あわら温泉 — 「関西の奥座敷」芦原温泉の芦湯・温泉街散策と北陸新幹線でのアクセス

福井県あわら市に位置するあわら温泉(芦原温泉)は、明治16年(1883年)の開湯以来、「関西の奥座敷」として親しまれてきた北陸有数の温泉地です。豊富な湯量と多彩な泉質を持ち、大小の旅館・ホテルが立ち並ぶ温泉街は、昔ながらの風情と現代的な魅力が調和した人気の観光スポット。2024年3月の北陸新幹線延伸により芦原温泉駅が開業し、東京からのアクセスが飛躍的に向上したことで、さらに注目を集めています。
目次
あわら温泉の歴史 — 明治開湯から「関西の奥座敷」へ
あわら温泉の歴史は、1883年(明治16年)に農地の灌漑工事中に偶然温泉が湧出したことに始まります。良質な温泉の噂はたちまち広まり、翌年には早くも旅館が開業。京阪神方面からの交通の便がよかったこともあり、明治後期から大正にかけて急速に発展し、「関西の奥座敷」の異名を取るようになりました。多くの文人墨客にも愛され、与謝野晶子や高浜虚子などがこの地を訪れて作品を残しています。
1956年(昭和31年)の大火で温泉街の大部分が焼失するという試練を経験しましたが、復興を果たし、近代的な温泉リゾートとして生まれ変わりました。現在のあわら温泉は、老舗の和風旅館から現代的なスパホテルまで多彩な宿泊施設が揃い、年間約100万人の観光客が訪れる福井県を代表する観光地となっています。各宿が独自の源泉を持つのもあわら温泉の特徴で、宿ごとに異なる湯の質感を楽しめるのが温泉通に人気の理由です。
あわら温泉の芦湯 — 日本有数の足湯で気軽に温泉体験
あわら温泉を訪れたら、まず立ち寄りたいのが温泉街の中心にある無料足湯施設「芦湯(あしゆ)」です。2014年にオープンしたこの足湯は、明治時代の温泉建築を模した総ひのき造りの建物が目を引く、あわら温泉のランドマーク的存在。5つの浴槽があり、それぞれ異なる泉質の源泉が注がれているため、足を浸しながら泉質の違いを楽しむことができます。
芦湯の利用は無料で、タオルの販売もあるので手ぶらでも気軽に立ち寄れます。開放時間は7時〜23時と長く、朝の散歩がてらや夕食後のそぞろ歩きにも最適。足湯に浸かりながら温泉街の雰囲気を味わえるのは、あわら温泉ならではの楽しみ方です。隣接する広場ではイベントが開催されることもあり、地元の人々と観光客が交流する憩いの場となっています。
芦湯以外にも、あわら温泉には日帰り入浴が楽しめる施設が充実しています。温泉街の共同浴場「セントピアあわら」は、「天の湯」と「地の湯」の2つの趣の異なる浴場を備えた日帰り温泉施設で、観光客にも人気。各旅館でも日帰り入浴プランを用意しているところが多く、ランチと入浴がセットになったプランは特にお得です。
あわら温泉街の散策 — 湯けむり横丁と温泉街歩きの楽しみ

あわら温泉の温泉街散策で見逃せないのが、2016年にオープンした屋台村「湯けむり横丁」です。芦湯のすぐ近くにある昭和レトロな雰囲気の屋台村で、地元の食材を使った串焼き、おでん、餃子、地酒などを手軽に楽しめます。小さな屋台が軒を連ねる路地は、どこか昭和の温泉街の情緒を思わせ、旅先での「ちょっと一杯」にぴったりの場所。地元の常連客と観光客が肩を並べてカウンターに座る気取らない雰囲気も魅力です。
温泉街をそぞろ歩けば、射的や手作り体験ができるスポット、地元の銘菓を扱う土産物店など、温泉街ならではの楽しみが点在しています。あわら温泉では「湯めぐり手形」を販売しており、複数の旅館の温泉を巡ることも可能。宿ごとに異なる泉質や浴室の雰囲気を比較しながらの湯巡りは、あわら温泉の醍醐味です。
あわら温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉が主で、肌に優しい滑らかな湯触りが特徴。神経痛や筋肉痛、冷え性などに効能があるとされています。源泉温度は33度〜77度と幅広く、宿によって高温の力強い湯から、ぬるめのゆったり湯まで多彩な入浴体験が楽しめるのもあわら温泉の大きな魅力です。
あわら温泉の旅館と宿泊 — 老舗から現代旅館まで多彩な選択肢
あわら温泉には約30軒の旅館・ホテルがあり、老舗の名旅館から気軽に泊まれるリーズナブルな宿まで、予算や好みに合わせた宿選びが可能です。創業100年を超える老舗旅館では、伝統的な数寄屋造りの客室や、季節の会席料理、庭園を望む露天風呂など、日本の旅館文化の粋を味わえます。冬季には越前がにのフルコースを提供する宿も多く、温泉とカニの贅沢な組み合わせが人気です。
近年は、モダンにリニューアルした旅館や、カップル・女性グループ向けのおしゃれな宿も増えています。露天風呂付き客室やプライベートスパを備えた宿は、特別な記念日の旅行にもおすすめ。また、一人旅にも対応した素泊まりプランを提供する宿もあり、湯けむり横丁で食事を楽しんでから宿に戻るというスタイルも人気です。
あわら温泉の周辺観光 — 東尋坊・丸岡城・越前がにの産地
あわら温泉を拠点に、周辺の観光スポットにも足を延ばしてみましょう。車で約25分の東尋坊は、日本海の荒波が削り上げた柱状節理の断崖で、国の天然記念物に指定されている福井県屈指の景勝地です。遊覧船に乗って海上から断崖を見上げる迫力は格別。また、車で約20分の丸岡城は、現存天守12城のひとつに数えられる歴史ある城で、桜の名所としても知られています。
冬の味覚を楽しむなら、あわら温泉から車で約30分の越前海岸の漁港町へ。11月から3月にかけて水揚げされる越前がには、日本海のブランドガニの最高峰。あわら温泉の旅館でも越前がに料理を提供していますが、漁港近くの食事処では水揚げしたての極上のカニをよりリーズナブルに味わえます。
あわら温泉へのアクセス — 北陸新幹線で東京から最短2時間台

あわら温泉へのアクセスは、2024年3月に延伸開業した北陸新幹線・芦原温泉駅の利用が便利です。東京駅から芦原温泉駅まで最速約2時間50分、金沢駅からは約25分と大幅にアクセスが向上しました。芦原温泉駅から温泉街までは路線バスで約15分、タクシーで約10分です。多くの旅館が駅からの送迎サービスを提供しています。
車でのアクセスは、北陸自動車道・金津ICから約15分。大阪方面からは名神高速・北陸自動車道経由で約3時間です。温泉街には各旅館の駐車場のほか、公共の駐車場も整備されています。
あわら温泉を起点とした観光モデルコースとして、初日にあわら温泉で温泉と街歩きを楽しみ、翌日に東尋坊と丸岡城を巡って帰路につく1泊2日プランが定番。時間に余裕があれば、永平寺や那谷寺まで足を延ばすのもおすすめです。加賀温泉郷とはしごして、北陸の名湯を堪能する贅沢な温泉旅も楽しめます。
写真クレジット:
あわら温泉の芦湯 — Asturio Cantabrio(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
あわら温泉の湯けむり横丁 — Asturio Cantabrio(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
芦原温泉駅 — SONIC BLOOMING(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)








