七尾市の観光ガイド|和倉温泉・能登島水族館・青柏祭と能登の玄関口の魅力
石川県能登半島の中央に位置する七尾市は、能登地方最大の都市であり、開湯1200年を誇る和倉温泉、戦国時代の山城・七尾城跡、港町の食文化が息づく能登食祭市場など、多彩な魅力にあふれた観光地です。七尾湾に浮かぶ能登島では水族館やガラス美術館を楽しめ、花嫁のれん館や一本杉通りでは能登の伝統文化に触れることができます。能登かきや能登牛といったご当地グルメ、石崎奉燈祭や青柏祭といった勇壮な祭りも見逃せません。この記事では、七尾市の観光スポット・グルメ・祭り・アクセス情報を網羅的にご紹介します。

目次
七尾市の観光スポット — 和倉温泉
七尾市を代表する観光地といえば、何といっても和倉温泉です。七尾湾に面した温泉街は、北陸有数の温泉地として全国から多くの旅行者が訪れます。
和倉温泉 — 開湯1200年の名湯と七尾湾の絶景
和倉温泉は、平安時代に白鷺が傷を癒したという伝説を持つ、開湯1200年の歴史ある温泉地です。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉で、海の温泉らしい塩分を含んだ湯は保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴。七尾湾を一望できるロケーションも大きな魅力で、特に夕暮れ時に湯に浸かりながら眺める夕日は格別です。
和倉温泉街の中心にある「総湯」は、地元の人々にも愛される日帰り入浴施設です。源泉かけ流しの湯を気軽に楽しめるため、宿泊しない日帰り旅行者にもおすすめ。また、温泉街には「湯元の広場」があり、源泉が湧き出す様子を間近に見ることができます。温泉卵を作る体験コーナーも人気です。
和倉温泉で最も有名な旅館が「加賀屋」です。プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選で長年総合1位に輝いた実績を持ち、おもてなしの最高峰として知られています。能登の食材をふんだんに使った懐石料理、七尾湾を望む客室、そして行き届いたサービスは、一生に一度は体験したい贅沢な時間です。加賀屋以外にも、多喜川、のと楽、ゆけむりの宿美湾荘など個性豊かな旅館が軒を連ね、予算や好みに合わせた宿選びが楽しめます。
七尾市の観光スポット — 歴史・文化

七尾市は温泉だけでなく、戦国時代の山城や伝統文化が息づく城下町としての顔も持っています。歴史好きの方には特に魅力的なエリアです。
七尾城跡 — 戦国時代の名城と能登の絶景パノラマ
七尾城跡は、能登畠山氏が約170年にわたって居城とした戦国時代の山城です。日本100名城にも選定されており、標高約300mの城山に築かれた壮大な石垣群は、往時の威容を今に伝えています。上杉謙信による攻城戦の舞台としても知られ、歴史ファンにとっては聖地のような場所です。
本丸跡からの眺望は圧巻で、七尾湾から能登島、さらには立山連峰まで一望できる大パノラマが広がります。登山道は整備されており、本丸まで約30〜40分のハイキングで到着できます。春は桜、秋は紅葉と四季折々の美しさも楽しめるスポットです。麓には七尾城史資料館があり、城の歴史や畠山氏の文化を学ぶことができます。
七尾の街歩き — 花嫁のれん館・一本杉通りの伝統文化
七尾の街歩きの中心となるのが、一本杉通りと花嫁のれん館です。一本杉通りは七尾市の中心部に位置する歴史ある商店街で、登録有形文化財に指定された建物が数多く残っています。昆布の老舗「しら井」、和ろうそくの「高澤ろうそく店」など、伝統を守り続ける専門店が軒を連ね、能登の暮らしと文化を肌で感じることができます。
