を促しています。細いタイヤのロードバイクは走行ラインを選ぶ必要があり、太めのタイヤの自転車のほうが安心です。また西向きの風が吹くと波が走行路に寄せて通行できなくなるため、出発前に「石川みち情報ネット」の観光道路情報で「通行止」「一部通行可」「規制なし」を確認してください(問い合わせ:羽咋土木事務所 0767-22-1225)。

千里浜を起点に、気多大社や妙成寺といった歴史スポットを巡る周回コースを組むこともできます。片道約30分の砂浜ライドの後、県道を使って内陸側を戻れば約25kmのショートコースが完成します。能登半島一周の序盤区間としても組み込めるため、ロングライドのウォーミングアップにも最適です。夕暮れ時には日本海に沈む夕日をバックに走る幻想的な景色が広がり、北陸サイクリングのハイライトの一つとなるでしょう。

加賀海岸サイクリングコース

石川県の南部、加賀市から小松市にかけての加賀海岸エリアも、サイクリングにおすすめのルートです。海沿いの専用道として整備されているのは「小松加賀健民自転車道」(一般県道小松加賀自転車道線)で、小松市吉竹町の憩いの森から安宅関址公園を経て加賀市片野町まで、延長26.7kmが海岸線に沿って続きます。ゴール側の片野海岸や、その先の加佐ノ岬まで足を延ばせば、白砂の浜と奇岩の景観を楽しめます。片山津・山代・山中の加賀温泉郷は自転車道の沿線ではなく内陸側にあるため、走行後に立ち寄るなら一般道での移動が必要です。

自転車道だけなら片道26.7km。往復や加佐ノ岬などへの寄り道を加えて30〜50km程度のプランが組め、起伏も比較的少ないため初心者にも走りやすいコースです。山中温泉まで足を延ばせば、鶴仙渓の遊歩道やこおろぎ橋といった渓谷美も楽しめます。加賀温泉駅を起点にすれば、北陸新幹線からのアクセスも良好です。能登半島ドライブコース完全ガイドと併せて、石川県の南北を自転車で制覇するプランも検討してみてはいかがでしょうか。

北陸のサイクリングコース — 富山県

富山県のサイクリングは、なんといっても富山湾越しに見える立山連峰の絶景が最大の魅力です。ナショナルサイクルルートにも選ばれた湾岸コースを中心に、初心者でも安心して走れるフラットなルートが充実しています。

富山湾岸サイクリングコース(ナショナルサイクルルート)

富山湾岸サイクリングコースは、氷見市から朝日町までの延長約102kmにわたって富山湾沿いを走るルートで、2021年5月31日に国土交通省からナショナルサイクルルートに指定されました。コース全体を通じて立山連峰の雄大な山並みが富山湾の向こうに見え、特に晴天の日には海越しの3,000m級の山岳パノラマという世界的にも珍しい景色を楽しむことができます。

全体的にフラットな海岸沿いのルートのため、ロードバイク初心者やファミリーでも走りやすいのが特徴です。コース沿いにはサイクルステーションが設置されており、空気入れや工具の貸し出し、トイレ・休憩スペースが利用できます。新湊大橋の自転車歩行者道からは、両側に広がる富山湾と立山連峰の360度パノラマが圧巻です。魚津市ではミラージュランド周辺の海岸を走り、蜃気楼が発生する海面を眺めることもあります。途中の漁港では、白えびやホタルイカ、寒ブリといった富山湾の旬の魚介を味わえる食堂が点在しており、グルメライドとしても大いに楽しめます。

氷見・雨晴海岸サイクリングコース

富山湾岸コースの中でも特に人気が高いのが、氷見市から高岡市にかけての区間です。雨晴海岸は、富山湾越しに立山連峰を望む絶景スポットとして全国的に知られ、「日本の渚百選」にも選ばれています。義経岩や女岩を前景に、背後に雪を頂いた立山連峰が広がる光景は、まさに絵画のような美しさです。

氷見市の中心部をスタートし、氷見漁港で朝獲れの海鮮丼を朝食に食べてから走り出すのがおすすめです。雨晴海岸までは約15kmの平坦なルートで、途中には氷見の番屋街や海岸沿いの松林を通過します。雨晴海岸からさらに南下すれば、氷見線の線路沿いを走る区間があり、タイミングが合えばローカル列車と並走する写真映えスポットもあります。往復約30kmのショートコースで、半日で気軽に楽しめるのもポイントです。高岡市側では高岡大仏や瑞龍寺にも立ち寄れます。

