氷見温泉郷の露天風呂
富山湾を望む氷見温泉郷(Photo: ナイトキャビン / CC BY 4.0)

富山県の温泉といえば宇奈月温泉が全国的に有名ですが、実は富山には宇奈月以外にも魅力的な温泉地が数多く点在しています。富山湾を望む絶景の氷見温泉郷、船でしか行けない秘湯・大牧温泉、庄川の清流沿いに佇む庄川温泉郷など、個性豊かな温泉が揃っています。この記事では、宇奈月温泉だけじゃない富山の隠れ名湯を詳しくご紹介します。

氷見温泉郷 — 富山湾の絶景と海の幸を楽しむ温泉

氷見温泉郷は、富山県氷見市の海岸沿いに広がる温泉地です。最大の魅力は、富山湾越しに3,000m級の立山連峰を望む絶景の露天風呂です。特に冬の晴れた日には、雪を頂いた立山連峰が海の向こうに浮かび上がる幻想的な光景を温泉に浸かりながら堪能できます。

氷見温泉郷の泉質はナトリウム‐塩化物泉(塩泉)が中心で、体が芯から温まり、湯冷めしにくいのが特徴です。「総湯」として地元住民にも親しまれている日帰り温泉施設もあり、観光の途中に気軽に立ち寄ることもできます。氷見市内には「氷見温泉郷 くつろぎの宿 うみあかり」「氷見グランドホテルマイアミ」など、富山湾の眺望が自慢の宿が複数あります。

氷見温泉郷を訪れるなら、氷見の寒ブリのシーズン(12月〜2月)がおすすめです。温泉宿では寒ブリのお造り、ブリしゃぶ、ブリ大根など、氷見ブリのフルコースを堪能できます。温泉と美食の組み合わせは、冬の富山旅行の最高の贅沢です。氷見漁港の朝市「ひみ番屋街」も徒歩圏内にある宿が多く、翌朝は新鮮な海の幸の買い物も楽しめます。

庄川温泉郷と大牧温泉 — 秘湯の一軒宿と渓谷の名湯

庄川温泉郷は、砺波市から南砺市にかけての庄川沿いに点在する温泉地の総称です。庄川の清流と山々に囲まれた静かな環境で、都会の喧噪を離れてゆっくりと過ごすことができます。「鳥越の宿 三楽園」「庄川温泉風流味道座敷 ゆめつづり」など、趣のある旅館が庄川沿いに佇んでいます。

庄川温泉郷の泉質は炭酸水素塩泉やナトリウム‐塩化物泉など宿によって異なりますが、いずれも肌に優しい「美肌の湯」として知られています。庄川峡遊覧船の乗り場にも近く、エメラルドグリーンの庄川峡を遊覧船で楽しんだ後に温泉で寛ぐという贅沢なプランが人気です。冬には雪景色の庄川峡を眺めながらの露天風呂が格別です。

庄川温泉郷の中でも特に注目すべきは、船でしか行けない秘湯「大牧温泉」です。大牧温泉は庄川峡の上流に位置し、庄川峡遊覧船に約30分乗船してようやくたどり着く一軒宿です。道路が通じていないため、まさに「秘湯」の名にふさわしい温泉です。断崖絶壁に建つ宿からは、四季折々の庄川峡の絶景を独り占めすることができます。テレビドラマや映画のロケ地としても知られ、日本の秘湯ファンの間では聖地的な存在です。

大牧温泉の泉質はナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉で、とろみのある柔らかなお湯が特徴です。渓谷に面した露天風呂では、目の前を流れる庄川の清流と両岸の山々が織りなす絶景を楽しめます。宿泊プランには庄川の川魚や山菜を使った会席料理が含まれ、まさに非日常の贅沢を味わうことができます。予約は人気のためお早めに。

鯰温泉・法林寺温泉など富山の穴場温泉

富山県には、まだまだ知られざる穴場温泉が存在します。南砺市の「法林寺温泉」は、五箇山へ向かう途中に佇む静かな温泉で、地元の人々に愛されてきた素朴な雰囲気が魅力です。泉質はナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物泉で、ぬるぬるとした肌触りの「美人の湯」として知られています。