花嫁のれん館は、加賀・能登地方に伝わる婚礼の風習「花嫁のれん」を展示する施設です。花嫁のれんとは、嫁入りの際に花嫁が嫁ぎ先の仏間に掛けられたのれんをくぐる風習のことで、色鮮やかな加賀友禅や手描きの絵柄が施された豪華なのれんは、まさに芸術品。館内では明治から現代までの花嫁のれんが常設展示されており、花嫁衣装の試着体験も人気です。毎年5月には一本杉通りで「花嫁のれん展」が開催され、通り沿いの家々にのれんが飾られる華やかな光景を見ることができます。
能登食祭市場 — 七尾港で味わう能登の海鮮と祭り文化
能登食祭市場は、JR七尾駅から徒歩約10分、七尾港に面した観光市場です。「食」と「祭」をテーマにした施設で、1階の生鮮市場では能登の新鮮な魚介類や特産品が購入でき、浜焼きコーナーでは買ったばかりの海鮮をその場で炭火焼きにして味わうことができます。
2階のグルメ館には海鮮丼や寿司の飲食店が並び、七尾湾を眺めながらの食事が楽しめます。また、館内には能登の祭りを紹介する「祭り会館」もあり、巨大なキリコ(切子灯籠)の展示を見ることができます。お土産コーナーも充実しており、能登の塩や醤油、いしる(魚醤)、地酒などを購入できます。七尾観光の拠点として最初に立ち寄りたいスポットです。
七尾市の観光スポット — 能登島
七尾湾に浮かぶ能登島は、能登島大橋とツインブリッジのとの2本の橋で本土と結ばれた、自然豊かな島です。水族館やガラス美術館、キャンプ場など、家族で楽しめる施設が充実しています。
のとじま水族館 — 能登の海の生き物と出会える人気スポット
のとじま水族館は、能登島を代表する観光施設であり、石川県内で最大規模の水族館です。能登半島近海に生息する魚介類を中心に約500種・40,000点の生き物を展示しています。目玉は日本海側最大級のジンベエザメの展示で、巨大な水槽を悠然と泳ぐ姿は迫力満点です。
イルカやアシカのショーも人気で、七尾湾をバックにした屋外プールでのパフォーマンスは開放感抜群。「のと海遊回廊」と呼ばれるプロジェクションマッピングを活用した展示空間も見どころで、光と映像が織りなす幻想的な海中世界を体験できます。ペンギンのお散歩タイムやタッチプールなど、子どもから大人まで楽しめるプログラムが豊富で、家族連れに特におすすめのスポットです。
能登島の自然体験 — イルカウォッチングとキャンプ
能登島の周辺海域には野生のミナミバンドウイルカが定住しており、夏季を中心にイルカウォッチングツアーが催行されています。船上から間近に見る野生イルカの姿は感動的で、能登島ならではの貴重な体験です。
島内には松島オートキャンプ場をはじめとするキャンプ施設もあり、七尾湾を目の前にしたロケーションでキャンプを楽しめます。また、能登島の田園風景や海岸線をめぐるサイクリングも人気。のどかな里山里海の風景の中で、日常を忘れてリフレッシュできるのが能登島の魅力です。
能登島ガラス美術館 — 七尾湾を望む丘の上のアートスポット
能登島ガラス美術館は、能登島の高台に建つ、国内でも珍しいガラスアート専門の美術館です。世界各国の現代ガラスアーティストの作品を収蔵・展示しており、ピカソやシャガールがデザインしたガラス作品なども所蔵しています。
建物自体が宇宙基地をイメージした独特のデザインで、館内から七尾湾を一望できるロケーションも魅力のひとつ。ガラス制作の体験工房も併設されており、吹きガラスやサンドブラストなどの体験ができます。自分だけのオリジナルガラス作品を旅の思い出に作ってみてはいかがでしょうか。のとじま水族館と合わせて訪れるのがおすすめです。
七尾市のグルメ — 能登かき・能登牛・祭り寿司
七尾市は能登半島の食文化の中心地であり、七尾湾の豊かな海の幸と能登の山の幸を存分に味わえるグルメの宝庫です。