北陸のサイクリングコース — 福井県

福井県は、リアス式海岸の若狭湾エリアと日本海に面した越前海岸エリアの2つの個性的な海岸線を持ち、それぞれ異なるサイクリング体験を提供しています。湖畔のサイクリングロードも整備されており、穏やかなライドを楽しみたい方にもおすすめです。

若狭路サイクリングコース — 若狭湾沿いと鯖街道

若狭路サイクリングは、若狭湾の美しいリアス式海岸と、京都へ鯖を運んだ歴史ある鯖街道を自転車で巡るコースです。敦賀市から小浜市にかけての若狭湾沿いルートは、入り江と岬が交互に現れる変化に富んだ海岸線が特徴で、透明度の高い海と青い空のコントラストが圧巻です。

小浜市は古くから「御食国(みけつくに)」と呼ばれた食の都で、焼き鯖やへしこ、小浜の刺身など、ライド途中のグルメスポットには事欠きません。鯖街道(若狭街道)を内陸に向かうルートを選べば、山間の集落や熊川宿の歴史的な町並みを自転車で巡ることもできます。距離は若狭湾沿いの片道約60km、鯖街道ルートは約40kmで、1泊2日で両方を楽しむプランが人気です。

三方五湖周回サイクリングコース

三方五湖は、若狭町と美浜町にまたがる5つの湖(三方湖・水月湖・菅湖・久々子湖・日向湖)の総称で、それぞれの湖が異なる水深と塩分濃度によって異なる色に見えることから「五色の湖」とも呼ばれています。この三方五湖を周回するサイクリングコースは、約25〜30kmの距離で起伏も少なく、初心者やファミリーに最適なルートです。

湖畔の静かな道を走りながら、梅林や水鳥の群れ、対岸の山々を眺める穏やかなライドが楽しめます。三方湖畔には縄文時代の遺跡「鳥浜貝塚」があり、若狭三方縄文博物館で歴史を学ぶこともできます。レインボーラインの山頂公園からは五湖と若狭湾を一望するパノラマが広がりますが、山頂へ向かう県道三方五湖レインボーライン線は自転車・徒歩では通行できません(公式サイトはタクシーやレンタカーの利用を案内しています)。山頂公園に立ち寄るなら、サイクリングとは別の行程で組んでください。入園料はリフト・ケーブルカー代を含めて大人(中学生以上)1,000円・小人(小学生)500円、営業時間は3月1日〜11月30日が9:00〜17:00、12月1日〜2月28日が9:00〜16:30です。梅の花が咲く3月、新緑の5月、紅葉の11月が特におすすめの時期です。

越前海岸サイクリングコース

越前海岸は、福井市から越前町・南越前町にかけて約80kmにわたって続く日本海沿いの海岸線で、断崖絶壁と奇岩が織りなすダイナミックな景観がサイクリストを魅了します。国道305号をメインルートとして走るこのコースでは、越前岬灯台や呼鳥門のトンネル状の巨岩といった名勝を次々と巡ることができます。柱状節理で知られる東尋坊は同じ国道305号沿いですが、越前海岸区間より北の坂井市三国町にあり、あわせて回る場合は福井市から北へ30km以上の走行が加わります。

冬季には越前水仙の群生地として知られるエリアを通過し、12月〜2月には海風に揺れる水仙の花畑を見ながら走れます。越前海岸の観光スポットについての詳細も参考にしてください。越前がにのシーズン(11月〜3月)には、漁港の食堂で新鮮な越前がに料理を堪能できるのも大きな魅力です。アップダウンがやや多いため中級者以上向けですが、その分達成感のあるライドが楽しめます。福井駅からのアクセスも良く、日帰りでも十分に楽しめるコースです。

北陸のレンタサイクル・シェアサイクル情報

マイバイクを持っていなくても、北陸ではレンタサイクルやシェアサイクルを利用して気軽にサイクリングを楽しめます。主要な拠点をご紹介します。

石川県では、金沢市の公共シェアサイクル「まちのり」が広く利用されています。金沢駅や兼六園周辺を含む市内各所にポートが設置されており、1回会員は最初の30分165円、30分を超えるごとに165円ずつ加算。時間を気にせず使いたい日は、販売窓口で購入できるICカードつきの1日パス1,650円が便利です。能登エリアでも駅や観光施設でレンタサイクルの貸し出しがありますが、震災の影響で貸出を休止している拠点もあります。利用予定の場所ごとに、事前に運営者へ確認してください。

