石川県羽咋市(はくいし)は、能登半島の入口に位置する自然・歴史・ロマンに満ちた街です。日本で唯一車で走れる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」、能登国一宮の気多大社、本物の宇宙船が展示されるコスモアイル羽咋、そして白鳥やカモが飛来する邑知潟(おうちがた)の田園風景。古墳時代の史跡から江戸時代の名刹、UFO伝承にいたるまで、小さな市域に驚くほど多彩な魅力が詰まっています。この記事では、羽咋市の観光スポット・グルメ・歴史・自然をまるごとご紹介します。

千里浜なぎさドライブウェイ — 羽咋市が誇る日本唯一の砂浜ドライブ

羽咋市の千里浜なぎさドライブウェイで波打ち際を走る車
千里浜なぎさドライブウェイ — 波打ち際を車で走る唯一無二の体験(Photo: Kwekwe / CC BY-SA 3.0)

千里浜なぎさドライブウェイは、羽咋市から宝達志水町にかけて約8kmにわたって続く、日本で唯一一般車両が砂浜の上を走行できる道路です。きめ細かい砂粒が海水を含んで固く締まるため、普通車はもちろん、バスやバイク、自転車でも走行が可能。波打ち際を走りながら日本海の水平線を眺める爽快感は、ほかでは味わえない唯一無二のドライブ体験です。

夏場は海水浴客で賑わい、砂浜にパラソルを立ててバーベキューを楽しむ家族連れの姿も。夕暮れ時には日本海に沈む夕日が砂浜をオレンジ色に染め、フォトジェニックな絶景が広がります。冬場は波が高く通行止めになることもあるため、訪問前に通行状況の確認をおすすめします。

気多大社 — 羽咋市に鎮座する能登国一宮と縁結びの御利益

気多大社は、羽咋市寺家町に鎮座する能登国一宮(いちのみや)で、2,100年以上の歴史を誇る北陸屈指の古社です。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと=大国主命)で、縁結び・恋愛成就の御利益で知られ、毎月1日に行われる無料の「ついたち結び」の祈願には全国から参拝者が訪れます。

羽咋市の気多大社の境内と参拝者
気多大社の境内 — 能登国一宮として2,100年の歴史を誇る(Photo: Haya_BS / CC BY-SA 2.0)

本殿背後に広がる「入らずの森」は約1万坪の原生林で、国指定天然記念物に指定されています。神域として人の立ち入りが禁じられた森はタブノキ・シイ・カシなどの広葉樹が鬱蒼と茂り、神秘的な雰囲気を醸し出しています。拝殿・本殿・摂社・神門など複数の建造物が国の重要文化財に指定されており、建築としても見応え十分です。御朱印は通常のものに加え、季節限定の特別御朱印も人気があります。また羽咋市円井町には、能登国の式内社で皇女伝説が伝わる椎葉圓比咩神社も鎮座しています。

邑知潟(おうちがた)— 羽咋市の田園に広がる白鳥飛来の湿地

邑知潟は羽咋市の南部に広がる約3kmの細長い潟湖(せきこ)で、かつては能登半島を東西に横断する大きな内海の名残です。現在は周囲が干拓されて水田地帯となり、中央部に残る水域と周辺の田園風景が独特の景観を形成しています。

冬になると邑知潟にはシベリアからコハクチョウやマガン、カモ類が飛来し、石川県内有数の野鳥観察スポットとなります。11月〜3月の早朝には、朝もやの中で羽を休めるコハクチョウの群れを間近に見ることができ、カメラマンやバードウォッチャーに人気のスポットです。周囲には遊歩道や展望台が整備され、春は水田に映る立山連峰の残雪、秋は黄金色の稲穂が波打つ田園風景と、四季折々の美しさが楽しめます。

邑知潟の周辺は古代から肥沃な土地として知られ、古墳時代には有力な首長がこの地に拠点を構えていました。潟の南側には柴垣古墳をはじめとする古墳群が分布しており、邑知潟が古代能登の経済基盤であったことがうかがえます。

コスモアイル羽咋 — 羽咋市の宇宙科学博物館とUFO伝承

コスモアイル羽咋の外観と実物大ロケットのモニュメント
コスモアイル羽咋の外観 — 実物の宇宙船が展示される宇宙科学博物館(Photo: Hirorinmasa / CC BY-SA 3.0)

