高岡古城公園 — 前田利長が築いた日本100名城の城跡と日本さくら名所100選の水濠公園
富山県高岡市の中心部に広がる高岡古城公園は、加賀藩二代目藩主・前田利長が1609年(慶長14年)に築いた高岡城の城跡を整備した都市公園です。日本100名城に選定されるこの城址は、約21万平方メートルの敷地に水濠や土塁が当時のまま残り、富山県を代表する歴史公園として市民や観光客に親しまれています。明治以降、高岡城は「古城公園」として生まれ変わり、四季折々の自然美と文化施設が融合した憩いの場となりました。

高岡古城公園の園内には動物園や博物館、芸術の森、射水神社といった多彩な施設が点在し、歴史散策から家族のレジャーまで幅広く楽しめます。春は日本さくら名所100選に選ばれた桜が水濠を彩り、秋は紅葉が石垣を包み込みます。富山観光の拠点として、高岡の歴史と自然を一度に堪能できるおすすめのスポットです。
目次
高岡古城公園の歴史 — 前田利長と高岡城築城
高岡城は、加賀藩初代藩主・前田利家の嫡男である前田利長が隠居城として築いた城です。利長は富山城の火災を機に、高岡の地に新たな城を構えることを決意しました。1609年に築城が始まり、キリシタン大名として知られる高山右近が縄張り(設計)を担当したと伝えられています。高山右近の西洋的な築城技術が取り入れられたとされ、本丸を中心に二の丸、三の丸が水濠で区切られた独特の縄張りが特徴です。
しかし1614年、前田利長の死去に伴い、加賀藩の方針で高岡城は一国一城令を前に廃城となりました。城としての役割を終えた後も、城址は「御旅屋」や米蔵として藩の管理下に置かれ、明治8年(1875年)に公園として整備されました。城の建造物は残されていませんが、築城当時の水濠と土塁がほぼ完全な形で保存されており、これが日本100名城に選定された大きな理由です。城跡全体が国の史跡に指定されています。
高岡古城公園の正面入口付近には前田利長公の銅像が建立されており、高岡の町を開いた利長の功績を今に伝えています。高岡は利長が商工業を振興した城下町であり、高岡銅器や高岡漆器といった伝統産業の基盤もこの時代に築かれました。古城公園を訪れる際には、高岡の国宝瑞龍寺も合わせて巡ると、前田利長ゆかりの歴史をより深く感じることができます。
高岡古城公園の桜 — 日本さくら名所100選の絶景
高岡古城公園は「日本さくら名所100選」に選ばれた北陸屈指の桜の名所です。園内にはソメイヨシノやコシノヒガンザクラなど約1,800本の桜が植えられており、毎年4月上旬から中旬にかけて見頃を迎えます。特に水濠沿いの桜並木は圧巻で、水面に映る桜の姿は「逆さ桜」と呼ばれ、多くの写真愛好家を魅了しています。
桜の季節には「高岡桜まつり」が開催され、夜間にはライトアップが行われます。ぼんぼりの灯りに照らされた夜桜が水濠に反射する光景は幻想的で、昼間とはまた異なる趣があります。本丸広場を中心に露店も並び、花見を楽しむ市民で賑わいます。お濠端の遊歩道は桜のトンネルとなり、ゆっくりと散策するのに最適です。
桜以外にも、6月にはハナショウブやアジサイ、秋には紅葉、冬には雪景色と、四季を通じて美しい風景を楽しめるのが高岡古城公園の魅力です。特に秋の紅葉は水濠に映る赤や黄色の木々が絵画のような美しさを見せます。富山県内で花と歴史を同時に堪能できる公園として、季節ごとに訪れたい場所です。