富山県では、富山市の「アヴィレ」が先進的なシェアサイクルシステムとして知られています。市中心部に23か所のサイクルステーションがあり、365日いつでも借りて返せます。料金は30分までは無料で、31〜60分は200円、61分以降は30分ごとに500円が加算される仕組みです。申し込みは専用アプリ、または市内15か所の申込み施設の窓口で。2日パス500円・7日パス1,000円(いずれもアプリ+クレジットカード)、1日パス500円(窓口+現金、別途デポジット500円)が用意されています。富山湾岸サイクリングコースの起点となる氷見市では、氷見市漁業文化交流センターがロードレーサー仕様の自転車17台を1日500円(9:00〜16:00)で貸し出しています。高岡市は高岡駅観光案内所・新高岡駅観光交流センター・高岡古城公園(三の丸茶屋)・山町ヴァレーの4か所が窓口で、普通自転車は1回300円(10:00〜16:00)、電動アシスト自転車はHELLO CYCLING経由で30分300円・以降15分ごとに200円加算(12時間まで3,000円)です。高岡市のレンタサイクルは4月1日〜11月30日の期間限定で、冬季は休業します。

福井県では、敦賀市の「つるがシェアサイクル」が敦賀駅・氣比神宮前・敦賀赤レンガ倉庫など市内19か所のポートに電動アシスト自転車60台を配置しています(1回会員は1時間220円、以降30分ごとに110円追加、1日上限1,650円)。小浜市は小浜市インフォメーションセンター(JR小浜駅前)で電動アシスト12台を貸し出し、1時間以内300円・3時間以内700円・6時間以内1,300円。三方五湖の周回に使うなら、JR三方駅(きらやま茶屋)の電動アシスト10台が4時間以内800円、道の駅三方五湖ではクロスバイク5台が3時間以内1,500円・ロードバイク3台が7時間以内5,000円、美浜町レイクセンターの電動アシスト4台が4時間未満800円です(いずれも福井県のレンタサイクル一覧・2026年4月1日時点)。北陸新幹線の敦賀延伸により、東京方面からのアクセスが大幅に向上しており、日帰りや1泊2日のサイクリング旅行がより計画しやすくなりました。なお、各レンタサイクルの料金や予約方法は季節や在庫状況により変動するため、事前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

北陸のサイクリングの季節とベストシーズン

北陸のサイクリングのベストシーズンは、春(4月〜5月)と秋(9月〜11月)です。それぞれの季節の特徴を押さえて、最適な時期にライドを計画しましょう。

春(4月〜5月)は、桜並木や菜の花畑を眺めながら走れる爽やかな季節です。気温は15〜22度前後で、サイクリングに最も適した気候といえます。能登の桜は4月中旬〜下旬が見頃で、能登鹿島駅の桜トンネルは必見です。富山県では立山連峰の残雪と新緑のコントラストが美しく、湾岸コースの景観が最も映える時期でもあります。三方五湖周辺では3月〜4月に梅の花が咲き誇り、ピンクに染まった湖畔を走ることができます。

夏(6月〜8月)は、梅雨の6月〜7月前半を避ければ走行可能ですが、日本海側特有の高温多湿に注意が必要です。早朝や夕方のライドがおすすめで、千里浜の夕暮れライドは格別の体験になります。海水浴場が多いエリアでは、ライド後に海で涼むこともできます。

秋(9月〜11月)は、涼しく安定した天候でロングライドに最適な季節です。10月〜11月は紅葉シーズンで、能登の里山や越前海岸の山間部が赤や黄色に染まります。秋は越前がにの解禁(11月6日)とも重なり、グルメライドの魅力が倍増します。「ツール・ド・のと400」も秋の開催(2026年は9月21日・22日)なので、イベント参加を目標にするのもおすすめです。

冬(12月〜3月)は、北陸特有の曇天と積雪があり、本格的なサイクリングには不向きです。ただし、越前海岸の水仙ライド(12月〜2月)や、降雪が少ない日の富山湾岸ショートライドなど、上級者であれば冬ならではの景色を楽しむこともできます。路面凍結には十分注意してください。

北陸サイクリングの装備と注意点

北陸でのサイクリングを安全かつ快適に楽しむために、以下の装備と注意点を押さえておきましょう。

基本装備として、ヘルメットの着用は必須です。2023年4月から全年齢でヘルメット着用が努力義務となっており、安全のために必ず装着しましょう。グローブは振動を吸収し手のひらを保護する役割があり、ロングライドでは必需品です。サングラスは日差しだけでなく、海風で飛んでくる砂や虫からも目を守ります。パンク修理キット・携帯ポンプ・予備チューブは、特に能登半島のように自転車店が少ないエリアでは必携です。