富山市南部の山間にある「鯰温泉(なまずおんせん)」は、その名の通りナマズにまつわる伝説を持つユニークな温泉です。古くから湯治場として利用されてきた歴史ある温泉で、のどかな田園風景の中にある一軒宿は、まるで時が止まったような静寂に包まれています。神通峡の観光と合わせて訪れるのもよいでしょう。

富山市の奥座敷として知られる「春日温泉」は、神通川沿いに佇む温泉地です。富山市中心部から車で約30分とアクセスが良く、日帰り入浴も可能な施設があります。また、立山山麓の「立山吉峰温泉」は、立山連峰の眺望が素晴らしい温泉で、立山黒部アルペンルート観光の前泊・後泊にも最適です。

小矢部市の「小矢部温泉」、魚津市の「金太郎温泉」、滑川市の「滑川温泉」なども、それぞれに個性的な泉質と雰囲気を持つ温泉です。金太郎温泉は硫黄泉と食塩泉の混合泉で、広大な大浴場と露天風呂が自慢の大型温泉施設です。黒部峡谷トロッコ電車の観光と合わせて、魚津・黒部エリアの温泉に立ち寄るのもおすすめです。

南砺市城端の桜ヶ池クアガーデン(となみ野オーベルジュ&里山の源泉スパ)は、東海北陸自動車道の城端SAに隣接し、高速を降りずに立ち寄れる温泉施設です。宿泊もできますが日帰り利用の受け皿が広く、温泉スパとプールを使えるチケットが用意されています。五箇山や白川郷を回った帰りに汗を流していく使い方ができる立地です。

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南砺市城端の高台にある「となみ野オーベルジュ&里山の源泉スパ 桜ヶ池クアガーデン」。東海北陸自動車道の城端SAに隣接し、高速を降りずに立ち寄れます。温泉スパとプールを使える日帰りチケットをアソビューで購入でき、五箇山・白川郷めぐりの行き帰りに寄りやすい立地です。

富山の温泉の泉質と効能の特徴

宇奈月温泉駅ホームの足湯
宇奈月温泉駅ホームで楽しめる足湯(Photo: 投稿者が撮影 / CC BY 3.0)

富山県の温泉は、地域によって泉質が大きく異なるのが特徴です。海沿いの氷見温泉郷はナトリウム‐塩化物泉(塩泉)が多く、保温効果に優れています。山間部の庄川温泉郷や法林寺温泉は炭酸水素塩泉が中心で、「美肌の湯」として肌をすべすべにする効果があります。

立山山麓の温泉は単純温泉やアルカリ性単純温泉が多く、刺激が少なく万人向けの泉質です。一方、金太郎温泉のような硫黄泉は、独特の香りとともに強い殺菌効果・代謝促進効果が期待できます。富山の温泉めぐりでは、異なる泉質を楽しみながらハシゴすることで、それぞれの温泉の個性を比較できるのも醍醐味です。

富山県は「とやまの名水」に選ばれた湧水が各地にあるように、水資源に恵まれた土地です。その豊富な水が温泉にも反映されており、湯量が豊富な源泉かけ流しの温泉も多く見られます。温泉の後には、富山の名水で仕込まれた地酒を一杯というのも、富山ならではの楽しみ方です。

富山の温泉めぐりモデルコースとアクセス

富山の温泉を効率よく巡るモデルコースをご紹介します。1泊2日の場合、1日目は庄川峡遊覧船を楽しんでから大牧温泉に宿泊するプランがおすすめです。翌日は遊覧船で小牧ダムに戻り、砺波市内を散策してから氷見温泉郷へ移動し、日帰り温泉で旅を締めくくります。

2泊3日の余裕がある場合は、1日目に氷見温泉郷に宿泊して氷見の寒ブリを堪能、2日目に庄川温泉郷または大牧温泉に宿泊、3日目に神通峡周辺の温泉に立ち寄るというルートが充実した温泉旅行になります。