コスモアイル羽咋は、NASAやロシア(旧ソ連)から提供された本物の宇宙船や宇宙開発機器を展示する、全国的にも珍しい宇宙科学博物館です。マーキュリー宇宙船やボストーク帰還カプセル(実物)、アポロ司令船(実物大レプリカ)、月面車のレプリカなど、宇宙開発の歴史を間近に体感できます。

羽咋市が宇宙と深い縁を持つ背景には、「そうはちぼん伝説」と呼ばれるUFO伝承があります。江戸時代の文献に記された「鉦鉢(そうはちぼん)のような火の玉が飛ぶ」という記録は、日本最古のUFO目撃談ともいわれ、羽咋市は「UFOの町」として町おこしに活用してきました。市内各所にはUFOのモニュメントやキャラクターが点在し、ユニークな散策が楽しめます。入館料は宇宙科学展示室・コスモシアターがそれぞれ大人500円、両方見られるセット券は大人900円(小中学生450円・幼児無料)とリーズナブルで、宇宙好きのお子さまから大人まで幅広い世代におすすめです。

妙成寺 — 羽咋市に建つ北陸唯一の五重塔と重要文化財群

妙成寺(みょうじょうじ)は、羽咋市滝谷町にある日蓮宗の名刹で、北陸地方唯一の五重塔を有する寺院として知られています。1294年(永仁2年)の開山以来、加賀藩前田家の庇護のもとで伽藍が整備され、五重塔・本堂・祖師堂・経堂・書院・丈六堂など10棟が国の重要文化財に指定されています。

高さ約34mの五重塔は1618年(元和4年)に建立されたもので、優美な姿が羽咋の田園風景の中に映えます。境内では春の桜、秋の紅葉が美しく、特に11月中旬の紅葉シーズンには五重塔と紅葉のコントラストが見事です。拝観料は大人500円で、堂内をじっくり見学できます。

羽咋市の歴史と古墳 — 古代能登の首長が眠る地

羽咋市は古墳時代から能登半島の中心地の一つとして栄え、市内には複数の古墳が残されています。柴垣古墳は日本海を望む丘陵上に築かれた全長約50mの前方後円墳で、5世紀前半の能登の有力首長の墓と考えられています。

散田金谷古墳(国指定史跡)は6世紀後半の円墳ながら、全長約11mの巨大な横穴式石室を持ち、北陸地方でも屈指の規模を誇ります。石室は内部を見学でき、古墳時代後期の高い石積み技術を間近に観察できます。これらの古墳の詳細は「石川県の古墳まとめ」でもご紹介しています。

また、羽咋の地名の由来には「羽喰(はくい)」の伝説があります。垂仁天皇の皇子・磐衝別命(いわつくわけのみこと)が怪鳥を退治した際、鷹が怪鳥の羽を喰い千切ったことから「羽咋」と名づけられたと伝わります。

羽咋市のグルメ — 能登の海の幸と地元名物

羽咋市は日本海に面しており、新鮮な海の幸が自慢です。千里浜エリアの食堂や市内の飲食店では、地元で水揚げされた鮮魚の刺身や海鮮丼を堪能できます。特に冬場の甘エビやカニ、ブリは絶品で、能登の海の恵みを存分に味わえます。

地元名物として注目されているのが「UFOカレー」。コスモアイル羽咋の周辺店舗で提供されるご当地カレーで、円盤型のライスやユニークな盛り付けがSNS映えすると話題です。また、羽咋市は「自然栽培米」の先進地としても知られ、農薬・肥料を一切使わずに育てたお米は全国のこだわり派に支持されています。能登の食文化を満喫するなら、道の駅「のと千里浜」がおすすめ。地元の野菜・海産物・加工品が揃い、フードコートでは能登豚を使った料理や羽咋産の食材を活かしたメニューが楽しめます。

羽咋市へのアクセスと観光の実用情報

車でのアクセス:
金沢市内からのと里山海道(無料)を利用して約50分。千里浜ICまたは柳田ICで降りると市中心部へアクセスできます。のと里山海道は無料で通行でき、能登半島ドライブの起点として便利です。

電車でのアクセス:
JR七尾線「羽咋駅」まで金沢駅から約60分。羽咋駅からはコミュニティバスやタクシーで各観光スポットへアクセスできます。JR七尾線のローカル線旅で車窓の風景を楽しみながらの訪問もおすすめです。