ウェアは、季節に応じたレイヤリングが重要です。北陸は天候が変わりやすく、晴れていても急な雨に見舞われることがあるため、コンパクトに収納できるレインウェアは必ず携行しましょう。春秋はウィンドブレーカー、夏は速乾性の高いサイクルジャージ、冬は防風・保温性の高いウィンターウェアが必要です。日焼け対策として、アームカバーや日焼け止めも忘れずに持参してください。

補給と水分については、能登半島の外浦側や越前海岸の一部区間では、コンビニや自動販売機が少ないエリアがあります。ロングライドでは、ボトル2本体制で出発し、補給食(エナジーバーやジェル)を携帯することをおすすめします。特に夏場は脱水症状のリスクが高いため、こまめな水分補給を心がけてください。

交通安全の面では、国道沿いを走る区間では大型トラックとの並走に注意が必要です。越前海岸の国道305号や能登の幹線道路では道幅が狭い箇所があるため、後方確認を怠らないようにしましょう。とくに能登では復旧工事にともなう片側交互通行や路面の段差が残る区間があり、工事車両の通行も多いので速度を落として走ってください。トンネル内ではフロントライトとリアライトを必ず点灯し、反射ベストの着用も推奨します。また、能登半島の海沿いでは横風が強い日があり、ディープリムホイールを使用している場合はハンドルを取られないよう注意してください。

輪行・アクセスについて、北陸新幹線を利用すれば東京から金沢まで約2時間半、敦賀まで約3時間でアクセスできます。輪行袋に自転車を収納すれば新幹線にも持ち込み可能です。のと鉄道は2024年4月に令和6年能登半島地震の被害から全線で運転を再開し、その後の大雨による一部区間の運休を経て2025年8月25日に再び全線での運転に戻りました。輪行袋に収めれば列車での移動と組み合わせられます(自転車をそのまま持ち込めるサイクルトレインの常時運行は案内されていないため、分解せず載せたい場合は事前に鉄道会社へ確認してください)。JR氷見線でも輪行袋を使えば、片道は列車・片道は自転車というプランが組めます。車でアクセスする場合は、道の駅やサイクルステーションの駐車場を起点にするのが便利です。北陸の美しい風景の中を自転車で駆け抜ける体験は、きっと忘れられない旅の思い出になるはずです。ぜひ自分のペースで、北陸サイクリングの魅力を満喫してください。

北陸サイクリングのよくある質問

北陸の初心者向けおすすめサイクリングコースはどこですか?
初心者向けには、金沢市内(金沢城〜兼六園〜茶屋街周辺・平坦で短距離)、富岩運河環水公園周辺(富山市中心部・平坦)、小浜・若狭湾岸の海岸線ルートが取り組みやすいです。各都市で電動アシスト付きレンタサイクルが利用できることが多く、坂や向かい風でも体力の負担を抑えられます。初めてなら片道10〜20km前後の区間を選ぶのが安心です。
能登一周(ツール・ド・のと)のサイクリングコースはどのくらいの距離ですか?
金沢起点で能登半島を一周する場合、全長はおおよそ470km前後となり、一般には3〜5日かけて走るプランが多いです。大会「ツール・ド・のと400」は本来、総距離約400km超を3日間で走る長距離イベントですが、能登半島地震後は開催形態が短縮される年もあります(2026年は9月21日・22日の2日間開催)。初心者は七尾〜輪島など一部区間から始めるのがおすすめです。のと里山海道は自動車専用道路のため一般自転車は進入できません。道の駅やコンビニが少ない区間もあるため、補給計画が重要です。
富山湾岸サイクリングコースの見どころと距離は?
富山湾岸サイクリングコースは、氷見市から朝日町方面まで富山湾沿いを結ぶルートで、全長は約102kmです(ナショナルサイクルルート)。見どころは雨晴海岸(立山連峰と富山湾の展望)、新湊大橋周辺、富岩運河環水公園など。全区間一気走りは体力のある方向けで、区間ごとに区切って楽しむのが一般的です。富山市のサイクルステーション等でレンタサイクルや補給の拠点を確保できます。
能登でサイクリングするとき、地震復旧の影響で注意することは?
能登では道路の復旧工事に伴う片側交互通行や路面の段差、工事車両の通行が続く区間があります。国道沿いでは大型車との並走にも注意し、トンネル内はライト点灯と反射材の着用を心がけてください。通行止めや迂回は日々変わるため、出発前に自治体や道路情報を確認し、余裕のある走行計画を立てましょう。

写真クレジット:
雨晴海岸と立山連峰(Wikimedia Commons)
能登金剛(Wikimedia Commons)

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わっか北陸編集部
HOKURIKU TRAVEL GUIDE
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