アクセス

氷見温泉郷へJR氷見線の氷見駅からバスまたはタクシーで約10分
庄川温泉郷へJR城端線の砺波駅からバスで約30分
大牧温泉へ砺波駅から庄川峡遊覧船の乗り場までバスで約40分、そこから遊覧船で約30分
車北陸自動車道の小杉IC(氷見方面)・砺波IC(庄川方面)が便利

富山の温泉は、宇奈月温泉だけでなく、県内各地に個性豊かな名湯が揃っています。海の絶景を望む温泉から、船でしか行けない秘湯、山里の穴場温泉まで、目的や好みに合わせて選べるのが富山の温泉の魅力です。次の富山旅行では、ぜひ宇奈月以外の温泉にも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

富山の温泉のよくある質問

富山で宇奈月温泉以外のおすすめ温泉地はどこですか?
宇奈月以外では、氷見市の氷見温泉郷(富山湾と立山連峰を望むナトリウム‐塩化物泉。冬は寒ブリと組み合わせられる)、砺波市から南砺市にかけての庄川温泉郷(庄川沿いの静かな湯治場)、南砺市利賀村の大牧温泉(庄川峡遊覧船でしか行けない一軒宿)が代表です。穴場としては南砺市の法林寺温泉、富山市の鯰温泉もあります。
大牧温泉(船でしか行けない秘湯)とはどんな温泉ですか?
大牧温泉は南砺市利賀村の庄川峡にあり、道路がなく大牧温泉観光旅館1軒のみが営業する秘湯です。アクセスは小牧港からの庄川峡遊覧船(片道約30分)のみ。泉質は塩化物泉と硫酸塩泉が混ざった源泉かけ流しで、肌ざわりが柔らかく湯冷めしにくいのが特徴です。宿泊は1泊2食が基本で要予約。日帰り入浴は電話予約制で、遊覧船の大牧港では日帰りまたは宿泊の予約がある人以外は下船できません。遊覧船は通年運航で、紅葉期(10〜11月)は特に混み合います。
氷見温泉郷の特徴とおすすめの旅館は?
氷見温泉郷は氷見市の沿岸北部に点在する温泉で、泉質はナトリウム‐塩化物泉が中心です。代表的な宿は「氷見温泉郷 くつろぎの宿 うみあかり」(旧称・氷見グランドホテルマイアミ)で、富山湾と立山連峰を望む展望露天風呂があります。ほかになだうら温泉元湯 磯波風、魚巡りの宿 永芳閣などがあります。日帰りなら氷見漁港場外市場ひみ番屋街内の「総湯」(10:00〜23:00、大人950円)が使いやすいです。寒ブリの旬はおおむね11月〜2月頃です。
庄川峡遊覧船は今も運航していますか?大牧温泉へはどう行きますか?
運航しています。庄川峡遊覧船の大牧温泉コースは小牧港発着で片道約30分・往復約60分、大人往復3,400円です。個人の乗船予約は不要ですが、大牧港で下船できるのは大牧温泉に日帰りまたは宿泊の予約がある人だけです。往復遊覧だけの場合は大牧港では下船せず船内で待ちます。冬は本数が減る冬ダイヤになるので、公式の時刻表で確認してください。
氷見温泉郷で日帰り入浴はできますか?
できます。ひみ番屋街内の「氷見温泉郷 総湯」は源泉かけ流しの日帰り施設で、営業は10:00〜23:00(最終入館22:00)、土日祝は朝風呂7:00〜、大人950円、原則年中無休です。うみあかりの別館「潮の香亭」も日帰り入浴が可能で、9:00〜21:00(最終受付20:30)、大人660円です。いずれも公式サイトで当日の営業を確認してください。

写真クレジット:
富山湾を望む氷見温泉郷 — ナイトキャビン(Wikimedia Commons / CC BY 4.0)
宇奈月温泉駅ホームの足湯 — 投稿者が撮影(Wikimedia Commons / CC BY 3.0)

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わっか北陸編集部
HOKURIKU TRAVEL GUIDE
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