羽咋市観光のおすすめ所要時間:
主要スポットを巡るなら半日〜1日が目安です。千里浜なぎさドライブウェイ → コスモアイル羽咋 → 気多大社 → 妙成寺のルートで約5〜6時間。邑知潟の白鳥観察を加えるなら早朝出発がおすすめです。

能登半島全体の観光プランは「能登半島ドライブコース完全ガイド」をご参照ください。

羽咋市のよくある質問

気多大社の御利益と参拝のポイントは?
気多大社は能登国一宮で、本殿の祭神・大己貴命(おおなむちのみこと=大国主命)は縁結びの神として知られます。公式では大己貴命と摂社・白山神社の菊理媛神が二柱鎮座する縁結びの社としており、毎月1日(正月を除く)には国指定重要文化財の拝殿で無料の縁結び祈願「ついたち結び」(午前8時30分〜午後3時45分)があります。本殿背後の「入らずの森」は国指定天然記念物の社叢で、神域として立ち入りはできません。お守り・絵馬・御朱印は授与所で受けられます。参拝時間の目安は午前8時30分〜午後4時30分(季節により閉門が延びることがあります)。車はのと里山海道・柳田ICから約5分、JR七尾線・羽咋駅からは車で約10分、最寄りバス停「一の宮」から徒歩約7分です。
千里浜なぎさドライブウェイとはどんな場所ですか?通行止めになりますか?
羽咋市から宝達志水町にかけて続く全長約8kmの砂浜道路で、石川県の観光公式は国内唯一、波打ち際を自動車で走れる道路として紹介しています。普通車のほかバス・バイク・自転車でも走行でき、通行料は無料です。夕暮れの水平線が人気です。通行止めは満潮そのものではなく、西寄りの風で波が走行路に達するときや、石川県が波高などで危険と判断したときにかかります。訪問前に千里浜なぎさドライブウェイ交通規制または石川みち情報ネットで確認してください。金沢方面はのと里山海道・今浜IC、能登方面は千里浜ICが入口になります。
コスモアイル羽咋とは何ですか?料金と見どころは?
コスモアイル羽咋は、アメリカや旧ソ連の宇宙機材を展示する宇宙科学博物館です。公式の一般料金は宇宙科学展示室が大人(高校生以上)500円・小中学生250円、コスモシアターが大人500円・小中学生300円、両方のセットが大人900円・小中学生450円、幼児は無料です。開館は8:30〜17:00(最終入場16:30)、休館は毎週火曜(祝日の場合は翌平日)。見どころは実際に宇宙から帰還したヴォストーク帰還カプセルのほか、マーキュリー宇宙船、アポロ司令船のモックアップ、月面車など。羽咋市は「そうはちぼん伝説」からUFOのまちとしても知られ、関連展示もあります。JR羽咋駅東口から徒歩約8分、車はのと里山海道・千里浜ICが最寄りです。
邑知潟の白鳥はいつ見られますか?
羽咋市公式によると、邑知潟(おうちがた)には毎年コハクチョウ・ガン・カモ類が冬に飛来し、見ごろは10月下旬〜3月中旬ごろです。早朝に潟から餌場の田へ飛び立つ姿、夕方に戻る姿が見られます。冬鳥観察を行程に入れるなら早朝出発が向いています。
妙成寺の拝観料と見どころは?
妙成寺は羽咋市滝谷町の日蓮宗寺院で、北陸地方唯一の五重塔を含む10棟が国の重要文化財に指定されています。公式の拝観料は大人(高校生)500円、小・中学生300円。拝観時間は4〜10月が午前8時〜午後5時、11〜3月が午前8時〜午後4時30分、年中無休です。
羽咋市へのアクセスと観光の所要時間は?
車なら金沢から無料ののと里山海道で約50分、千里浜ICまたは柳田ICが市中心部への目安です。電車はJR七尾線・羽咋駅まで金沢駅から約60分。主要スポットを巡るなら半日〜1日が目安で、千里浜なぎさドライブウェイ→コスモアイル羽咋→気多大社→妙成寺で約5〜6時間です。

写真クレジット:
千里浜なぎさドライブウェイ — Kwekwe(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)
気多大社の境内 — Haya_BS(Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0)
コスモアイル羽咋 — Hirorinmasa(Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)

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わっか北陸編集部
HOKURIKU TRAVEL GUIDE
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