能登かき — 七尾湾が育む冬の味覚の王様
能登かきは、七尾湾の穏やかな内湾で養殖される牡蠣で、冬の七尾を代表する味覚です。七尾湾は山からの栄養豊富な水が流れ込むため、プランクトンが豊富で牡蠣の成長が早く、わずか1〜2年で出荷サイズに達します。そのため身が若くて柔らかく、クリーミーな甘みが特徴です。
毎年1月〜3月頃には、七尾湾沿いに「かき小屋」がオープンし、炭火焼きの能登かきを思う存分楽しめます。殻付きの牡蠣を豪快に焼いて食べるスタイルは、能登の冬の風物詩。能登食祭市場でも能登かきを味わうことができ、焼き牡蠣のほか、カキフライやかき飯なども人気です。
能登の祭り寿司・郷土料理 — 押し寿司と能登丼
能登の祭り寿司・郷土料理は、能登の食文化を語る上で欠かせない存在です。能登では祭りや祝い事の際に「祭り寿司」と呼ばれる押し寿司を作る伝統があり、柿の葉寿司や笹寿司など、地域ごとに特色ある押し寿司が受け継がれています。酢飯の上に旬の魚や野菜を彩りよく盛り付けた祭り寿司は、見た目にも華やかです。
また、「能登丼」は能登の食材をふんだんに使った丼料理で、地元の飲食店がそれぞれオリジナルの能登丼を提供しています。能登産のコシヒカリに、能登の魚介や野菜、能登の塩や醤油を使うのがルール。いしる(魚醤)を使った「いしる鍋」も能登ならではの郷土料理で、寒い冬に体が温まる一品です。
能登牛 — 能登の自然が育む希少な和牛ブランド
能登牛は、石川県内で飼育される黒毛和牛のブランドで、年間出荷頭数が約1,000頭と非常に希少な和牛です。きめ細かなサシ(霜降り)が入った肉質は、口に入れるととろけるような柔らかさと上品な甘みが特徴。能登の豊かな自然環境とミネラル豊富な牧草で育てられた能登牛は、「幻の和牛」とも呼ばれています。
七尾市内の飲食店やレストランで能登牛のステーキやハンバーグ、焼肉を提供する店があり、和倉温泉の旅館では夕食のメインディッシュとして能登牛が登場することも。能登食祭市場でも能登牛を使ったメニューが味わえます。能登を訪れたら、海の幸と合わせてぜひ能登牛も堪能してみてください。
七尾市の祭り — 石崎奉燈祭と青柏祭でか山
七尾市は「祭りの街」としても知られ、年間を通じてさまざまな祭りが行われています。中でも夏の石崎奉燈祭と春の青柏祭は、七尾を代表する二大祭りです。能登半島全体で200を超えるキリコ祭りが行われますが、七尾の祭りはその中でも特にスケールが大きいことで知られています。
石崎奉燈祭 — 能登最大級のキリコが乱舞する夏祭り
石崎奉燈祭は、毎年8月第1土曜日に和倉温泉近くの石崎町で行われる勇壮な夏祭りです。高さ約15m、重さ約2トンにも及ぶ巨大なキリコ(奉燈)を、約100人の担ぎ手が威勢の良い掛け声とともに練り歩きます。能登のキリコ祭りの中でも最大級のスケールを誇り、その迫力は圧巻です。
夜になると奉燈に明かりが灯り、漆塗りの本体に金箔で描かれた武者絵が幻想的に浮かび上がります。複数の奉燈が広場に集結して乱舞する「かちあい」は祭りのクライマックスで、担ぎ手たちの熱気と観客の興奮が最高潮に達します。和倉温泉に宿泊して石崎奉燈祭を観覧するのは、夏の能登旅行の醍醐味のひとつです。
青柏祭でか山 — 日本一大きな曳山が街を巡る春祭り
青柏祭(せいはくさい)は、毎年5月3日〜5日に七尾市中心部で行われる大地主神社の春祭りで、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。最大の見どころは「でか山」と呼ばれる巨大な曳山(山車)で、高さ約12m、重さ約20トンという日本一の大きさを誇ります。