高岡古城公園の水濠めぐり遊覧船
高岡古城公園の最大の特徴は、築城当時から残る広大な水濠です。外濠・中濠・内濠の三重の水濠が城跡を取り囲み、公園面積の約3分の1を水面が占めています。この水濠を船上から楽しめるのが「水濠めぐり遊覧船」で、約25分間のクルーズで公園の魅力を水上から満喫できます。
遊覧船は春から秋にかけて運航され、船頭さんのガイドを聞きながら、水面すれすれの目線で城跡の石垣や土塁、季節の花々を眺められます。春には桜のトンネルをくぐり抜ける「お花見クルーズ」が大人気で、水上から見上げる桜は格別の美しさです。夏は涼やかな水辺の風を感じ、秋は紅葉に彩られた水面を進みます。
水濠にはコイやカメ、水鳥たちが生息しており、自然豊かな水辺の生態系も見どころのひとつです。遊覧船の乗り場は公園の北口付近にあり、料金は大人800円程度です。所要時間は約25分で、高岡古城公園の歴史と自然を効率よく楽しめるため、時間が限られた観光客にもおすすめの体験です。
高岡古城公園の動物園と博物館
高岡古城公園の園内には入場無料の「高岡古城公園動物園」があります。小規模ながらもペンギンやフラミンゴ、ニホンザル、ポニーなど約50種類の動物が飼育されており、子ども連れの家族に人気のスポットです。1951年に開園した歴史ある動物園で、市民の憩いの場として長く愛されています。エサやり体験やふれあいコーナーも設けられ、小さな子どもでも動物を身近に感じることができます。
また、公園内には「高岡市立博物館」も併設されており、高岡の歴史や文化を学べる展示が充実しています。前田利長と高岡城の歴史をはじめ、高岡銅器や高岡漆器の伝統工芸、高岡の近代産業の発展など、多角的な視点から高岡の魅力を知ることができます。こちらも入場無料で、雨の日の観光にも最適です。
さらに公園の一角には「射水神社」が鎮座しています。越中国一宮として古くから信仰を集める由緒ある神社で、縁結びや安産の御利益があるとされています。高岡古城公園を訪れた際には、歴史散策とともに参拝してみてはいかがでしょうか。動物園・博物館・神社と、一つの公園で多様な体験ができるのが高岡古城公園の魅力です。


高岡古城公園の周辺の見どころ
高岡古城公園の周辺には、高岡市の歴史と文化を感じられるスポットが点在しています。公園から徒歩圏内にある国宝瑞龍寺は、前田利長の菩提寺として建立された壮麗な禅宗寺院です。国宝に指定された山門・仏殿・法堂の三棟は、加賀藩の威光を今に伝える名建築で、高岡観光では必見のスポットです。
高岡大仏は日本三大仏のひとつに数えられ、高岡銅器の技術を結集して鋳造された青銅製の阿弥陀如来像です。台座の内部は回廊になっており、仏画や地獄絵が展示されています。また、高岡御車山祭は毎年5月1日に開催されるユネスコ無形文化遺産の祭りで、豪華絢爛な山車が市内を巡行する姿は圧巻です。御車山会館では祭りの歴史や山車の展示を通年で見学できます。
さらに足を延ばせば、雨晴海岸から望む立山連峰の絶景も高岡エリアの見どころです。JR氷見線に乗って約20分、海越しの3,000m級の山々という世界でも珍しい景観を楽しめます。高岡古城公園を起点に、歴史・文化・自然の多彩な魅力をぜひ体感してください。
高岡古城公園へのアクセスと散策情報
高岡古城公園へのアクセスは、JR高岡駅から徒歩約10分と便利な立地です。北陸新幹線の新高岡駅からは路線バスまたはタクシーで約10分で到着します。車の場合は能越自動車道の高岡インターチェンジから約10分で、公園周辺にある市営駐車場(無料)を利用できます。公園自体は入園無料で、24時間開放されているため、早朝の散歩や夜の散策も楽しめます。
園内の散策コースは一周約2キロメートルで、ゆっくり歩いて約40分から1時間程度です。水濠沿いの遊歩道は平坦で歩きやすく、ベビーカーや車椅子でも利用しやすい整備がされています。本丸広場、二の丸広場、芸術の森など、各エリアにベンチや東屋が設置されており、休憩しながらのんびりと散策を楽しめます。
おすすめの散策時間は、桜の季節なら午前中から昼過ぎにかけて、紅葉の季節なら午後の柔らかい光の時間帯です。夜桜ライトアップは例年18時から21時頃まで行われます。高岡古城公園は、富山県西部の観光拠点として、氷見の寒ブリグルメや雨晴海岸の絶景と合わせて、充実した高岡エリアの旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
写真クレジット:
高岡古城公園の水濠と桜 — RESPITE(Wikimedia Commons / CC0)
高岡古城公園の水濠と桜 — Wikimedia Commons(Wikimedia Commons / CC BY-SA)
高岡古城公園の桜 — Wikimedia Commons(Wikimedia Commons / CC BY-SA)
高岡市の街並みと古城公園 — Wikimedia Commons(Wikimedia Commons / CC BY-SA)
高岡城跡の水濠 — Wikimedia Commons(Wikimedia Commons / CC BY-SA)








