小松市 — 歌舞伎のまちと航空プラザ・勧進帳ゆかりの街を歩く
石川県南部に位置する小松市は、歌舞伎の伝統と航空の街という二つの顔を持つユニークな都市です。源義経と弁慶の「勧進帳」の舞台として知られる安宅関跡があり、250年以上の歴史を持つ曳山子供歌舞伎が今も受け継がれています。一方で、航空自衛隊小松基地の街として日本海側唯一の航空博物館「石川県立航空プラザ」も人気スポット。歴史と先端技術が融合する小松市の魅力をご紹介します。
目次
小松市の歴史 — 勧進帳と加賀藩の城下町
小松市の歴史は古く、奈良時代には国府が置かれていた記録が残っています。中世には一向一揆の拠点となり、戦国時代には前田利常が小松城に入城して加賀藩の隠居城としました。利常は小松を文化都市として整備し、九谷焼の振興や城下町の発展に力を注ぎました。
小松市を全国的に有名にしているのが、安宅関跡です。歌舞伎十八番の「勧進帳」は、源義経が奥州へ逃れる途中、弁慶が安宅関で関守・富樫左衛門の前で白紙の巻物を勧進帳として読み上げ、さらに義経を打擲して主従の情を見せるという名場面で知られています。この物語が小松の歌舞伎文化の原点となっています。

小松市のお旅まつり — 250年続く曳山子供歌舞伎
毎年5月に開催される「お旅まつり」は、小松市最大の祭りであり、その目玉が曳山子供歌舞伎です。江戸時代中期の1766年に始まったとされ、250年以上の歴史を誇ります。豪華絢爛な曳山(山車)の上で、地元の小学生たちが本格的な歌舞伎を演じる姿は、全国でも珍しい伝統芸能として高い評価を受けています。
曳山は全部で8基あり、各町内が交代で2基ずつ出して上演します。子どもたちは数か月にわたる厳しい稽古を経て本番に臨み、見事な所作と口上で観客を魅了します。2基の曳山が向かい合って上演する「曳山曳揃え」は祭りのクライマックスで、絢爛な曳山と子どもたちの真剣な演技が見る者の心を打ちます。お旅まつりは小松市の文化の象徴であり、歌舞伎のまち・小松を体感できる最高の機会です。
石川県立航空プラザ — 小松の空を知る日本海側唯一の航空博物館
小松空港に隣接する石川県立航空プラザは、日本海側で唯一の航空博物館です。入館料無料で、実機やエンジンの展示、フライトシミュレーターなど、航空の世界を存分に楽しめます。館内には小型飛行機やヘリコプター、戦闘機など約20機の実機が展示されており、間近で航空機の迫力を体感できます。
特に人気なのが、本格的なフライトシミュレーターです。戦闘機の操縦席を模したシミュレーターでパイロット気分を味わえるほか、セスナの操縦体験もできます。また、子ども向けの大型遊具「ぶ~んぶんワールド」は、飛行機をモチーフにした滑り台やアスレチックが充実しており、雨の日でも遊べるスポットとして地元のファミリーにも人気です。小松基地の航空祭と合わせて訪れるのもおすすめです。

小松市の見どころ — 小松城跡とこまつの杜
小松城は、加賀藩三代藩主・前田利常が隠居城とした城で、かつては「浮城」と呼ばれる水堀に囲まれた名城でした。現在は石垣の一部が残るのみですが、天守台跡からは小松市街を見渡すことができます。芦城公園として整備されており、春には桜の名所として市民の憩いの場となっています。
小松市は世界的な建設機械メーカー「コマツ(小松製作所)」発祥の地でもあります。「こまつの杜」は、旧本社工場跡地に整備されたコマツの施設で、世界最大級のダンプトラック930Eの実物展示が目玉です。高さ約7m・重量約200トンの巨大ダンプを間近で見ることができ、子どもから大人まで圧倒されます。敷地内には科学館「わくわくコマツ館」もあり、ものづくりの楽しさを体験できます。入館料は無料です。
小松市へのアクセスと周辺の見どころ
小松市へは、北陸新幹線の小松駅(2024年3月開業)から直接アクセスできます。東京から約2時間40分、金沢からは約15分です。小松空港は東京(羽田)から約1時間のフライトで、レンタカーも充実しています。
小松市周辺には魅力的なスポットが点在しています。安宅関跡は小松駅から車で約15分、日本海に面した松林の中に勧進帳の像が立つ歴史ロマンあふれる場所です。加賀温泉郷は車で約20分、山中・山代・片山津の三温泉で旅の疲れを癒せます。那谷寺は車で約25分、奇岩遊仙境と紅葉の名勝として知られる古刹です。歌舞伎と航空、歴史とものづくり——多彩な魅力を持つ小松市をぜひ訪れてみてください。
写真クレジット:
石川県立航空プラザの外観 — SONIC BLOOMING(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
石川県立航空プラザの展示機体 — Lombroso(Wikimedia Commons / Public domain)
小松城跡の石垣 — Ninijyo(Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)