府中町・鍛冶町・魚町の3つの町内からそれぞれ1台ずつ、合計3台のでか山が繰り出し、狭い街路を大勢の曳き手によって曳き回されます。辻で方向転換する「辻回し」は最大の見せ場で、巨体が軋み音を立てながら回転する様子は手に汗握る迫力。歌舞伎の場面を模した人形が飾られた山車は芸術的にも見応え十分です。ゴールデンウィークに七尾を訪れるなら、ぜひ青柏祭に合わせてみてください。
七尾市の観光モデルコース
七尾市の主要スポットを効率よくめぐるモデルコースをご紹介します。車での移動を前提に、1泊2日のプランです。能登半島ドライブコースと組み合わせるのもおすすめです。
七尾市1泊2日モデルコース
【1日目】七尾の歴史と文化、能登島を満喫
- 午前:JR七尾駅を起点に、まずは七尾城跡へ。本丸跡からの絶景パノラマを楽しみ、七尾城史資料館で歴史を学ぶ(所要約2時間)
- 昼食:能登食祭市場で海鮮丼や浜焼きランチ。お土産の購入もここで
- 午後:一本杉通り・花嫁のれん館を散策し、能登の伝統文化に触れる(所要約1〜1.5時間)
- 夕方:和倉温泉にチェックイン。総湯での外湯めぐりや温泉街の散策を楽しむ
- 夕食:旅館で能登牛や新鮮な魚介の懐石料理を堪能
【2日目】能登島と海の魅力を体感
- 午前:能登島大橋を渡ってのとじま水族館へ。ジンベエザメやイルカショーを楽しむ(所要約2〜3時間)
- 昼食:能登島内のカフェや食堂で地元グルメを味わう
- 午後:能登島ガラス美術館でガラスアートを鑑賞し、ガラス制作体験にチャレンジ(所要約1.5時間)
- 帰路:ツインブリッジのとを経由して七尾市街へ戻る。冬季なら能登かきのかき小屋に立ち寄るのもおすすめ
時間に余裕がある方は、のと鉄道で穴水方面へ足を延ばし、七尾湾の車窓風景を楽しむのもおすすめです。能登復興応援旅行ガイドも参考に、能登への旅を計画してみてください。
七尾市へのアクセス — のと鉄道・JR七尾線
七尾市へのアクセス方法をご紹介します。鉄道・車それぞれのルートがあり、旅のスタイルに合わせて選ぶことができます。
七尾市への鉄道アクセス — JR七尾線とのと鉄道
JR七尾線は、金沢駅から津幡・羽咋を経由して七尾駅・和倉温泉駅を結ぶ路線です。金沢駅から七尾駅までは特急「能登かがり火」で約1時間、普通列車で約1時間40分。大阪・名古屋方面からは北陸新幹線(敦賀乗り換え)で金沢駅へ、そこからJR七尾線に乗り換えるのが一般的なルートです。東京方面からは北陸新幹線で金沢駅まで約2時間半、そこから特急に乗り換えて約1時間で七尾に到着します。
和倉温泉駅から先はのと鉄道が穴水駅まで運行しています。七尾湾沿いを走るローカル線の車窓風景は素晴らしく、特に能登中島駅付近の海岸線や、西岸駅の趣ある駅舎は鉄道ファンにも人気。観光列車「のと里山里海号」に乗れば、沿線ガイドの解説や地元のスイーツを楽しみながら、のんびりとした能登の鉄道旅を満喫できます。
七尾市への車でのアクセス
車でのアクセスは、のと里山海道(無料)を利用するのが便利です。金沢方面からはのと里山海道を北上し、七尾城山ICまたは上棚矢駄ICで下りると七尾市街へ。金沢市内から約1時間15分で到着します。能登島へは七尾市街から能登島大橋を渡って約15分です。
七尾市内の主要観光スポットは車での移動が便利ですが、和倉温泉や七尾駅周辺は徒歩でも散策可能です。能登島を含めて広範囲に観光する場合はレンタカーの利用がおすすめ。和倉温泉駅前や七尾駅前でレンタカーを借りることができます。
七尾市は、温泉・歴史・食・祭り・自然体験と、能登の魅力がぎゅっと詰まった街です。能登半島観光の拠点として、ぜひゆっくりと滞在して七尾の多彩な魅力を堪能してください。
写真クレジット:
能登のキリコ祭り(Wikimedia Commons)
のとじま水族館(Wikimedia Commons)









