福井の山城・城跡めぐり — 一乗谷城・国吉城・玄蕃尾城・杣山城など戦国の山城を巡る歴史探訪

福井県は戦国時代、朝倉氏・織田氏・柴田氏・結城氏など多くの戦国大名が覇を競った土地であり、県内各地に山城跡が残されています。特に越前地方には、山の尾根や山頂に築かれた中世の山城が数多く点在し、当時の攻防戦の歴史を今に伝えています。一乗谷朝倉氏遺跡の背後にそびえる一乗谷城、国吉城、玄蕃尾城、杣山城など、山城ファンにとっては見逃せないスポットが揃っています。福井の山城を巡り、戦国の歴史ロマンに触れる旅をご紹介します。
目次
福井の山城 — 一乗谷城と朝倉氏の栄華
福井県を代表する山城が、一乗谷朝倉氏遺跡の背後にそびえる「一乗谷城」です。一乗谷城は標高473メートルの一乗城山の山頂に築かれた詰城(つめのしろ)で、朝倉氏の本拠地である一乗谷の背後を守る重要な防衛拠点でした。通常は麓の館に居住していた朝倉氏ですが、戦時には山上の詰城に籠城する構えをとっていました。
一乗谷城へは、一乗谷朝倉氏遺跡から登山道を登って約40分です。登山道は急な箇所もありますが、整備されており、登山初心者でも挑戦できます。山頂には石垣や土塁、曲輪(くるわ)の跡が残り、朝倉氏時代の縄張りを確認することができます。また、山頂からは一乗谷の谷間を一望でき、朝倉氏がなぜこの地を本拠としたのか、その地形的優位性を実感できます。一乗谷城は続日本100名城にも選ばれており、詳しくは一乗谷朝倉氏遺跡の記事もご覧ください。
福井の山城 — 国吉城と粟屋勝久の籠城戦
若狭地方の山城として有名なのが、美浜町にある「国吉城」です。国吉城は続日本100名城に選定されており、若狭国人の粟屋勝久が築いた山城です。戦国時代、若狭は越前朝倉氏の勢力圏にありましたが、粟屋勝久は織田信長に従い、朝倉氏の度重なる攻撃に耐えて籠城しました。特に1563年から1570年にかけての籠城戦は有名で、朝倉軍の攻撃を7年間にわたって撃退し続けました。
国吉城跡は標高197メートルの佐柿山に築かれており、麓の若狭国吉城歴史資料館から登山道で約30分です。山頂の本丸跡からは若狭湾と周囲の山々を一望でき、国吉城が若狭の重要な拠点であったことが理解できます。城跡には石垣や堀切、曲輪などが良好に残されており、中世山城の典型的な構造を観察できます。詳しくは国吉城と若狭の山城の記事もご覧ください。

福井の山城 — 玄蕃尾城と賤ヶ岳の戦い
敦賀市と滋賀県の県境にそびえる「玄蕃尾城(げんばおじょう)」は、柴田勝家が築いた山城です。1583年の賤ヶ岳の戦いの際、柴田勝家は羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)と対峙するため、この玄蕃尾城を本陣としました。標高460メートルの山頂に築かれた玄蕃尾城は、織豊系の城郭建築の特徴を持ち、土塁・曲輪・虎口などが明瞭に残されています。
玄蕃尾城跡は続日本100名城に選定されており、福井県側・滋賀県側の両方から登山道があります。福井県側からは柳ヶ瀬登山口から約40分、滋賀県側からは約30分です。城跡は保存状態が非常に良く、戦国時代の山城がほぼそのままの形で残されており、城郭ファンには必見のスポットです。特に土塁の高さや規模は圧巻で、短期間で築かれた陣城としては異例の完成度を誇ります。
福井の山城 — 杣山城と越前の国人領主
越前市にある「杣山城(そまやまじょう)」は、標高492メートルの杣山山頂に築かれた山城です。南北朝時代から戦国時代にかけて、越前国人の瓜生氏が本拠とした城で、南北朝時代には新田義貞の遺児を擁して北朝方と戦った歴史があります。戦国時代には朝倉氏の傘下に入りましたが、織田信長の越前侵攻により廃城となりました。
杣山城跡へは、越前市の登山口から約1時間の登山となります。登山道は整備されていますが、急な箇所もあり、本格的な山城登山となります。山頂の本丸跡からは越前平野と日本海を一望でき、越前国人領主の拠点としての立地の良さを実感できます。城跡には石垣や土塁、堀切などが残り、中世山城の構造を学ぶことができます。
福井の城跡めぐり — 平城の福井城・丸岡城
山城以外にも、福井県には近世の平城・平山城があります。福井市の「福井城」は、結城秀康が慶長6年(1601年)に築いた福井藩68万石の居城です。現在は石垣と堀が残り、本丸跡には福井県庁が建っています。福井城の石垣は壮大で、特に御廊下橋から見る石垣と堀の景観は見事です。詳しくは養浩館庭園と福井城址の記事をご覧ください。
坂井市の丸岡城は、現存天守十二城の一つで、「霞ヶ城」の別名を持つ美しい城です。天守は小規模ですが、最古級の現存天守として国の重要文化財に指定されています。また、越前大野城は「天空の城」として知られ、雲海に浮かぶ姿が幻想的です。福井県の城めぐりは、山城から平城まで多彩な城郭建築を楽しむことができます。
福井の山城めぐりのポイントとアクセス
福井の山城めぐりには、登山装備が必要です。登山靴・雨具・飲料水・行動食・地図などを準備しましょう。山城の多くは整備された登山道がありますが、急坂や岩場もあります。夏季は虫除けスプレー、冬季は防寒具も必要です。また、山城には駐車場が整備されていない場所もあるため、事前に確認が必要です。
一乗谷城へはJR福井駅から一乗谷朝倉氏遺跡へバスでアクセスし、そこから登山します。国吉城へはJR美浜駅からタクシーで約10分です。玄蕃尾城へは車でのアクセスが基本となります。福井の山城めぐりは、歴史と自然を同時に楽しめる魅力的な旅です。戦国の武将たちが駆け抜けた山々を登り、歴史ロマンに浸ってみてはいかがでしょうか。
写真クレジット:
福井城跡の石垣 — 藤谷良秀(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
福井城跡 — Admiral Yan (ヤン提督)(Wikimedia Commons / CC BY 3.0)








