近江町市場 - 金沢の台所で味わう300年の食文化

金沢の台所「近江町市場」とは
近江町市場(おうみちょういちば)は、石川県金沢市の中心部に位置する、約300年の歴史を持つ市民の台所です。享保6年(1721年)に開設されて以来、加賀藩の城下町を支える食の拠点として栄えてきました。現在も約170の店舗が軒を連ね、新鮮な海産物、地元の野菜、加賀料理の食材など、北陸の豊かな食文化を凝縮した活気あふれる市場です。
地元では「おみちょ」の愛称で親しまれ、金沢市民の日常の買い物から観光客のグルメ体験まで、幅広い層に愛されています。兼六園やひがし茶屋街と並ぶ金沢の代表的な観光スポットとして、年間を通じて多くの人が訪れます。
近江町市場の歴史
近江町市場の起源は、享保6年(1721年)に袋町の魚市場と犀川口の市場が統合されたことに遡ります。「近江町」の名前は、近江国(現在の滋賀県)出身の商人が多く住んでいたことに由来します。加賀藩の時代には御膳所御用(藩主の食事を調達する役割)を担い、藩の公式な市場として重要な地位を占めていました。
明治以降も金沢の食文化の中心であり続け、昭和・平成と時代が変わっても市民生活に欠かせない存在です。2009年には「近江町いちば館」がオープンし、現代的な施設と伝統的な市場が融合した新たな姿に生まれ変わりました。
市場の見どころ・名物
新鮮な海鮮
近江町市場の最大の魅力は、日本海で水揚げされた新鮮な海の幸です。特に冬の加能ガニ(ズワイガニ)や甘エビ、寒ブリは絶品。店頭には色鮮やかな魚介類が所狭しと並び、その場で食べ歩きができる店も多くあります。のどぐろ(アカムツ)の炙りや、プリプリの岩牡蠣など、北陸ならではの味覚を楽しめます。

海鮮丼
近江町市場を訪れたら外せないのが海鮮丼です。市場内には海鮮丼の名店が数多くあり、その日の朝に水揚げされた魚介をふんだんに使った豪華な丼を味わえます。ネタの新鮮さはもちろん、コシヒカリを使ったシャリとの相性も抜群。人気店は行列ができることも多いですが、並ぶ価値は十分にあります。
加賀野菜と地元食材
海鮮だけでなく、加賀野菜も近江町市場の名物です。加賀れんこん、金時草(きんじそう)、五郎島金時(さつまいも)、源助だいこんなど、金沢の伝統野菜15品目が季節ごとに並びます。また、金沢おでんの具材や、かぶら寿し、へしこなどの発酵食品、金沢の銘菓なども手に入ります。
食べ歩きグルメ
近年は食べ歩きも人気です。コロッケ、海鮮串、焼き牡蠣、甘エビの唐揚げ、フルーツ大福など、手軽に楽しめるグルメが充実。市場を歩きながら、少しずつ色々な味を楽しむのも近江町市場ならではの体験です。
季節ごとの楽しみ方
春(3〜5月):ホタルイカや山菜が旬を迎えます。加賀野菜の筍も春の味覚。市場全体が新緑のように活気づく季節です。
夏(6〜8月):岩牡蠣やスイカ、加賀太きゅうりが並びます。金時草のおひたしなど、夏ならではの加賀料理の食材が豊富。
秋(9〜11月):のどぐろが最も脂がのる季節。五郎島金時やれんこんなど、秋の加賀野菜も充実します。
冬(12〜2月):近江町市場が最も賑わう季節。加能ガニ(11月〜3月)、寒ブリ、甘エビが最高の旬を迎え、年末には正月用食材を求める人々で市場は大賑わいになります。
おすすめモデルコース
半日コース(約2〜3時間)
まずは市場を一周して全体の雰囲気を味わいましょう。鮮魚店や青果店を覗きながら、気になる食べ歩きグルメを楽しみます。お腹が空いたら海鮮丼の名店でランチを。食後は近江町いちば館の2階でお土産選び。地元の醤油や味噌、加賀棒茶などは喜ばれるお土産です。
金沢周遊コース
午前中に近江町市場で海鮮ランチ → 徒歩5分で金沢城公園 → 兼六園 → 午後はひがし茶屋街でお茶と散策。近江町市場は金沢の主要観光地のほぼ中心に位置するため、観光の起点として最適です。
アクセス・基本情報
住所:石川県金沢市上近江町50
営業時間:店舗により異なる(多くは9:00〜17:00)
定休日:店舗により異なる(水曜休みの店が多い、年始休業あり)
アクセス:
・JR金沢駅から北鉄バス約10分「武蔵ヶ辻・近江町市場」下車すぐ
・金沢駅から徒歩約15分
・城下まち金沢周遊バス「武蔵ヶ辻・近江町市場」下車すぐ
駐車場:近江町いちば館地下駐車場あり(有料)
訪問のコツ
・朝イチがおすすめ:9時〜10時頃が最も品揃えが豊富。人気の海鮮丼店も比較的空いています。
・現金を用意:個人商店では現金のみの店もまだ多いです。
・エコバッグ持参:お土産や食材を買うなら大きめのバッグがあると便利。
・発送サービス活用:鮮魚店では全国発送に対応している店が多く、新鮮なまま自宅に届けてもらえます。
・年末は大混雑:12月下旬は特に混み合います。時間に余裕を持って訪れましょう。
地元ライターからのメッセージ
近江町市場は、300年の歴史が息づく金沢の食の殿堂です。威勢のいい掛け声が飛び交う市場の活気は、訪れる人を元気にしてくれます。観光客向けの華やかな海鮮丼もいいですが、地元の人に混じって旬の食材を選ぶのもまた一興。加賀野菜を手に取り、店のおばちゃんにおすすめの調理法を聞く——そんな何気ないやり取りの中に、金沢の温かさが感じられるはずです。里海の恵みと城下町の食文化が交差するこの場所で、北陸の「おいしい」を存分にお楽しみください。
近江町市場周辺の見どころ
近江町市場で食事を楽しんだ後は、徒歩圏内の観光スポットへ足を延ばしましょう。
- 兼六園 — 日本三名園に数えられる名庭園。近江町市場から坂を上って徒歩10分(徒歩10分)
- 金沢城公園 — 加賀藩前田家の居城跡。近江町市場のすぐ南に位置する(徒歩5分)
- ひがし茶屋街 — 江戸時代の茶屋文化を今に伝える街並み。金箔ソフトクリームが人気(徒歩10分)
- 金沢21世紀美術館 — 近江町市場とはまた違った金沢の魅力に出会える美術館(徒歩15分)
北陸のグルメを網羅的に知りたい方は「北陸の必食グルメ総まとめ」を、金沢観光の全体像は「金沢観光おすすめスポット30選」をご覧ください。
写真クレジット:
入口写真 — DimiTalen(Wikimedia Commons / CC0)
市場内写真 — dconvertini(Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0)








